今北産業pedia
今北産業
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検索結果 (476)
クリア- 物理法則
自然界の現象を支配する、普遍的かつ客観的な規則性を数式などで記述したもの。
実験や観測によって検証され、いかなる条件下でも成立することが期待される。
ニュートン力学や相対性理論など、科学的探究によって体系化されてきた。
- 2乗3乗の法則
物体の大きさが変化した際、表面積は2乗に、体積は3乗に比例して増減する物理的性質。
生物の巨大化に伴う体重支持の限界や、熱放散の効率変化を説明する際に用いられる。
航空機の設計やナノテクノロジーなど、工学分野のスケールメリット評価にも重要である。
- BBGKY階級方程式
多粒子系の分布関数の時間発展を記述する一連の方程式。
統計力学において、微視的な運動から巨視的な輸送方程式を導く基礎。
粒子の相関を考慮した複雑な体系を扱うが、通常は近似を用いて解く。
- BKL予想
一般相対性理論において、宇宙の特異点近傍での振る舞いに関する予想。
特異点に近づくにつれ、空間がカオス的な振動を示すとされる。
宇宙の始まりやブラックホールの内部構造を理解するための重要な鍵。
- GW近似
多体問題において、自己エネルギーをグリーン関数Gと遮蔽相互作用Wで表す手法。
固体物理学において、電子の励起状態やバンド構造を精度よく計算する。
密度汎関数理論の弱点を補う手法として、物質科学の研究で普及している。
- H定理
統計力学において、孤立系のエントロピーが増大し、平衡状態へ向かうことを示す定理。
ルートヴィッヒ・ボルツマンが提唱し、微視的な可逆性と巨視的な不可逆性を結びつけた。
H関数の値が時間とともに減少することを示し、熱力学第二法則の微視的根拠となった。
- KP方程式
2次元空間における非線形波動を記述する偏微分方程式。
KdV方程式を多次元に拡張したもので、浅水波の伝播などをモデル化する。
ソリトン理論において重要であり、物理学や数学の多様な分野で研究される。
- KdV方程式
浅い水面を伝わる波などを記述する、非線形かつ分散性を持つ微分方程式。
ソリトンと呼ばれる、形を変えずに伝わる孤立波の解を持つのが特徴。
非線形波動理論の金字塔であり、物理学の多くの現象に応用されている。
- Kleinman-Bylander近似
第一原理計算において、擬ポテンシャルを非局所的な形式に変換する手法。
計算コストを大幅に削減しつつ、精度を維持できるため広く採用される。
大規模な原子系の電子状態計算を現実的な時間で行うために不可欠。
- LSZ簡約公式
量子場理論において、散乱振幅を場の相関関数に関連付ける公式。
粒子の散乱過程を理論的に計算するための架け橋となる重要な定理。
場の理論の基礎的な枠組みを提供し、素粒子物理学の計算に不可欠。
- MKdV方程式
KdV方程式の非線形項を3次に変更した、修正KdV方程式。
プラズマ物理学や弾性体の波動など、特定の物理現象を記述するのに用いる。
KdV方程式と同様にソリトン解を持ち、数学的に豊かな構造を有している。
- Placzekの分極率近似
ラマン散乱の強度を計算する際に、分子の分極率の変化を用いる近似法。
入射光のエネルギーが電子遷移エネルギーより十分小さい場合に適用される。
分子振動と光の相互作用を簡便に扱うことができ、分光学の基礎となる。
- Q-ガウス分布
非広範統計力学において導入された、通常のガウス分布を一般化した確率分布。
パラメータqの値によって形状が変化し、q=1のときは通常のガウス分布に一致する。
金融市場の価格変動や物理学の複雑系など、裾の重い分布を持つ現象の記述に用いられる。
- SRH統計
半導体内のキャリアの再結合と生成を記述する統計モデル。
不純物準位を介した過程を扱い、ショックレーらが提唱した。
太陽電池やLEDの効率を理解し、デバイス設計を行う上で極めて重要。
- SYZ予想
弦理論におけるミラー対称性を、幾何学的に説明しようとする予想。
カラビ・ヤウ多様体が特定の構造を持つことを予言し、数学と物理を繋ぐ。
シンプレクティック幾何学などの研究に大きな影響を与えている。
- Vafa-Wittenの定理
理論物理学において、特定の量子論でベクトル型の大域的対称性が自発的に破れないことを示す定理。
クムラン・ヴァファとエドワード・ウィッテンにより、1984年に提唱された。
量子色力学におけるフレーバー対称性の維持などを数学的に裏付ける重要な役割を果たしている。
- WKB近似
量子力学において、ポテンシャルが緩やかに変化する場合の近似解法。
シュレーディンガー方程式を半古典的に解き、トンネル効果などを求める。
物理学の様々な分野で、波動関数の振る舞いを概算するために重宝される。
- ゆらぎの定理
非平衡統計力学において、エントロピー生成の確率分布に関する等式。
微小な系ではエントロピーが一時的に減少する現象も起こりうることを定量化した。
熱力学第二法則を微視的な視点から一般化した、現代物理学の重要な理論である。
- アイコナール方程式
波動の位相を記述する非線形偏微分方程式。
幾何光学において光線の経路を決定する基礎的な方程式として知られる。
地震波の伝播やコンピュータグラフィックスのレンダリングに応用される。
- アイコナール近似
高エネルギーの散乱問題において、散乱角が小さいと仮定する手法。
波長が散乱体の大きさに比べて十分短い場合に有効な近似である。
原子核物理学や量子力学の散乱理論で広く用いられる。
- アインシュタイン方程式
一般相対性理論において、時空の歪みと物質の分布を結びつける方程式。
重力を時空の幾何学的な性質として記述し、宇宙の進化を予言した。
現代物理学および宇宙論の根幹をなす最も重要な方程式の一つである。
- アインシュタイン=ポドルスキー=ローゼンのパラドックス
量子力学の記述が不完全であることを示すために提案された思考実験。
量子もつれ状態にある二つの粒子が遠隔で影響し合う現象を指摘した。
後のベルの不等式の検証により、量子力学の非局所性が実証される契機となった。
- アハラノフ=ボーム効果
電磁場がゼロの領域でも、電磁ポテンシャルがあれば電子の位相が変化する現象。
古典力学では説明できない、ポテンシャルの物理的な実在性を示す量子力学の定理。
1959年に提唱され、その後の精密な実験によって実証された。
- アボガドロの法則
同温・同圧・同体積の全ての気体には、種類を問わず同じ数の分子が含まれる法則。
物質量(モル)の概念の基礎となり、化学反応の定量的理解に不可欠である。
1811年にアメデオ・アボガドロによって提唱され、近代化学の礎となった。
- アラン分散
発振器や時計の周波数安定度を評価するために用いられる統計量。
時間の経過に伴う周波数の変動を、観測時間の関数として表す。
原子時計の性能評価やジャイロスコープのノイズ解析に広く利用される。
- アルキメデスの原理
流体中の物体は、それが押しのけた流体の重さに等しい浮力を受けるという原理。
物体の密度が流体より小さければ浮き、大きければ沈むことを物理的に説明する。
船の設計や比重の測定など、工学や理学の幅広い分野で基礎として利用される。
- アルゴルパラドックス
連星系において、質量の小さい星の方が進化が進んでいるように見える現象。
恒星は質量が大きいほど早く進化するという定説に反するためこう呼ばれる。
実際には、星の間で質量移動が起こることで説明される。
- アルハゼンの定理
球面鏡において、特定の2点を通る光が反射する鏡面上の点を求める幾何学の問題。
4次方程式に帰着される難問であり、11世紀の物理学者アルハゼンが解法を試みた。
光学における反射の解析だけでなく、ビリヤードの軌道計算などにも関連する。
- アルファ反応
恒星の内部でヘリウム原子核が結合して重い元素を作る核融合反応。
炭素、酸素、ネオンなどの元素が段階的に合成される。
宇宙における元素の起源を説明する重要な理論の一部である。
- アレン=カーン方程式
合金の相分離現象などを記述する非線形反応拡散方程式。
秩序変数を用いて、異なる相の境界がどのように移動するかを表現する。
材料科学のシミュレーションや画像処理の分野でも応用されている。
- アントン・シュミットの状態方程式
極めて高い圧力下における固体の体積と圧力の関係を表す式。
地球物理学において、惑星内部の物質の状態を推定するために用いられる。
結晶格子の歪みや原子間の相互作用を考慮した物理モデルに基づいている。
- アンペールの法則
電流とその周囲に発生する磁場との関係を数学的に記述した電磁気学の法則。
閉じた経路に沿った磁場の積分は、その中を貫く電流の総量に比例する。
マクスウェル方程式の基礎の一つであり、電磁石やモーターの設計に不可欠である。
- アーチャーのパラドックス
弓を射る際、矢が弓の本体を避けるようにしなって飛んでいく現象。
矢の剛性と弦の力が相互作用し、狙った方向に正確に飛ぶために必要である。
ハイスピードカメラの観察で、矢が蛇行しながら進む様子が確認できる。
- アーベル・プラナの公式
級数の和と積分の差を、複素関数論を用いて表現する公式。
ニールス・アーベルとジョヴァンニ・プラナによって独立に発見された。
カシミール効果の計算やゼータ関数の解析など、多様な分野で利用される。
- アーンショーの定理
静止した点電荷の集まりだけでは、他の電荷を安定して空中に静止させられないという定理。
逆二乗則に従う力のみでは、ポテンシャルの極小点を作ることができないことに由来する。
磁気浮上を実現するには、反磁性体や動的な制御が必要であることを示唆している。
- イオン-分子反応
気相中でイオンと中性分子が衝突して起こる化学反応。
長距離の静電相互作用により、中性分子同士の反応より高速で進行する。
質量分析法や星間化学の研究において極めて重要である。
- インパルス近似
粒子衝突の際、相互作用時間が短いため外力の影響を無視できるとする近似。
衝突の前後で粒子の運動量が瞬時に変化すると仮定して計算を簡略化する。
原子核散乱やプラズマ物理学などの高エネルギー現象の解析に用いられる。
- ウィグナーの定理
量子力学において、対称性操作がユニタリ演算子または反ユニタリ演算子で表されるという定理。
物理系の対称性と、ヒルベルト空間上の演算子の性質を数学的に結びつけた。
物理法則の不変性を議論する上での基礎であり、群論の応用において極めて重要である。
- ウィグナー分布
信号のエネルギーを時間と周波数の両方の関数として記述する時間周波数分布。
量子力学の相空間分布を古典的な信号処理に応用したもので、高い解像度を持つ。
非定常信号の解析に用いられるが、干渉項(クロス項)が生じるという課題もある。
- ウィグナー効果
中性子照射などにより、結晶格子中の原子が本来の位置から弾き飛ばされる現象。
弾き飛ばされた原子が蓄積する「ウィグナー・エネルギー」は、発熱や変形の原因となる。
原子炉の安全管理において、黒炭減速材の劣化を防ぐために考慮すべき重要な要素。
- ウィグナー半円分布
ランダム行列の固有値密度が、行列のサイズを大きくすると半円状の分布になるという法則。
重い原子核のエネルギー準位の統計的性質を説明するために導入された。
現代では数理統計学や通信工学、複雑ネットワークの解析など多方面で応用されている。
- ウィグナー=エッカルトの定理
量子力学において、球面テンソル演算子の行列要素を幾何学的成分と物理的成分に分離する定理。
複雑な計算をクレブシュ・ゴルダン係数を用いて簡略化することを可能にする。
角運動量の合成や、原子・分子のスペクトル解析において不可欠な道具である。
- ウィッテン予想
代数曲線のモジュライ空間上の交点数に関する数学的予想。
エドワード・ウィッテンが提唱し、後にマキシム・コンツェビッチが証明した。
数理物理学と代数幾何学の密接な結びつきを示す画期的な成果となった。
- ウィーデマン・フランツの法則
金属において、熱伝導率と電気伝導率の比が温度に比例するという物理法則。
金属中の熱と電気の両方を電子が運んでいることを示唆しており、自由電子モデルを支持する。
低温域などでは不成立となる場合もあるが、多くの金属の性質を簡潔に記述できる。
- ウィーナー=ヒンチンの定理
定常確率過程のパワースペクトル密度が、自己相関関数のフーリエ変換に等しいという定理。
時間領域の相関と周波数領域のエネルギー分布を直接結びつける、信号解析の基本原理。
通信工学や統計力学において、ノイズの性質やシステムの応答を評価する際に使われる。
- ウェブスターのホルン方程式
管楽器などのホルンの形状と、内部を伝わる音波の関係を記述する方程式。
断面積が変化する管内での音圧の伝播を近似的に表現する。
スピーカーの設計や楽器の音響特性の解析において基礎的な理論となる。
- ウォルフのアルゴリズム
統計力学のイジング模型などのシミュレーションで、スピンの集団を一度に反転させる手法。
相転移付近で計算効率が著しく低下する「臨界スローイングダウン」を劇的に改善する。
クラスター形成アルゴリズムの一種であり、モンテカルロ法の精度向上に貢献した。
- ウンルー効果
加速運動をする観測者には、何もない真空が熱い粒子の海(熱浴)に見えるという現象。
相対論と量子力学を組み合わせた結果導かれ、観測者の運動状態により真空が変化することを示す。
ホーキング放射とも密接に関連しており、現代物理学の基本原理を探る上で重要である。
- ウーゾ効果
ウーゾなどのリキュールに水を加えると、透明な液体が突如として白濁する現象。
水に溶けにくい精油成分が、界面活性剤なしで微細な油滴として安定して分散するために起こる。
化粧品や薬品の製造において、乳化剤を使わない新しい乳化技術として応用が期待される。
- エジソン効果
加熱されたフィラメントから電子が放出される現象。熱電子放出とも呼ばれる。
エジソンが電球の改良中に発見し、後の真空管の発明へと繋がる重要な物理現象。
電子工学の幕開けを告げる発見であり、初期のラジオやテレビの技術基盤となった。
- エッティングスハウゼン効果
磁場中にある導体に電流を流した際、電流と磁場の両方に垂直な方向に温度差が生じる現象。
ホール効果の熱版とも言える現象であり、電子が磁場によって曲げられる際に熱を運ぶ。
熱電変換素子の効率向上や、固体物理学における輸送現象の研究に用いられる。
- エトヴェシュの法則
液体の表面張力と温度の関係を記述した経験則。
温度が上昇するにつれて表面張力は減少し、臨界温度においてゼロになることを示す。
物質の分子量や密度から表面張力を推定する際に利用される、物理化学の法則。
- エネルギー保存の法則
孤立した系において、エネルギーの総量は形が変わっても常に一定であるという法則。
熱、光、運動、電気など、エネルギーは相互に変換されるが、消滅したり生成したりしない。
物理学の最も根本的な原理の一つであり、あらゆる科学技術の設計の基礎となっている。
- エネルギー等配分の法則
熱平衡状態にある系において、エネルギーが各自由度に均等に配分されるという統計力学の法則。
理想気体の比熱などを説明する基礎となり、温度と分子運動の関係を明確にした。
古典力学の範囲で成立するが、低温域での量子効果による不一致が量子論への端緒となった。
- エリツァーの定理
ゲージ理論において、局所的なゲージ対称性は自発的に破れることがないという定理。
ゲージ不変な観測量のみが物理的な意味を持ち、非不変な量は期待値がゼロになる。
格子ゲージ理論や相転移の理論において、系の性質を正しく理解するための基礎となる。
- エルゴード定理
長時間における時間平均が、系全体の空間平均(アンサンブル平均)と一致することを示す定理。
個々の粒子の複雑な動きを追わなくても、統計的な手法で全体の性質を記述できる根拠となる。
統計力学の基礎を支える数学的理論であり、カオス理論や情報理論にも深く関わっている。
- エルンスト方程式
一般相対性理論において、軸対称な真空重力場を記述する偏微分方程式。
フレデリック・エルンストにより導かれ、ブラックホールの解を求める際に用いる。
可積分系としての性質を持ち、数学的にも非常に美しい構造を有している。
- エンメルトの法則
残像の大きさが、投影される面までの距離に比例して変化して見える現象。
網膜上の像の大きさが一定でも、遠くを見るほど対象が大きく知覚される。
視覚心理学における大きさの恒常性を説明する代表的な法則である。
- エーレンフェストの定理
量子力学における演算子の期待値が、古典力学の運動方程式に従うことを示す定理。
ミクロな量子力学とマクロな古典力学の対応関係を数学的に証明している。
シュレーディンガー方程式からニュートンの運動方程式を導出する際に用いられる。
- オイラーの運動方程式
流体の運動において、粘性を無視した理想流体の挙動を記述する方程式。
ニュートンの運動法則を流体に適用したもので、流速や圧力の関係を表す。
気象予測や航空機の設計など、流体力学の基礎理論として広く用いられる。
- オイラー=ラグランジュ方程式
解析力学において、系の運動を決定する変分原理に基づく方程式。
作用積分を最小にする経路がこの式を満たすことを利用して運動を記述する。
古典力学から量子場理論まで、物理学のあらゆる分野で中心的な役割を担う。
- オシポフ方程式
弾性体中の波動伝播や振動を記述するために提案された方程式。
ソ連の物理学者オシポフにより研究され、特定の境界条件での解が調べられた。
地震学や材料工学における波動解析の特殊なケースで参照される。
- オストログラドスキーの定理
ベクトル場の発散を体積積分すると、その境界での表面フラックスに等しくなる定理。
一般に「発散定理」として知られ、電磁気学や流体力学の基本法則を記述する。
ガウスの法則を数学的に定式化したものであり、物理学の広範な分野で使われる。
- オルバースのパラドックス
宇宙が無限で一様なら、夜空は星の光で昼のように明るいはずだという矛盾。
19世紀の天文学者ハインリヒ・オルバースによって広く知られるようになった。
宇宙が膨張しており、有限の年齢を持つことでこの矛盾は解消される。
- オルンシュタイン・ゼルニケ方程式
液体や気体の分子間の相関関数を記述する積分方程式。
直接相関と間接相関を分離し、物質の微視的な構造を解析するために用いる。
統計力学において、流体の熱力学的性質を導出するための基礎的な式である。
- オンサーガーの相反定理
非平衡統計力学において、異なる熱力学的流れと力の間の応答係数が対称であることを示す定理。
微視的な可逆性が、マクロな不可逆過程の係数に反映されることを数学的に証明した。
この功績により、ラルス・オンサーガーは1968年にノーベル化学賞を受賞している。
- オーバーハウザー効果
磁気共鳴において、電子スピンの飽和が核スピンの配向に影響を与え、信号を増大させる現象。
核磁気共鳴(NMR)の感度を劇的に向上させることが可能になる。
タンパク質の構造解析や、高感度な磁気測定技術であるDNPなどに広く応用されている。
- オーベルト効果
ロケットが高速で移動している時にエンジンを噴射すると、より効率的にエネルギーを得られる現象。
重力井戸の深い場所、つまり惑星の近くで加速することで軌道変更の効率が最大化される。
恒星間航行や惑星探査機のスイングバイ計画において、極めて重要な理論である。
- オームの法則
電気回路において、導体を流れる電流が電圧に比例し、抵抗に反比例するという法則。
電気工学の最も基本的かつ重要な法則であり、回路設計のあらゆる場面で利用される。
1827年にゲオルク・オームによって発表され、単位の名称にもその名が残っている。
- オールド・ナッソー反応
溶液の色が透明からオレンジ、そして黒へと劇的に変化する時計反応。
ヨウ素酸塩、亜硫酸水素塩、デンプン、水銀塩などを用いる。
化学デモンストレーションとして教育現場でよく披露される。
- カオの法則
光ファイバーにおいて、ガラスの不純物を取り除くことで光の減衰を抑えられるという法則。
チャールズ・カオが提唱し、長距離光通信の実現可能性を理論的に証明した。
この功績により、カオは2009年にノーベル物理学賞を受賞している。
- カシミール効果
真空中において、非常に接近した2枚の金属板の間に微小な引き合う力が働く物理現象。
真空は空ではなく、量子的なゆらぎが存在することを実験的に証明している。
ナノテクノロジーにおける微小機械の設計において、摩擦や吸着の原因として考慮される。
- カシャの法則
励起された分子が光を放出する際、常に最も低い励起状態から遷移が起きるという法則。
高いエネルギー状態に励起されても、熱振動によって速やかに最低励起状態へ失活する。
蛍光やリン光の波長が、吸収された光の波長によらず一定である理由を説明する。
- カスチリアノの定理
弾性体のひずみエネルギーを荷重で偏微分すると、その点での変位が求められるという定理。
構造力学や土木工学において、複雑な構造物の変形を計算するための強力な手法である。
エネルギー原理に基づいた解析手法として、橋梁や建築物の設計に広く応用されている。
- カピッツァ・ディラック効果
立ち上がる光の波(定在波)によって、電子のビームが回折される物理現象。
光を格子として利用し、粒子の性質を持つ電子が波のように振る舞うことを示している。
レーザー技術の発展により実験的に観測され、量子力学の基本原理を検証する手段となった。
- カラビ予想
コンパクトなケラー多様体にリッチ平坦な計量が存在するという数学的予想。
エウジェニオ・カラビが提唱し、後に丘成桐によって証明された。
超弦理論におけるカラビ=ヤウ多様体の存在を数学的に保証する成果である。
- カルノーの定理
熱機関の効率には理論上の限界があり、それは熱源の温度のみで決まるという定理。
いかなる熱機関も、可逆なカルノーサイクル以上の効率を持つことはできない。
熱力学第二法則の基礎となり、エネルギー変換の限界を理解する上で極めて重要である。
- カーケンドール効果
2種類の金属を接合して加熱した際、拡散速度の差によって接合面が移動する現象。
原子の移動に伴い、拡散が速い側に微細な空孔(カーケンドール・ボイド)が形成される。
半導体パッケージの信頼性低下の原因となる一方で、中空ナノ粒子の合成手法としても利用される。
- カーダー・パリージ・ザン方程式
界面の成長やランダムな変動を記述する非線形偏微分方程式。
結晶成長や紙の燃え広がりなど、多くの物理現象の動的スケーリングを説明する。
統計物理学における非平衡系の代表的なモデルとして知られる。
- カーディ公式
二次元の共形場理論において、高温状態でのエントロピーを記述する公式。
ジョン・カーディにより導出され、ブラックホールのエントロピー計算にも用いる。
統計力学と重力理論を繋ぐ重要な架け橋となっている。
- カーン=ヒリアード方程式
二成分系の混合物が相分離を起こし、特定の構造を形成する過程を記述する式。
表面エネルギーの影響を考慮し、濃度分布の時間変化を表現する。
材料科学における合金の組織形成や、画像処理の領域でも利用される。
- カー効果
電場をかけることで、物質の屈折率が変化する光学的な現象。
電場の強さの2乗に比例して変化し、光の位相を高速で制御することが可能になる。
光通信の変調器や高速シャッター、レーザー技術など、現代の光学デバイスに欠かせない原理である。
- ガイガー・ヌッタルの法則
放射性元素のアルファ崩壊において、崩壊定数と放出される粒子のエネルギーの間の関係式。
エネルギーが高いほど、半減期が極めて短くなるという指数関数的な相関を示す。
量子力学のトンネル効果を用いることで、理論的に説明することが可能である。
- ガウスの法則
電荷の分布とその周囲に生じる電場の関係を記述する、電磁気学の基本法則。
ある閉曲面を貫く電束の総量は、内部にある全電荷量に比例することを示している。
マクスウェル方程式の一つであり、静電場の計算を簡略化するための強力な道具となる。
- キャプスタン方程式
柱に巻き付けられたロープの両端にかかる張力の関係を表す式。
摩擦の影響により、わずかな力で非常に大きな荷重を支えられる原理を説明する。
船舶の係留や機械のブレーキシステムなど、多くの場面で応用されている。
- キュリーの原理
現象の対称性は、その原因となる作用の対称性よりも低くなることはないという物理学の原理。
原因に存在する対称性は結果にも保存されるが、結果には原因にない対称性が現れることもある。
結晶物理学や相転移の理論において、系の挙動を予測するための指針となる。
- キュリーの法則
常磁性体の磁化率が、絶対温度に反比例するという物理法則。
温度が上がると熱運動が激しくなり、磁気モーメントの整列が乱されることを示している。
ピエール・キュリーによって発見され、磁性体の温度依存性を理解するための基礎的な式である。
- キュリー・ワイスの法則
強磁性体がキュリー温度以上の高温領域で示す、磁化率の温度変化に関する法則。
キュリーの法則を拡張し、分子場による相互作用を考慮した形式となっている。
相転移点近傍での物質の挙動を記述し、磁性材料の研究において広く用いられる。
- キルヒホッフの法則
電気回路の電流保存(第1法則)と電圧の均衡(第2法則)を定めた基本法則。
回路解析の基礎であり、複雑なネットワーク内の電流や電圧を計算するために必須となる。
また、熱放射において吸収率と放射率が等しいという同名の法則も存在する。
- ギブスの不等式
二つの確率分布の間の交差エントロピーが、元のエントロピー以上になることを示す式。
情報理論において、情報の符号化効率や損失を評価する基礎となる。
熱力学におけるエントロピー増大の法則とも密接に関連している。
- ギブズのパラドックス
同種の気体を混合した際、エントロピーの変化が不連続に消失するように見える矛盾。
古典統計力学において、粒子の識別不可能性を考慮しない場合に生じる。
量子統計力学において粒子を区別できないと定義することで解決される。
- クッタ・ジュコーフスキーの定理
流体中を移動する物体に働く揚力は、流体の密度と速度、循環の積に等しいという定理。
航空機の翼に発生する揚力を計算するための基礎的な理論として知られる。
二次元の非粘性不可圧縮流れにおいて、翼の形状に関わらず成立する。
- クニーズニク・ザモロドチコフ方程式
共形場理論における相関関数が満たす線形微分方程式。
カッツ・ムーディ代数の表現論と関わり、結び目理論や量子群にも応用される。
数理物理学における可積分系の重要な研究対象の一つである。
- クライン-ゴルドン方程式
スピン0の自由粒子を記述する、相対論的な量子力学の波動方程式。
シュレーディンガー方程式を相対論的に拡張したもので、スカラー場を記述する。
量子場理論において、中間子などの性質を記述する基礎的な式である。
- クライン=仁科の公式
光子と電子のコンプトン散乱における散乱断面積を与える公式。
量子電磁力学の初期の成果であり、高エネルギー光子の挙動を正確に記述する。
放射線物理学や天体物理学において、相互作用を解析するのに不可欠である。
- クラウジウス–デュエムの不等式
熱力学の第二法則を連続体力学に適用した、エントロピー産生に関する不等式。
物質の変形や熱伝導が不可逆的であることを数学的に表現する。
材料の構成式が物理的に妥当であるかを判定するための制約条件となる。
- クラウジウスの定理
熱力学において、可逆サイクルでの熱量と温度の比の積分が零になるという定理。
不可逆サイクルの場合はこの値が負になり、エントロピー増大の法則を導く。
ルドルフ・クラウジウスによって提唱され、熱力学第二法則を数式化した。
- クルックスの揺動定理
微小な系において、ある過程とその逆過程の発生確率の比に関する物理法則。
非平衡状態におけるエントロピー生成と自由エネルギー変化を直接結びつける。
熱力学第二法則を微視的な視点から精密化したものと位置づけられる。
- クロージャー近似
非線形な方程式系を閉じた形にするための近似手法。
統計力学や流体力学において、高次の相関関数を低次で表す。
タービュランスのモデル化などで不可欠な技術となっている。
- クーロンの法則
2つの点電荷の間に働く力は、電荷の積に比例し、距離の2乗に反比例するという法則。
電磁気学の最も基礎的な法則の一つであり、静電気力の性質を記述する。
シャルル・ド・クーロンによって実験的に導かれ、万有引力の法則と似た形式を持つ。
- グラスマンの法則
色彩工学において、色の混合に関する線形性を記述した3つの法則。
また言語学では、古代ギリシャ語等で気音を伴う音が連続する際に一方が非気音化する現象。
物理学者のヘルマン・グラスマンによって、全く異なる2つの分野で提唱された。
- グリフィスの定理
統計力学のイジング模型において、スピン間の相関関数に関する不等式を与える定理。
強磁性的な相互作用がある系で、相関が特定の条件下で単調に増加することを示す。
相転移の存在や臨界現象の解析において重要な数学的基礎となっている。
- グリーン–久保公式
輸送係数を平衡状態のゆらぎの相関関数で表す統計力学の公式。
熱伝導率や粘性係数などを微視的な視点から計算可能にする。
線形応答理論の根幹をなす重要な成果として知られる。
- グリーンの法則
津波が浅瀬に近づく際、水深の減少に伴って波高が急激に増大することを記述する法則。
波高は水深の4分の1乗に反比例するという関係式で表される。
海岸付近での津波被害の予測や防災計画において極めて重要な知見である。
- グレアムの法則
気体の拡散や噴出の速度は、その気体の密度の平方根に反比例するという法則。
軽い分子ほど速く動き、重い分子ほどゆっくり動くことを定量的に示した。
トマス・グレアムによって発見され、混合気体の分離技術などに利用されている。
- グロス=ピタエフスキー方程式
ボース=アインシュタイン凝縮体の波動関数を記述する方程式。
相互作用するボース粒子の集団を平均場近似でモデル化する。
量子流体力学や超流動の研究において広く利用されている。
- グローバーのアルゴリズム
未整列のデータベースから特定のデータを探索する、量子コンピュータ向けのアルゴリズム。
古典的な探索がN回必要なのに対し、√N回の試行で目的のデータを見つけ出せる。
量子状態の振幅を増幅させる手法を用いており、暗号解読などへの応用が期待される。
- ケプラーの法則
惑星の運動に関する3つの法則で、楕円軌道、面積速度一定、周期の法則からなる。
ヨハネス・ケプラーがティコ・ブラーエの観測データを解析して発見した。
天動説を完全に否定し、後にニュートンが万有引力の法則を導く基礎となった。
- ケプラー方程式
天体の軌道運動における平均近点角と離心近点角を結ぶ超越方程式。
二体問題の解を時間の関数として求める際に必要となる。
反復法などの数値計算を用いて解かれるのが一般的である。
- ケルビンの渦定理
非粘性の理想流体において、閉曲線に沿った循環は時間が経過しても変化しないという定理。
流体中の渦の強さが保存されることを示し、流体運動の解析に不可欠な知見である。
ケルビン卿(ウィリアム・トムソン)によって定式化された。
- ケルビン方程式
曲面上での蒸気圧の変化を記述する熱力学の式。
液滴の半径が小さくなるほど、その表面の蒸気圧が高くなることを示す。
毛管凝縮や核形成の現象を説明するために用いられる。
- ゲイ=リュサックの法則
気体の体積が一定の時、圧力は絶対温度に比例するという法則。
または、気体反応において反応物と生成物の体積が簡単な整数比になるという法則。
ジョセフ・ルイ・ゲイ=リュサックによって発見され、理想気体の状態方程式の基礎となった。
- ゲルファント=レヴィタン=マルチェンコ方程式
散乱データからポテンシャルを決定する逆散乱問題の積分方程式。
量子力学におけるシュレーディンガー方程式の逆問題を解くために開発された。
KdV方程式などの可積分系の解法にも応用されている。
- ゲルマン=ロウの定理
量子場理論において、相互作用のない系の基底状態が相互作用のある系の基底状態へ繋がる条件を示す定理。
断熱的に相互作用を導入することで、摂動論的な計算が可能になる数学的根拠を与える。
マレー・ゲルマンとフランシス・ロウによって1951年に発表された。
- コアンダ効果
噴流(流体の流れ)が、近くの凸状の壁面に引き寄せられ、面に沿って流れる現象。
粘性によって周囲の流体を巻き込み、圧力が下がることで壁に吸い寄せられる。
航空機の揚力向上や、空調機の気流制御、文房具の設計などに広く応用されている。
- コットン効果
物質の旋光度や円二色性が、吸収帯の近くで波長に応じて急激に変化する現象。
物質の立体構造や電子状態を反映するため、有機化合物の構造解析に利用される。
フランスの物理学者エメ・コットンによって発見された。
- コヒーレントポテンシャル近似
乱れた結晶格子の電子状態を計算するための平均場近似手法。
不純物を含む合金などの物性を扱う物性物理学で多用される。
ランダムなポテンシャルを有効的な一様ポテンシャルで置き換える。
- コペルニクスの原理
地球や人類は宇宙において特別な場所に位置しているわけではないという宇宙論的原則。
天動説から地動説への転換を象徴し、現代の宇宙物理学の前提となっている。
観測される宇宙の性質は、場所や方向に依存せず一様であるという考え方を支える。
- コンストラクタル法則
システムの構造は、流動(フロー)をより円滑にする方向に進化するという物理法則。
エイドリアン・ベジャンが提唱し、河川の分岐や血管の構造、都市の交通網などを説明する。
生物・非生物を問わず、自然界のあらゆるデザインの発生原理とされる。
- コンファインド効果
狭い空間に閉じ込められることで、物質や現象の性質が変化する物理的効果。
ナノ粒子や多孔質材料において、分子の運動が制限されることで特異な反応性を示す。
触媒化学や半導体デバイスの微細化技術において重要な役割を果たす。
- コンプトン効果
X線やガンマ線が物質中の電子と衝突し、波長が長くなって散乱される現象。
光が粒子としての性質(光子)を持つことを証明する決定的な証拠となった。
医療用放射線装置や天体物理学における高エネルギー現象の解析に利用される。
- コーシーの応力原理
物体内部の任意の面を通過する力(応力)の分布を記述する連続体力学の原理。
内部の微小要素に働く力は、その面の法線ベクトルに依存する応力ベクトルで表される。
応力テンソルの概念を導入し、固体力学や流体力学の基礎方程式を支えている。
- コーヒーリング効果
液体が蒸発する際、溶質が液滴の縁に集まってリング状の跡が残る現象。
液滴の端での蒸発速度が速いため、中心部から外側へ向かう流れが生じることで起こる。
インクジェット印刷の品質向上や、ナノ粒子の配列制御などの技術開発で注目される。
- コールラウシュの法則
電解質溶液の無限希釈時において、各イオンが独立に電気を運ぶという法則。
強電解質のモル伝導率が、濃度の平方根に比例して減少することを示す。
溶液中のイオンの移動度や、弱電解質の解離定数を求めるために利用される。
- コーン–シャム方程式
密度汎関数理論において多電子系の電子状態を求める単一粒子方程式。
相互作用する電子系を、有効ポテンシャル中の独立粒子系として扱う。
材料科学や量子化学の計算において世界中で利用されている。
- コーンの不等式
弾性力学において変位勾配を歪みテンソルで評価する不等式。
物体の変形エネルギーが適切に定義されるための数学的基礎を与える。
偏微分方程式の解の存在や安定性の議論において重要である。
- サニャック効果
回転する系において、逆方向に進む2つの光の到達時間に差が生じる現象。
光ファイバジャイロなどのセンサーに利用され、回転角速度を極めて精密に測定できる。
相対性理論とも深く関連し、航空機や船舶の慣性航法装置の核心技術となっている。
- サハの電離公式
熱平衡状態にあるプラズマの電離度を記述する物理公式。
温度や圧力、電離エネルギーの関数として電離の割合を求める。
恒星の大気や電離層の研究など、天体物理学において極めて重要である。
- サバティエの原理
触媒反応において、触媒と反応物の吸着強度が「中程度」の時に活性が最大になるという原理。
吸着が弱すぎると反応が始まらず、強すぎると生成物が離れず表面を塞いでしまう。
触媒設計における最も重要な指針の一つであり、火山型プロットで視覚化される。
- サンブナンの原理
弾性体において、荷重のかかり方が異なっても、離れた場所での応力分布はほぼ等しくなるという原理。
局所的な複雑さを無視して、全体の荷重条件だけで遠方の解析ができることを保証する。
構造計算を簡略化する際の理論的根拠として、機械・土木工学で多用される。
- ザックス・ヴォルフェ効果
宇宙マイクロ波背景放射の温度が、重力ポテンシャルの影響で変化する現象。
宇宙初期の密度揺らぎが、光子の赤方偏移を引き起こすことで観測される。
宇宙の大規模構造の形成過程を理解するための、宇宙論における重要な観測的指標である。
- ザックール・テトローデ方程式
単原子理想気体のエントロピーを微視的定数から求める公式。
量子力学的な効果を取り入れることで、ギブズのパラドックスを解決した。
統計力学において熱力学的な量と量子状態を結びつける重要な式である。
- ザ・セカンド・ロウ〜熱力学第二法則
英国のロックバンド、ミューズが2012年に発表したスタジオ・アルバム。
エネルギーの散逸とエントロピーの増大という物理法則をテーマに、文明の持続可能性を問う。
オーケストラやダブステップを取り入れた壮大なサウンドが特徴で、世界的にヒットした。
- シミュレーション仮説
我々の存在する世界は、高度な文明によるコンピュータシミュレーションであるという説。
ニック・ボストロムらが提唱し、物理法則のデジタル的な性質などを根拠とする。
哲学や物理学の境界領域で真剣に議論されるテーマとなっている。
- シャノン=ハートレーの定理
通信路の帯域幅と信号対雑音比から、伝送可能な情報の最大レートを算出する公式である。
通信路容量は帯域幅に比例し、信号の強さとノイズの比の対数関数として表される。
物理的な通信路が持つ限界を定量的に示すものであり、ネットワークの性能評価に用いられる。
- シャルルの法則
圧力が一定のとき、理想気体の体積は絶対温度に比例して変化するという物理学の法則である。
温度が1度上がるごとに、0度における体積の273.15分の1ずつ増加する性質を持つ。
ボイルの法則と組み合わせてボイル=シャルルの法則となり、気体の状態変化を記述する基礎となる。
- シュウィンガー効果
強大な電場の中において、真空から電子と陽電子のペアが自然に生成されるという量子力学の現象である。
真空が絶縁破壊を起こす現象とも言え、量子電磁力学によって理論的に予測されている。
非常に強力なレーザーを用いた実験などで観測が試みられているが、実現には極めて高い電場が必要。
- シュタルク効果
外部から電場をかけることによって、原子や分子のスペクトル線が分裂したり移動したりする現象である。
電場が原子内の電子のエネルギー準位を変化させることで起こり、ゼーマン効果の電場版と言える。
分光法において分子の極性や内部電場を測定する手段として、物理学や化学で広く利用される。
- シュテファン=ボルツマンの法則
黒体から放射されるエネルギーが、その絶対温度の4乗に比例するという熱力学の法則である。
単位面積あたりの放射強度は、シュテファン=ボルツマン定数を用いて算出される。
恒星の表面温度の推定や、地球の熱収支の計算など、天文学や気象学において極めて重要である。
- シュペーラーの法則
太陽活動周期の進行に伴い、太陽黒点が出現する緯度が徐々に赤道へと移動していく法則である。
11年周期の始まりには高緯度に現れ、終わりに向かって赤道付近に集中する様子が観測される。
太陽の内部ダイナモ機構を解明するための重要な手がかりとして、天文学で重視されている。
- シュルツ・ハーディの法則
コロイド溶液に電解質を加えたとき、凝集に必要な最小濃度がイオンの価数の高次冪に反比例する法則である。
価数が大きいイオンほど、極めて低い濃度でコロイドを沈殿させる強力な効果を持つ。
浄水処理における凝集剤の選定や、土壌の性質を理解する上での基礎的な化学法則である。
- シュレーディンガー方程式
量子力学における系の時間発展を記述する基礎方程式。
粒子の波動関数がどのように変化するかを偏微分方程式の形で表す。
現代物理学の根幹であり、原子や分子の挙動を理解するために不可欠である。
- ショットキー効果
金属表面に強い電場をかけることで、電子が外部へ放出される際の障壁が低下する現象である。
熱電子放出や電界放出において、放出電流が増大する直接的な原因となる。
真空管や走査型電子顕微鏡の電子銃、半導体素子の接合特性などを理解する上で不可欠な概念である。
- ジェフィメンコ方程式
時間変化する電荷と電流から電磁場を直接求める方程式。
マクスウェル方程式を遅延ポテンシャルの考え方を用いて解いたものである。
因果律を明示的に含んでおり、電磁放射の理解に役立つ。
- ジスマンの法則
固体表面の濡れ性において、液体の表面張力と接触角の余弦の間に直線関係が成り立つという経験則である。
この直線をプロットし、接触角が0度になる表面張力を「臨界表面張力」と定義する。
撥水剤の開発や接着技術の評価において、表面のエネルギー状態を測定する指標として使われる。
- ジャイロ効果
回転する物体が、その回転軸の向きを維持しようとしたり、軸を傾ける力に対して直角に動いたりする現象である。
コマが倒れずに回り続けたり、走行中の自転車が安定したりするのはこの効果による。
ジャイロスコープとして航法装置に利用されるほか、人工衛星の姿勢制御などにも不可欠な原理である。
- ジュールの法則
電流によって発生する熱量や気体の内部エネルギーに関する物理法則。
抵抗に電流を流した際の熱量は電流の2乗と抵抗、時間に比例する。
電気機器の設計や熱力学の基礎として広く利用されている。
- ジュール=トムソン効果
外部と熱のやり取りをせずに気体を膨張させた際、温度が変化する現象。
分子間力の影響により、多くの気体は常温で膨張させると温度が下がる。
天然ガスの液化や冷蔵庫の冷却原理などに広く応用されている。
- ジョセフソン効果
薄い絶縁体を挟んだ2つの超伝導体間に、電圧なしで電流が流れる現象。
トンネル効果の一種であり、磁場に対して非常に敏感に反応する。
精密な磁気測定を行うSQUIDや電圧標準の定義に用いられる。
- ジーンズの定理
定常的な無衝突系において、分布関数は運動の恒量のみの関数であるという定理。
銀河の力学構造を解析する際に、星の分布を記述する基礎として用いられる。
天体物理学における統計力学的なアプローチの根幹をなす。
- スケール効果
物体の大きさが変化した際、物理的な性質や性能が単純な比率で変化しない現象。
表面積と体積の比率の変化により、強度や熱伝導率などが影響を受ける。
航空機の設計や船舶の模型実験、生物の形態進化などの説明に用いられる。
- スターリング方程式
血液と組織間の水分移動を記述する生理学の基本式。
静水圧と浸透圧の差によって、毛細血管壁を通過する液体の流れが決まる。
浮腫の発生メカニズムなどを理解するために医学・生理学で用いられる。
- スター効果
外部電場によって原子や分子のスペクトル線が分裂したり移動したりする現象。
電場が電子のエネルギー準位を変化させることで発生する。
天体の電場測定や、レーザー分光法による物質の構造解析に利用される。
- スツルム=リウヴィル型微分方程式
二階の線形常微分方程式の一種で、固有値問題として扱われるもの。
物理学における振動や波動、熱伝導などの多くの現象を記述する。
固有関数の直交性などの性質が、関数展開の理論の基礎となっている。
- スティーヴンスのべき法則
物理的な刺激の強さと、人間が感じる感覚の強さの関係を示す心理物理学の法則。
感覚量は刺激量のべき乗に比例するというもので、フェヒナーの法則を改良した。
音の大きさや光の明るさなど、多様な感覚の定量的評価に用いられる。
- ステファンの方程式
相転移を伴う熱伝導問題における界面の移動を記述する式。
氷が溶ける際の境界の動きなど、時間とともに変化する領域を扱う。
材料工学や地球物理学における凝固・融解現象の解析に用いられる。
- ステブラー・ロンスキー効果
アモルファスシリコンに光を照射し続けると、電気伝導度が低下する現象。
光によって材料内部に欠陥が生じることが原因と考えられている。
太陽電池の長期的な変換効率低下を招く要因として、材料開発の課題となっている。
- ストロボ効果
周期的または瞬間的な光の照射により、動いている物体が静止や逆回転して見える現象。
物体の動きと光の点滅周期が同期することで発生する視覚的な錯覚である。
回転機器の速度測定や、映像作品における特殊効果として利用される。
- ストークスのパラドックス
二次元の低レイノルズ数流れにおいて、物体に働く抗力が定義できない現象。
粘性流体の基礎方程式であるストークス近似が、遠方で妥当性を失うことを示す。
三次元では起こらない、低次元流体力学特有の困難な問題である。
- ストークスの定理
ベクトル場の回転の積分を、その境界における線積分に関連付ける微積分学の定理。
3次元空間における線積分と面積分の関係を一般化したものである。
電磁気学のマクスウェル方程式を記述する際など、物理学で極めて重要となる。
- スネルの法則
光や波が異なる媒体の境界で屈折する際の、入射角と屈折角の関係を示す法則。
各媒体の屈折率と角度の正弦(サイン)の積が一定であることを示す。
レンズの設計や光ファイバーの通信原理など、光学の最も基本的な法則の一つ。
- スピンホール効果
電流を流した際、電子のスピンの向きに応じて移動方向が分かれ、側面にスピンが蓄積する現象。
外部磁場を必要とせず、スピン軌道相互作用によって発生する。
次世代の低消費電力デバイスであるスピントロニクスの基幹技術として期待される。
- スピン統計定理
粒子のスピンの値によって、その粒子が従う統計性が決まるという量子力学の定理。
整数スピンの粒子はボース統計に、半整数スピンの粒子はフェルミ統計に従う。
パウリの排他原理の根拠であり、物質の安定性や超流動などを説明する。
- スベンスマルク効果
宇宙線が地球の雲の形成に影響を与え、気候を変動させるという仮説。
宇宙線が空気分子をイオン化し、それが雲の核となって雲量を増やすとされる。
太陽活動と地球温暖化の関係を説明する理論の一つだが、科学的な議論が続いている。
- スペクトルエネルギー分布
天体などの物体が放射するエネルギーを、波長や周波数ごとに示した分布。
天体の温度、組成、年齢などの物理的性質を推定するための重要な情報源となる。
星形成領域から銀河全体まで、幅広い天体観測データの解析に用いられる。
- スミス-パーセル効果
電子ビームが回折格子の表面近くを通過する際に、電磁波が放射される現象。
電子の電場と格子の相互作用により、特定の波長の光が発生する。
小型の自由電子レーザーや、テラヘルツ波光源の開発に応用されている。
- スラブ近似
表面や界面の物性を計算するために、無限に続く平板を仮定する手法。
結晶の周期性を保ちつつ、厚みを持たせたモデルで表面状態をシミュレートする。
第一原理計算などの材料科学分野で標準的に用いられる。
- スヴェンセン・ワンのアルゴリズム
統計力学のイジング模型などをシミュレーションするためのモンテカルロ法の一種。
スピンの集団(クラスター)を一度に更新することで、相転移付近での計算効率を劇的に高める。
臨界減速の問題を解決する手法として、計算物理学で広く利用されている。
- ゼーベック効果
2種類の異なる金属や半導体を接続し、接点に温度差を与えると電圧が発生する現象。
熱エネルギーを直接電気エネルギーに変換する熱電発電の原理である。
温度センサーである熱電対や、廃熱を利用した発電素子などに利用されている。
- ゼーマン効果
磁場の中に置かれた原子が放出するスペクトル線が、複数の成分に分裂する現象。
磁場が電子のエネルギー準位を変化させることで発生する。
太陽や恒星の表面磁場を測定する天体物理学の重要な手段となっている。
- ソロモン方程式
磁気共鳴において、スピン間の交差緩和を記述する微分方程式。
分子の運動や距離情報を反映し、核オーバーハウザー効果の解析に用いられる。
タンパク質などの立体構造決定において極めて重要な役割を果たす。
- タム‐ダンコフ近似
量子多体系において、特定の励起状態のみを考慮する近似手法。
原子核物理学や量子化学において、励起エネルギーの計算に用いられる。
配置間相互作用法の一種であり、計算コストを抑えつつ物理的本質を捉える。
- ダイソン方程式
量子場理論において、自己エネルギーを含む全グリーン関数を記述する方程式。
相互作用する粒子の振る舞いを、裸の粒子と自己エネルギーの和として表す。
多体問題や固体物理学における電子相関の解析に広く用いられる。
- ダフィング方程式
非線形な復元力を持つ振動系を記述する二階非線形微分方程式。
カオス挙動を示す最も単純な物理モデルの一つとして広く研究されている。
バネの硬化や軟化を伴う機械振動の解析などに用いられる。
- ダランベールのパラドックス
粘性のない流体中を運動する物体には、抵抗が全く働かないという理論的結果。
18世紀に導かれたが、実際の流体現象と矛盾するためこう呼ばれる。
粘性の重要性や境界層理論の発展を促す契機となった。
- ダランベールの原理
慣性力を導入することで、動力学の問題を静力学の問題として扱うことができる原理。
加速度運動する物体に対し、仮想的な力を想定して力のつり合い式を立てる。
複雑な機械系の運動方程式を導出する解析力学の基礎となっている。
- ティティウス・ボーデの法則
太陽系の惑星の太陽からの距離が、簡単な数列で近似できるという経験則。
天王星の発見を予測するなど一時的に注目されたが、海王星以降は適合しなくなった。
物理的な根拠は明確ではないが、惑星形成過程の統計的な性質を反映しているとされる。
- テニスラケットの定理
剛体の回転運動において、中間慣性モーメントの軸まわりの回転が不安定になる現象。
回転中に物体がひっくり返るような挙動を示し、ジャニベコフ効果とも呼ばれる。
テニスラケットを放り投げた際の複雑な動きを説明する力学の定理である。
- デュアメルの原理
非斉次の線形偏微分方程式の解を、斉次方程式の解を重ね合わせることで求める手法。
熱伝導方程式や波動方程式において、外力がある場合の挙動を解析するのに用いる。
制御理論や信号処理におけるインパルス応答の概念とも深く関連している。
- デュフール効果
混合気体において、濃度勾配が存在することによって熱流が発生する物理現象。
熱拡散効果(ソレー効果)の逆現象であり、拡散熱効果とも呼ばれる。
非平衡熱力学における輸送現象の一つとして、理論的に記述される。
- デュロン=プティの法則
固体元素の定積モル比熱が、高温域において気体定数の約3倍(3R)で一定になる法則。
古典力学のエネルギー等配分の法則に基づき、原子の振動をモデル化している。
低温域での不一致は、後にアインシュタインやデバイによる量子論で説明された。
- トムソン効果
温度勾配のある導体に電流を流した際、熱の吸収または発生が起こる熱電現象。
ゼーベック効果、ペルティエ効果と並ぶ熱電三効果の一つである。
ウィリアム・トムソン(ケルビン卿)によって理論的に予言・発見された。
- トリチェリーの原理
容器の穴から流出する液体の速度が、液面からの深さの平方根に比例するという法則。
エネルギー保存則(ベルヌーイの定理)の特殊なケースとして説明される。
水時計の原理や、タンクからの排水時間の計算などに利用される。
- トリプルアルファ反応
恒星の内部で3つのヘリウム原子核が結合して炭素12を作る核融合反応。
赤色巨星などの高温・高密度の環境下で進行する。
宇宙における重元素合成の主要なステップの一つである。
- トンネル効果
量子力学において、粒子が古典的には越えられないエネルギー障壁を透過する現象。
粒子の波動性によって確率的に発生し、微細な電子デバイスの動作原理となる。
走査型トンネル顕微鏡やフラッシュメモリ、核融合反応などで重要な役割を果たす。
- トンネル磁気抵抗効果
薄い絶縁層を挟んだ二つの強磁性体間で、磁化の向きにより電気抵抗が変化する現象。
量子力学のトンネル効果を利用しており、極めて高い抵抗変化率を実現できる。
ハードディスクの読み取りヘッドや、次世代メモリMRAMの基幹技術である。
- ドップラー効果
波の発生源と観測者が相対的に動くことで、観測される周波数が変化する現象。
近づく音は高く、遠ざかる音は低く聞こえる救急車のサイレンが代表例。
天文学における赤方偏移の測定や、スピード違反の取り締まりに応用される。
- ドハース・ファンアルフェン効果
低温・強磁場中で、金属の磁化率が磁場の逆数に対して周期的に振動する現象。
量子力学的なランダウ準位の形成に起因し、金属の電子状態を反映する。
フェルミ面の形状を精密に測定するための強力な実験手法として用いられる。
- ドルトンの法則
混合気体の全圧は、各成分気体の分圧の総和に等しいという化学の法則。
気体分子が互いに影響を及ぼさない理想気体のモデルに基づいている。
ダイビングにおける潜水病の予防や、大気の組成解析の基礎となる。
- ニュートンの冷却の法則
物体の冷却速度が、物体と周囲の温度差に比例するという物理法則。
対流による熱伝達が支配的な場合に、近似的に成立する。
コーヒーが冷める時間の予測や、法医学における死亡時刻の推定に応用される。
- ニュートンの抵抗法則
流体中を運動する物体が受ける抵抗力が、速度の二乗に比例するという法則。
高速で移動する物体や、空気抵抗が支配的な状況で適用される。
流体力学において、抗力係数を用いた設計の基礎となる概念である。
- ネルンストの定理
絶対零度に近づくにつれ、純物質の完全結晶のエントロピーはゼロになるという定理。
熱力学第三法則の基礎となり、絶対零度の不可能性を理論的に示唆している。
極低温物理学や化学平衡の計算において、基準点を与える重要な法則。
- ネルンスト効果
温度勾配のある導体に磁場をかけると、それらに垂直な方向に電圧が発生する現象。
熱電現象と磁場の相互作用によって生じ、熱電変換技術への応用が研究されている。
半導体や超伝導体の電子構造を調べるための測定手法としても用いられる。
- ネーターの定理
物理系に連続的な対称性がある場合、それに対応する保存則が存在することを示す定理。
例えば、時間並進対称性からはエネルギー保存則、空間並進からは運動量保存則が導かれる。
現代物理学のあらゆる理論において、最も基本的かつ深遠な指針となっている。
- ハチソン効果
ジョン・ハチソンが報告した、物体の浮遊や破壊などの特異現象。
電磁波の干渉によって引き起こされると主張された。
科学的な再現性が確認されておらず、疑似科学とみなされている。
- ハッブル–ルメートルの法則
遠方の銀河の退行速度が、地球からの距離に比例するという法則。
宇宙が膨張していることを示す観測的根拠となっている。
2018年にハッブルの法則から現在の名称へ変更が推奨された。
- ハーバー・ワイス反応
過酸化水素とスーパーオキシドからヒドロキシラジカルが生成する反応。
鉄イオンなどの遷移金属が触媒として介在することで生体内で進行する。
酸化ストレスによる細胞損傷の主要な原因の一つと考えられている。
- バタフライ効果
わずかな初期値の違いが、時間の経過とともに予測不能な大きな差を生む現象。
カオス理論を象徴する概念で、長期的な予測の困難さを説明する。
「蝶の羽ばたきが遠くで竜巻を起こす」という例えに由来する。
- バルクハウゼン効果
磁性体に磁場をかける際、磁化が不連続かつ階段状に変化する現象。
磁壁が材料内部の不純物や欠陥に引っかかりながら移動することで生じる。
発生するノイズは、材料の内部応力や欠陥を調べる非破壊検査に利用される。
- バーコフの定理
一般相対性理論において、球対称な真空解は必ずシュバルツシルト解となる定理。
星が球対称に脈動していても、外部の重力場は静的で変化しないことを示す。
ブラックホールや恒星周囲の時空を記述する際の基礎となる結論である。
- パウリの排他原理
2つ以上のフェルミ粒子が、同一の量子状態を占めることはできないとする原理。
原子内の電子配置や周期表の構造を決定づける物理学の基本法則。
物質の安定性や中性子星の構造を説明する上でも極めて重要。
- パウリ効果
特定の人物が装置に近づくだけで、その装置が壊れるという都市伝説的現象。
物理学者ヴォルフガング・パウリの周囲で頻発したとされる逸話に由来する。
科学的根拠はないが、物理学者の間では有名なジョークとして語り継がれる。
- パスカルの原理
密閉容器内の流体に加わった圧力は、全方向に等しく伝わるという物理法則。
小さな力で大きな重いものを持ち上げる油圧機械の基礎理論。
ブレーキシステムや油圧ジャッキ、パワーショベルなどに広く応用されている。
- パッシェンの法則
ガス中の放電開始電圧が、ガスの圧力と電極間距離の積の関数になるという法則。
放電が最も起こりやすい特定の条件が存在することを示している。
照明器具やプラズマディスプレイ、高電圧機器の絶縁設計に利用される。
- パーセバルの定理
関数の二乗和(エネルギー)が、時間領域と周波数領域で等しいことを示す定理。
フーリエ変換の前後で信号の全エネルギーが保存されることを意味する。
信号処理や物理学において、スペクトル分析の基礎となる重要な法則。
- ヒューム‐ロザリーの法則
2つの金属が互いに溶け合い、固溶体を形成するための条件を定めた規則。
原子半径の差、結晶構造、原子価、電気陰性度の4つの要素が重要とされる。
合金の設計や材料科学において、相の安定性を予測する基礎となる。
- ビオ・サバールの法則
電流が作る磁場の強さと方向を、電流の要素と距離の関数として記述する法則。
電磁気学における基本法則の一つで、クーロンの法則の磁気版に相当する。
コイルや電線周囲の磁場計算など、電気工学の設計に不可欠。
- ビリアル定理
多粒子系において、運動エネルギーの平均とポテンシャルエネルギーの平均を結びつける定理。
天体物理学において、星団や銀河の質量を推定する際に頻繁に用いられる。
熱力学における状態方程式の導出など、統計力学の基礎としても重要。
- ビーフェルド-ブラウン効果
非対称な電極間に高電圧を印加した際、空気の流れが生じ推力が発生する現象。
イオン風による反作用が主な原因とされ、リフター(浮上装置)に応用される。
かつては未知の推進原理として注目されたが、現在は物理的に説明されている。
- ピン止め効果
超伝導体内部の磁束線が、不純物や欠陥に捕らえられて動かなくなる現象。
この効果により、磁場の中でも超伝導状態を維持し、大きな電流を流すことが可能になる。
超伝導リニアや強力な磁石の製作において、高い臨界電流密度を実現するために不可欠。
- ファラデーの法則
電磁誘導に関する法則、または電気分解に関する法則のいずれかを指す総称。
電磁誘導では磁束の変化が起電力を生み、電気分解では物質量が電気量に比例する。
マイケル・ファラデーが発見したこれらの法則は、現代の電気文明の基礎となっている。
- ファラデーの電気分解の法則
電気分解において、電極で析出する物質の質量に関する2つの法則。
析出量は流れた電気量に比例し、同じ電気量なら物質の化学当量に比例することを示す。
イオンの電荷やアボガドロ定数との関連を明らかにし、電気化学の基礎を築いた。
- ファラデーの電磁誘導の法則
磁束が変化する回路に、その変化を妨げる方向に誘導起電力が発生するという法則。
発生する電圧の大きさは、磁束の時間的な変化率に比例することを数式で表す。
発電機、変圧器、非接触充電など、電力を生み出し制御する技術の根幹をなす。
- ファラデー効果
磁場の中を通過する光の偏光面が回転する、磁気光学現象の一つ。
磁場の強さと物質の厚さに比例して回転角が決まり、物質固有のベルデ定数に依存する。
光ファイバー通信のアイソレータや、磁気センサーなどの光学素子に応用されている。
- フィックの法則
物質の拡散において、拡散束が濃度勾配に比例することを示す物理法則。
第1法則は定常状態の拡散を、第2法則は濃度変化の時間的推移を記述する。
化学、生物学、材料工学など、物質の移動が関わる広範な分野で利用される。
- フェイズパラドックス
物理学や信号処理において、位相の定義や測定に関連して生じる矛盾した現象。
量子力学における幾何学的位相や、波の干渉における解釈の不一致を指す。
高精度な計測技術や量子演算の理論構築において解決すべき課題となる。
- フェルマーの原理
光は、ある2点間を通過する際に、かかる時間が最小(極値)になる経路を通るという原理。
反射の法則や屈折の法則(スネルの法則)を、この一つの原理から導き出すことができる。
幾何光学の基礎であり、後に量子力学の経路積分へとつながる重要な考え方。
- フォッカー・プランク方程式
粒子の速度や位置の確率密度関数が、時間とともにどう変化するかを記述する式。
ブラウン運動のような、ランダムな力の影響を受ける系の統計的性質を扱う。
統計力学、プラズマ物理学、金融工学など幅広い分野で応用されている。
- フォノンドラッグ効果
熱の流れ(フォノン)が電子を引きずり、熱起電力や電気抵抗に影響を与える現象。
低温域において、格子振動の偏りがキャリアの移動を助けることで熱電性能が変化する。
半導体や金属の輸送特性を理解する上で重要な、量子力学的な相互作用の一つ。
- フックの法則
バネの伸びや物体の歪みが、加えられた力に比例するという弾性の法則。
「F = kx」という簡潔な式で表され、k はバネ定数と呼ばれる固有の係数である。
材料力学や構造設計の基礎であり、弾性限界内での物体の挙動を記述する。
- フライングアイスキューブ効果
分子動力学シミュレーションにおいて、系のエネルギーが特定の運動に偏ってしまう不具合。
不適切な温度制御により、分子の熱振動が止まり、系全体が氷の塊のように並進運動する。
シミュレーション結果の信頼性を損なうため、計算手法の選択には注意が必要となる。
- フランク=コンドンの原理
分子の電子遷移は非常に速いため、原子核の配置が変化する前に完了するという原理。
電子の状態が変わる瞬間、原子核は止まっているとみなして遷移確率を計算できる。
分子分光法における吸収・発光スペクトルの強度分布を説明するために不可欠な概念。
- フランク=タムの公式
荷電粒子が物質中を光速より速く移動する際に放つ、チェレンコフ放射の式。
単位長さあたりに放射されるエネルギーを、波長や屈折率の関数として記述する。
素粒子物理学の検出器設計や、放射線計測の理論的根拠として用いられる。
- フランツ・ケルディシュ効果
半導体に強い電界をかけると、吸収端が長波長側にシフトし、光を吸収しやすくなる現象。
電界によってエネルギーバンドが傾き、電子のトンネル効果が起きやすくなることで生じる。
光変調器などの光デバイスにおいて、電気信号を光信号に変える原理として応用される。
- フリードマン方程式
一般相対性理論に基づき、宇宙の膨張や収縮のダイナミクスを記述する方程式。
宇宙が均質かつ等方的であるという仮定のもとで、アインシュタイン方程式から導出される。
宇宙の密度や曲率が、時間の経過とともにどう変化するかを決定する。
- フレミングの右手の法則
磁場の中を動く導体に発生する誘導電流の向きを、右手の指で示す覚え方。
親指を運動の向き、人差し指を磁場の向きに合わせると、中指が電流の向きを指す。
主に発電機の原理を理解するために用いられ、電磁誘導の現象を直感的に把握できる。
- フレミングの左手の法則
磁場の中を流れる電流が受ける力の向きを、左手の指で示す覚え方。
中指を電流、人差し指を磁場に合わせると、親指が受ける力(ローレンツ力)の向きを指す。
主にモーターの原理を説明するために使われ、電気エネルギーが動力に変わる様子を示す。
- フレミングの法則
電流、磁場、力の三者の方向関係を、手の指の形を使って直感的に示す法則。
発電機に対応する「右手の法則」と、電動機に対応する「左手の法則」の2つがある。
ジョン・フレミングが考案し、電気工学の初歩的な教育において世界中で利用されている。
- フレーリッヒ仮説
生体組織がコヒーレントなマイクロ波を放射し、細胞間の通信を行うという説。
物理学者ヘルベルト・フレーリッヒが、非平衡統計力学の観点から提唱した。
生物物理学における議論の的であり、がん治療や細胞制御への応用が研究されている。
- フローズンコア近似
量子化学計算において、内殻電子は化学結合に関与しないとして固定する手法。
計算対象を外殻の価電子のみに絞ることで、計算コストを大幅に削減できる。
重原子を含む分子の構造最適化やエネルギー計算において標準的に用いられる。
- ブシネスク近似
流体力学において、密度の変化を浮力項のみに考慮し、他は一定とみなす近似。
温度差による対流現象を解析する際に、方程式を簡略化するために用いられる。
気象学や海洋物理学において、大気や海水の運動をモデル化する基礎となる。
- ブラジルナッツ効果
大きさの異なる粒子の混合物に振動を加えると、大きな粒子が表面に浮き上がる現象。
容器を振ると、底にあったブラジルナッツが一番上に現れることから名付けられた。
粉体物理学の未解明な部分を含む現象で、産業界の粉体混合プロセスでも問題となる。
- ブラックホール唯一性定理
静止したブラックホールの性質は、質量、電荷、角運動量の3つの値だけで決まるという定理。
それ以外の詳細な情報(元の星の形や物質など)は外部から観測できなくなる。
ブラックホールの物理的構造が極めてシンプルであることを数学的に証明した。
- ブラックホール情報パラドックス
ブラックホールが蒸発する際、吸い込まれた情報が消失するかという物理学の難問。
量子力学の「情報は保存される」という原則と、一般相対性理論が矛盾する。
ホログラフィック原理や弦理論など、現代物理学の最前線で解決が試みられている。
- ブラックホール脱毛定理
ブラックホールが形成される際、質量・電荷・角運動量以外の情報が消失するという理論。
「ブラックホールには毛がない(No-hair)」という比喩表現からこの名がついた。
事象の地平線の外側からは、内部の複雑な情報を知ることができないことを意味する。
- ブラッグの法則
結晶にX線を照射した際、特定の角度で強い反射(回折)が起きる条件を示す法則。
結晶格子の間隔とX線の波長、入射角の関係を「nλ = 2d sinθ」という式で表す。
X線結晶構造解析の基本原理であり、物質の原子配列を特定するために不可欠。
- ブリッグス・ラウシャー反応
溶液の色が透明、琥珀色、青色へと周期的に変化する振動反応。
ヨウ素酸塩、過酸化水素、マロン酸、マンガン触媒などを用いる。
化学反応が平衡に向かう途中で見せる非平衡熱力学の興味深い例である。
- ブリルアンの定理
量子化学のハートリー=フォック法において、基底状態と1電子励起状態の間に相互作用がない。
ハミルトニアンの行列要素がゼロになることを示し、計算の簡略化に寄与する。
分子の電子状態を近似的に求める際の、波動関数の性質を記述する重要な定理。
- ブレイ・リーブハウスキー反応
過酸化水素の分解に伴いヨウ素濃度が周期的に変化する、世界初の振動反応。
1921年に報告されたが、当時は不純物によるものだと疑われていた。
均一溶液系における化学振動現象の研究の先駆けとなった。
- ブロッホの定理
周期的なポテンシャル内にある電子の波動関数に関する物理学の定理。
波動関数が平面波と周期関数の積で表されることを数学的に示した。
固体物理学におけるエネルギーバンド構造を理解するための基礎となる。
- ブロッホ方程式
磁場中にある磁気モーメント(スピン)の時間変化を記述するベクトル方程式。
核磁気共鳴(NMR)やMRIの原理を説明するために不可欠な物理式である。
縦緩和と横緩和という2種類の緩和現象を取り入れ、スピンの挙動を再現する。
- ブロッホ=ドミニシスの定理
有限温度の統計力学において多体問題を扱うための数学的定理。
生成消滅演算子の期待値をペアの積の和として展開できることを示す。
量子統計力学における摂動計算やウィックの定理の拡張として用いられる。
- プラウトの仮説
すべての原子の質量は、水素原子の質量の整数倍であるという19世紀の仮説。
原子の構成単位が共通であることを示唆し、後の原子構造の研究に影響を与えた。
同位体の存在が判明したことで否定されたが、核子の概念を先取りしていた。
- プラトーの法則
石鹸膜が形成する泡の構造や境界の角度に関する物理法則。
膜は滑らかな曲面で、3つの膜は常に120度の角度で交わることを示した。
泡の安定性解析や多孔質材料の構造設計において重要な指針となる。
- プランクの法則
黒体から放射される電磁波の分光放射輝度を記述する物理法則。
光のエネルギーが量子化されているという仮定に基づき導出された。
量子力学の幕開けを告げた、現代物理学における最重要公式の一つである。
- プリミティブ方程式
気象学や海洋物理学において、大気の流れを記述する流体力学の基礎方程式系。
ナビエ・ストークス方程式を、地球の回転や静水圧近似を用いて簡略化したもの。
数値予報モデルの核として、日々の天気予報や気候変動予測に利用されている。
- プロカ方程式
質量を持ち、スピンが1であるベクトル粒子を記述する量子場の方程式。
マクスウェル方程式に質量項を加えた形をしており、弱い相互作用の媒介粒子を扱う。
光子のような無質量の粒子ではなく、WボソンやZボソンの記述に適用される。
- ヘスの法則
化学反応の反応熱は、途中の経路によらず始状態と終状態で決まる法則。
総熱量保存の法則とも呼ばれ、エネルギー保存則の帰結である。
直接測定が困難な反応熱を、既知の反応熱の組み合わせから計算できる。
- ヘルマン–ファインマンの定理
量子系のエネルギーのパラメータ微分が、ハミルトニアンの微分の期待値に等しい定理。
波動関数を直接微分することなく、エネルギーの変化率を計算できる。
分子構造の最適化や原子間の力の計算など、量子化学計算で多用される。
- ヘルムホルツの定理
任意のベクトル場を、回転のない成分と発散のない成分の和で表現できる定理。
ベクトル解析における基本定理であり、電磁気学や流体力学の基礎を支える。
ポテンシャル論を用いて物理現象を記述する際に極めて重要である。
- ヘルムホルツの渦定理
流体中の渦管の性質や運動に関する3つの物理法則。
完全流体において、渦線は流体と共に動き、その強さは時間的に変化しない。
竜巻や煙の輪などの渦の挙動を理解するための理論的基盤となる。
- ヘルムホルツ方程式
波動方程式から時間依存性を除いた、空間部分の挙動を記述する楕円型偏微分方程式。
電磁波、音波、熱伝導などの定常的な波動現象を解析するために用いられる。
境界条件を設定することで、共振器のモードや散乱問題を解くことが可能になる。
- ヘンリーの法則
一定温度で、液体に溶けるガスの量はそのガスの分圧に比例するという法則。
溶解度が低いガスにおいてよく成立し、炭酸飲料の製造などに利用される。
潜水病のメカニズム(血液への窒素溶解)を説明する際にも用いられる。
- ベイカー–ネイサン効果
アルキル基が隣接する不飽和結合と相互作用し、反応性に影響を与える現象。
超共役の一種として説明され、特定の有機反応の速度異常を説明するために提唱された。
有機化学における電子効果や分子構造の理解を深める重要な概念である。
- ベッツの法則
風力タービンが風のエネルギーを抽出できる理論上の最大効率を示す法則。
理想的な条件下でも、風のエネルギーの約59.3%までしか変換できない。
風力発電機の設計において、性能の限界を知るための重要な指標となる。
- ベネディクト・ウェブ・ルビンの方程式
実在気体の圧力、体積、温度の関係を高精度に記述する状態方程式。
ファンデルワールスの式を拡張し、8つの定数を用いて複雑な挙動を再現する。
化学工学において、炭化水素などの混合物の熱力学的性質を計算するために使われる。
- ベルの不等式
局所実在論が正しい場合に、物理量の相関が満たすべき数学的な限界を示す式。
量子力学の予測はこの不等式を破り、非局所的な相関が存在することを証明した。
量子もつれの検証や、量子情報科学の基礎理論として極めて重要である。
- ベルトランの定理
古典力学において、全ての束縛軌道が閉じる中心力ポテンシャルの条件に関する定理。
逆二乗則(重力)と調和振動子の2つのケースのみが該当することを示した。
天体力学における惑星軌道の安定性を理解する上で極めて重要である。
- ベルトラン・ダルブーの定理
ハミルトン系において、運動の積分が特定の形式を持つための条件を述べた定理。
系の可積分性や対称性と深く関連し、力学系の分類に用いられる。
物理学における可解なモデルの探索において重要な役割を果たす。
- ベルヌーイの定理
流体の速度が増すと圧力が下がるという、流体力学のエネルギー保存則。
翼の揚力発生や霧吹き、野球の変化球などの原理を説明する。
定常的な流体において、圧力・速度・高さのエネルギーの和が一定であることを示す。
- ベロウソフ・ジャボチンスキー反応
非平衡熱力学における散逸構造の代表例とされる、振動的な化学反応。
反応液の色が周期的に変化し、空間的な同心円状のパターンを形成する。
自己組織化現象や生物の発生プロセスを理解するモデルとして研究される。
- ベーテ・サルピータ方程式
量子場理論において、2つの粒子の束縛状態を相対論的に記述する方程式。
ファインマン・ダイアグラムの無限個の和を積分方程式の形で表現する。
陽子や中性子の中のクォークの挙動など、強結合系の解析に用いられる。
- ベーテ・ヴァイツゼッカーの公式
原子核の結合エネルギーを、液滴モデルに基づいて近似的に計算する式。
体積項、表面項、クーロン項など5つの寄与を組み合わせて核子の結合を説明する。
原子核の安定性や核分裂、核融合のエネルギー放出を理解する基礎となる。
- ベーテ近似
統計力学において、格子の相関を考慮しつつ平均場近似を改良した手法。
ある中心粒子とその隣接粒子のみを厳密に扱い、外側を平均場で置き換える。
イジングモデルなどの相転移現象を、単純な平均場よりも精度よく解析できる。
- ペトカウ効果
低線量の放射線を長時間浴びる方が、高線量を短時間浴びるより細胞膜へのダメージが大きいとする説。
放射線による活性酸素の生成が、低線量の方が効率的に膜を酸化させると提唱された。
放射線防護学において議論の対象となり、内部被曝の影響を考える際に参照される。
- ペルティエ効果
異なる2種類の金属の接合部に電流を流すと、熱の吸収または放出が起こる現象。
電流の向きを変えることで、冷却と加熱を切り替えることができる。
精密機器の温度制御や小型冷蔵庫の冷却ユニットなどに応用されている。
- ペン=ロビンソンの状態方程式
実在気体と液体の熱力学的性質を記述する、3次式の状態方程式。
臨界点付近での挙動や液相の密度の予測精度が高く、化学工学で広く普及している。
石油・天然ガス産業におけるプロセスシミュレーションの標準として用いられる。
- ホイヘンス=フレネルの原理
波の伝播を、各点から発生する二次波(素元波)の重ね合わせとして説明する原理。
回折や干渉といった光の波動的性質を数学的に記述することを可能にした。
光学機器の設計や電磁波の解析において、現在も基本となる考え方である。
- ホイーラー・ドウィット方程式
宇宙全体の波動関数を記述することを目的とした、量子重力理論の方程式。
一般相対性理論を量子化しようとする試みから導かれ、時間の変数が現れない。
「時間の消失」という哲学的な問題を提起し、量子宇宙論の基礎となっている。
- ホットチョコレート効果
液体中の気泡量によって、容器を叩いた時の音のピッチが変化する現象。
気泡が混ざると液体の有効音速が低下し、共鳴周波数が下がることで音が低くなる。
ココアをかき混ぜた直後に叩くと、音が次第に高くなることで観察できる。
- ホプキンソンの法則
磁気回路における磁束、起磁力、磁気抵抗の関係を示した物理法則。
電気回路におけるオームの法則に対応し、磁束は起磁力に比例し磁気抵抗に反比例する。
変圧器やモーターなどの電磁機器の設計において、磁気回路の計算に用いられる。
- ホプキンソン効果
強磁性体を加熱した際、キュリー温度の直前で磁化率が急激に増大する現象。
熱攪乱によって磁区の回転が容易になるために起こると考えられている。
磁性材料の特性評価や、温度変化に伴う磁気挙動の研究において重要な現象である。
- ホモロジカルミラー対称性予想
シンプレクティック幾何学と代数幾何学の間に存在する深い対応関係を述べる予想。
マキシム・コンツェビッチが提唱し、弦理論のミラー対称性を数学的に定式化した。
異なる数学的対象が本質的に同じ情報を共有していることを示唆する壮大な理論。
- ホログラフィック原理
ある空間の全情報は、その境界となる低次元の面に記録されているという物理学の仮説。
ブラックホールのエントロピー研究から導かれ、宇宙を巨大なホログラムと見なす。
量子重力理論や超弦理論において、宇宙の根本原理を探るための重要な鍵とされる。
- ホン=オウ=マンデル効果
2つの光子がビームスプリッターに同時に入射すると、必ず同じ方向へ進む現象。
光子の量子力学的な不可識別性によって生じる干渉効果である。
量子コンピュータや量子通信における、光子源の品質評価などに利用される。
- ホール効果
磁場の中を流れる電流に対し、垂直方向に電圧が発生する物理現象。
電荷を運ぶ粒子が磁場から受けるローレンツ力によって偏ることで生じる。
磁気センサーや半導体の性質測定、電流計など幅広いデバイスに応用されている。
- ボイルの法則
一定温度において、気体の圧力と体積は反比例するという物理法則。
体積を半分にすると圧力は2倍になるという、直感的な気体の性質を記述する。
17世紀に発見され、熱力学の発展に大きく貢献した基礎的な法則である。
- ボイル=シャルルの法則
気体の圧力、体積、絶対温度の間の関係を統合した物理法則。
圧力と体積の積を温度で割った値は常に一定であるという関係を示している。
理想気体の状態方程式の基礎となり、エンジンの設計や気象現象の解析に用いられる。
- ボルツマンの原理
エントロピーが、系の微視的な状態数の対数に比例するという関係式。
S = k log W という式で表され、熱力学と統計力学を橋渡しする。
物理学者ルートヴィッヒ・ボルツマンの墓碑にも刻まれている。
- ボルツマン分布
熱平衡状態にある系において、粒子が特定のエネルギー状態をとる確率分布。
エネルギーが高い状態ほど、指数関数的に存在確率が低くなることを示す。
温度が系の状態に与える影響を記述する、統計力学の最も基本的な分布。
- ボルツマン方程式
気体分子の衝突過程を考慮し、粒子の分布関数の時間発展を記述する統計力学の式。
非平衡状態から平衡状態へ向かう過程(エントロピー増大)を説明する。
希薄気体の流れや半導体中の電子輸送など、ミクロとマクロを繋ぐ解析に用いられる。
- ボルン–オッペンハイマー近似
原子核は電子に比べて非常に重いため、核の運動と電子の運動を分離して扱う近似。
電子状態を計算する際、核の位置を固定したポテンシャルとして扱うことができる。
量子化学や固体物理学において、分子構造や物性を計算する際の最も基本的な前提。
- ボルン近似
散乱問題において、入射波が散乱体によって受ける影響が微小であると仮定する手法。
散乱振幅をポテンシャルのフーリエ変換として簡潔に求めることができる。
量子力学の散乱理論や、X線回折、電子顕微鏡の解析などで広く利用される。
- ボーア=ファン・リューエンの定理
古典力学の統計力学において、熱平衡状態にある物質の磁化は常にゼロであるという定理。
磁性が古典物理学では説明できず、量子力学的現象であることを示している。
強磁性などの現象を理解するには、電子のスピンを考慮する必要がある。
- ポアソンの法則
断熱変化において、ガスの圧力と体積の間に成り立つ関係式(PV^γ = 一定)。
熱を外部とやり取りしない急激な圧縮や膨張の過程を記述する。
エンジンのサイクル計算や大気の気象現象の解析に広く用いられる。
- ポアソン方程式
ラプラス演算子と源(ソース)項を関連付ける、楕円型の偏微分方程式。
静電位と電荷分布、重力ポテンシャルと質量分布の関係などを記述する。
物理学のポテンシャル論において、最も基本的かつ重要な方程式の一つ。
- ポアソン=ボルツマン方程式
溶液中のイオン分布と電位の関係を、統計力学と電磁気学を組み合わせて記述する式。
コロイド粒子の安定性や、生体分子(DNAやタンパク質)の周囲の環境を解析する。
物理化学や生物物理学において、界面現象を理解するための標準的なモデル。
- ポアンカレの回帰定理
一定の条件を満たす力学系は、十分な時間の後、初期状態にいくらでも近い状態に戻るという定理。
保守的な系において、カオス的な運動であっても回帰性が存在することを示す。
熱力学第二法則との整合性を巡り、統計力学の基礎において議論を呼んだ。
- ポインティング・ロバートソン効果
太陽の光を吸収・再放射する微小な塵が、公転速度を失い太陽へ落下していく現象。
放射圧の非等方性によって生じるブレーキのような効果。
太陽系内の塵の寿命や分布を決定する重要な天文学的プロセス。
- ポッケルス効果
電場に比例して結晶の屈折率が変化する、一次の電気光学効果。
中心対称性を持たない結晶でのみ発生し、非常に高速な応答が可能。
光通信の変調器や、レーザー光のスイッチングデバイスに応用されている。
- マイクロ波聴覚効果
パルス状のマイクロ波を照射された人間が、クリック音などの音を感じる現象。
頭部組織の熱弾性波による振動が内耳に伝わることで起こるとされる。
フレイ効果とも呼ばれ、非接触での通信や兵器利用の可能性が研究された。
- マイスナー効果
超伝導体が外部磁場を完全に排除し、内部の磁束密度をゼロにする現象。
超伝導状態への転移に伴い、磁石が浮上する現象(磁気浮上)の直接的な原因。
完全導電性とは異なる、超伝導体固有の重要な物理的性質。
- マイスナー方程式
超伝導体内部で磁場が指数関数的に減衰し、排除される様子を記述する式。
ロンドン方程式から導かれ、磁場が侵入できる深さ(侵入長)を規定する。
完全反磁性という超伝導特有の性質を物理的に定式化したものである。
- マクスウェルの方程式
電場と磁場の振る舞い、およびそれらと電荷・電流の関係を記述する4つの式。
電磁気学のすべての現象を統一的に説明する、古典物理学の金字塔である。
光が電磁波であることを予言し、現代の通信技術や電気工学の基礎となっている。
- マクスウェル・ベティの相反作用の定理
線形弾性体において、荷重と変位の間に成り立つ相互の関係を記述する定理。
点Aに加えた荷重による点Bの変位は、点Bに同じ荷重を加えた時の点Aの変位に等しい。
構造解析や材料力学において、計算を簡略化するための強力な手法。
- マクスウェル分布
熱平衡状態にある理想気体の分子の速度が従う確率分布。
温度が高いほど分布が広がり、分子の平均速度が増大することを示す。
統計力学において、気体の輸送現象や反応速度を論じる基礎となる。
- マグヌス効果
回転しながら流体中を移動する物体に、進行方向と垂直な方向の力(揚力)が働く現象。
野球の変化球やサッカーのカーブシュートが曲がる理由となる物理原理。
円筒形の帆を用いた船(ローター船)などの推進力としても利用される。
- マスター方程式
系の状態遷移確率の時間発展を記述する微分方程式。
マルコフ過程に基づき、物理学や化学の統計力学で広く用いられる。
化学反応の速度論や量子力学の散逸系の解析に不可欠である。
- マッカラーの公式
非球形天体が作る重力ポテンシャルを近似的に表す公式。
天体の慣性モーメントを用いて、遠方での重力場を記述する。
測地学や天体力学において、地球の形状の影響を評価する際に使われる。
- マヨラナ方程式
粒子と反粒子が同一である「マヨラナ粒子」を記述する方程式。
1937年にエットーレ・マヨラナによって提唱された。
ニュートリノの性質解明や量子コンピュータの素子研究で注目されている。
- マリンズ効果
ゴムなどのエラストマーで見られる、応力履歴による剛性の低下現象。
一度大きな負荷をかけると、それ以下の負荷での応力が減少する。
タイヤの設計や振動絶縁材の性能評価において考慮が必要となる。
- マルチパクター効果
真空中で高周波電界により電子が壁面を往復し、二次電子放出で増殖する現象。
衛星通信機器や加速器などの高周波コンポーネントで放電故障の原因となる。
設計段階でのシミュレーションや表面処理による抑制対策が重要である。
- マーゴラス=レヴィンチンの定理
物理的な系が状態を変化させるのに必要な最小時間を規定する定理。
系のエネルギーとプランク定数を用いて、量子的な計算速度の限界を示す。
量子コンピュータの演算速度や情報処理能力の究極的な限界を議論する際に用いられる。
- マーナハンの状態方程式
固体が極めて高い圧力を受けた際の体積変化を記述する状態方程式。
体積弾性率が圧力に対して線形に変化するという仮定に基づいている。
地球内部の鉱物の挙動を解析する地球物理学の分野で利用される。
- ミスナイ・シャルディン効果
火薬の爆発エネルギーを特定の方向に集中させる現象。
成形炸薬弾などの兵器に応用され、装甲を貫通する能力を高める。
指向性散弾の動作原理としても利用されている。
- ミラー効果
増幅回路において、入力と出力の間の帰還容量が、増幅率に応じて大きく見える現象。
高周波特性を悪化させる要因となり、回路の帯域幅を制限する。
カスコード接続などの回路構成により、この効果を抑制する工夫がなされる。
- ミルマンの定理
複数の電圧源が並列に接続された回路の、端子電圧を求めるための電気回路の定理。
各枝のコンダクタンスと電圧を用いて、重ね合わせの理を簡略化した形で計算できる。
複雑な並列回路の解析を効率化する手法として実用的である。
- ミー・グリュナイゼンの状態方程式
固体における圧力、体積、温度の関係を記述する状態方程式。
格子振動のエネルギーが圧力に与える影響を考慮している。
衝撃波圧縮実験や高圧物理学において、極限状態の物質解析に使われる。
- ムペンバ効果
特定の条件下で、冷水よりも温水のほうが早く凍り始めるという主張。
古くから知られていたが、1963年にタンザニアの学生ムペンバによって再注目された。
対流や蒸発、不純物の影響など諸説あるが、物理的なメカニズムは完全には解明されていない。
- メスバウアー効果
固体中の原子核がガンマ線を反跳なしに放出し、別の原子核が共鳴吸収する現象。
極めて高いエネルギー分解能を持ち、原子の化学状態や磁気状態を精密に測定できる。
メスバウアー分光法として、材料科学や地質学などの分野で広く応用されている。
- メルセンヌの法則
弦の振動数と、弦の長さ・張力・線密度の関係を記述した物理学の法則。
振動数は長さに反比例し、張力の平方根に比例し、線密度の平方根に反比例する。
楽器の弦の設計や調律の理論的基礎となっており、音響学の基本法則の一つである。
- モンゴメリー・オドリズコ予想
リーマン予想の零点の間隔分布が、ランダム行列の固有値分布と一致するとの予想。
数論と量子カオスや統計力学の間に深い繋がりがあることを示唆する。
膨大な数値計算によって、この分布の一致が極めて高い精度で確認されている。
- モンロー/ノイマン効果
火薬の爆発エネルギーが、円錐状の窪みによって一点に集中する現象。
高速のメタルジェットを形成し、厚い装甲を貫通する能力を生み出す。
対戦車ミサイルや成形炸薬弾の基本原理として軍事技術に広く利用されている。
- モーズリーの法則
特性X線の周波数の平方根が、元素の原子番号に比例するという物理法則。
ヘンリー・モーズリーが実験的に発見し、原子番号が陽子数に対応することを裏付けた。
周期表の科学的根拠を確立し、原子物理学の発展に大きく貢献した。
- ヤナックの定理
密度汎関数理論において、軌道の占有数と系の全エネルギーの関係を規定する定理。
占有数に関するエネルギーの微分が、その軌道の固有エネルギーに等しいことを示す。
電子状態計算における化学ポテンシャルやバンド構造の解釈において基礎となる。
- ヤルコフスキー・オキーフ・ラジエフスキー・パダック効果
太陽光の吸収と再放射による熱トルクが、小惑星の自転状態を変化させる現象。
自転速度の加速・減速や自転軸の傾きを数百万年単位で変化させる。
小惑星の進化や軌道変化を理解する上で、ヤルコフスキー効果と共に重要視される。
- ヤルコフスキー効果
小惑星が太陽光を吸収し熱として再放射する際、微小な推進力を得る現象。
この力が長期間作用することで、小惑星の公転軌道が徐々に変化する。
地球近傍小惑星の軌道予測や、隕石の起源を解明する上で不可欠な物理プロセスである。
- ヤン・バクスター方程式
統計力学や量子場理論において、散乱行列が満たすべき整合性条件。
3つの粒子の衝突順序を入れ替えても結果が変わらないことを保証する。
可積分系の理論や結び目理論、量子群の形成において中心的な役割を果たす。
- ヤーン・テラー効果
非線形分子の電子状態が縮退している場合、分子が歪むことでエネルギーが下がる現象。
対称性の高い構造が自発的に崩れ、より安定な低対称状態へと移行する。
遷移金属錯体の構造や物性を理解する上で、化学や物性物理学の重要な概念である。
- ライデンフロスト効果
液体をその沸点より遥かに熱い金属板に落とした際、蒸気の膜が液体を浮かせる現象。
この蒸気層が断熱材の役割を果たすため、液体はすぐには蒸発せず長時間球状を保つ。
料理中のフライパンや、極低温液体の取り扱い時に観察される身近な物理現象である。
- ラウールの法則
溶液の蒸気圧降下は、溶質のモル分率に比例するという物理化学の法則。
理想溶液において、溶媒の蒸気圧は純溶媒の蒸気圧に溶媒のモル分率をかけたものになる。
凝固点降下や沸点上昇の理論的基礎であり、分子量の測定などに利用される。
- ラシュバ効果
空間反転対称性の破れた結晶において、スピン軌道相互作用により電子のスピン状態が分裂する現象。
外部電場によってスピンの向きを制御できるため、次世代のスピントロニクス素子への応用が期待されている。
半導体界面や表面物理学の研究において重要なトピックである。
- ラジオメーター効果
低圧のガス中で、光を受けた羽根車が熱的な力の差によって回転する現象。
羽根の黒い面が白い面より熱を吸収し、周囲のガス分子を強く叩きつけることで推進力を得る。
光のエネルギーを視覚的に示す実験器具として親しまれている。
- ラプラス方程式
関数のラプラス演算子がゼロになることを示す二階偏微分方程式。
電磁気学、流体力学、熱伝導などの物理現象を記述する基礎方程式である。
この方程式の解は調和関数と呼ばれ、滑らかで平均値の性質を持つ。
- ラマン効果
光が物質と相互作用する際に、光の波長が変化する現象である。
分子の振動や回転エネルギーの準位が関与している。
ラマン分光法として物質の構造分析に広く利用される。
- ラミの定理
一点で釣り合う三つの力の関係を示す静力学の定理である。
各力の大きさが、他の二つの力のなす角の正弦に比例する。
物体が静止している状態の力のつり合いを解析する。
- ラムザウアー・タウンゼント効果
低エネルギー電子が特定の原子ガスを透過する際に、異常に透過率が高くなる現象である。
電子の波としての性質と原子のポテンシャルが共鳴することで起こる。
希ガス原子、特にキセノンなどで顕著に観測される。
- ラリタ=シュウィンガー方程式
スピン3/2を持つ自由な相対論的粒子を記述する場の方程式。
ディラック方程式を一般化した形式を持ち、ベクトル・スピノルを用いる。
超重力理論において、重力子の相棒であるグラビティーノの記述に使われる。
- ランジュバン方程式
溶媒分子との衝突による不規則な力を考慮した粒子の運動方程式。
ブラウン運動などの確率的な挙動を記述するために用いられる。
統計力学や非平衡現象の解析において、微視的な変動を取り扱う基礎となる。
- ランダウアーの原理
情報が消去される際には、必ず熱力学的な不可逆性が伴うという物理法則である。
1ビットの情報を消去するたびに、最低限の熱が発生する。
計算の物理的限界や量子計算の理論的基盤に関わる。
- ランダウアー公式
ナノスケールの導体における電気伝導度を透過係数で表す公式。
電子を波として捉え、量子力学的な透過確率が伝導を決めると考える。
メゾスコピック系の物理学において、量子ポイントコンタクト等の解析に用いる。
- ランダウ分布
確率論における安定分布の一種で、重い裾を持つ特徴的な分布である。
荷電粒子が薄い物質層を通過する際のエネルギー損失を記述する。
宇宙線物理学や高エネルギー物理学で用いられる。
- ランダウ=リフシッツ方程式
磁性体内部の磁化ベクトルの時間発展を記述する微分方程式。
磁場による歳差運動と、エネルギー散逸による緩和現象を表現する。
磁気記録デバイスの設計やスピントロニクスの研究において基本となる。
- ランダウ=リフシッツ=ギルバート方程式
磁化ダイナミクスにギルバート減衰項を加えた改良型の方程式。
強い減衰がある場合でも物理的に整合性の取れた記述が可能である。
MRAMなどの次世代メモリ開発におけるシミュレーションに不可欠な式である。
- ランベルト・ベールの法則
物質が光を吸収する際の、吸光度と濃度・光路長の関係を示す法則である。
吸光度が濃度と光路長に比例することを定量的に表す。
分光光度計を用いた化学分析に広く利用されている。
- ラーモアの公式
加速運動をする点電荷が単位時間あたりに放出する電磁波のエネルギーの式。
放出パワーが加速度の2乗に比例することを示している。
制動放射やシンクロトロン放射などの現象を理解する上での基礎となる。
- リウヴィルの定理
ハミルトン力学系において、位相空間の体積要素が時間とともに保存されることを示す定理である。
系の状態を記述する点の密度が時間変化しないことを意味する。
統計力学やエルゴード理論の基礎となる。
- リウヴィル=アーノルドの定理
可積分ハミルトン系における運動の性質を記述する定理である。
系の軌道がトーラス上を運動することを数学的に示す。
古典力学における可積分系の理解に貢献した。
- リチウム-ヘリウム化合物
リチウムとヘリウムが結合して形成される化合物である。
通常は不活性なヘリウムが、特殊な条件下で結合することが示された。
超高圧下でのみ安定に存在すると理論的・実験的に確認されている。
- リップマン–シュウィンガー方程式
量子力学の散乱問題において、シュレーディンガー方程式を積分形式にしたもの。
入射波と散乱波の関係を記述し、散乱振幅を求めるために用いられる。
粒子物理学や原子核物理学における衝突過程の解析に不可欠な方程式である。
- リュードベリ・リッツの結合原理
原子スペクトルの線が、いくつかの項の差として表せるという原理である。
原子のエネルギー準位間の遷移によって光が放出されることを示す。
原子構造の理解や量子論の発展に貢献した。
- リー・トロッター積公式
行列の和の指数関数を、個別の指数関数の積の極限として表す公式。
非可換な演算子を含むハミルトニアンの時間発展を近似する際に用いられる。
量子コンピュータのシミュレーションや経路積分法の基礎として重要である。
- リー・ヤンの定理
統計力学における相転移と、分配関数の零点の分布に関する定理。
特定のモデルで零点が単位円上に並ぶことを示し、相転移を説明した。
イジングモデルなどの格子気体モデルの解析に大きな影響を与えた。
- ルシャトリエの原理
平衡状態にある系に変化を加えると、それを和らげる方向に反応が進む法則。
温度、圧力、濃度の変化に対して系がどう再構築されるかを予測する。
アンモニア合成などの工業プロセスにおいて最適条件の決定に用いる。
- ルジャンドルの微分方程式
球座標系でのラプラス方程式の解法に現れる二階の常微分方程式。
この方程式の解はルジャンドル多項式と呼ばれ、直交関数系をなす。
電磁気学や量子力学において、球対称なポテンシャル下の物理現象を記述する。
- ルンゲ・グロスの定理
時間依存密度汎関数理論(TDDFT)の基礎となる存在定理。
外部ポテンシャルと電子密度の時間変化が一対一に対応することを示す。
多電子系の動的な性質を電子密度のみで記述することを正当化する。
- レイチャウデューリ方程式
一般相対性理論において、物質の集まりが収縮または膨張する様子を記述する方程式。
重力が常に引力として働き、特異点が形成されることを証明する基礎となる。
ブラックホールやビッグバンの存在を予言する特異点定理において中心的な役割を果たす。
- レイノルズの輸送定理
流体と共に動く領域内での物理量の時間変化を記述する積分公式。
ラグランジュ的な視点とオイラー的な視点を結びつける役割を持つ。
連続の式やナビエ・ストークス方程式の導出における基礎理論。
- レイリー・ジーンズの法則
古典物理学に基づき、黒体放射のエネルギー密度を記述しようとした式。
長波長側では実験と一致するが、短波長側では無限大に発散する。
この「紫外破綻」の解決が、量子力学誕生のきっかけとなった。
- レイリー・プレセット方程式
液体中の気泡の半径が、周囲の圧力変化に応じて時間発展する様子を示す方程式。
超音波によるキャビテーションや、気泡の崩壊現象を記述するために用いられる。
流体力学において、気液二相流や音響化学の研究に不可欠な式である。
- レドリッヒ・クオンの状態方程式
実在ガスの挙動を記述するための、ファンデルワールス力を改良した状態方程式。
高温・高圧下でも比較的高い精度で体積や圧力を予測できる。
化学工学のプロセス設計において、蒸気圧や相平衡の計算に広く利用される。
- レナード効果
水滴が分裂する際に、周囲の空気がマイナスに帯電する現象。
滝の近くなどでマイナスイオンが発生する理由として説明される。
ノーベル物理学賞受賞者のフィリップ・レナードにより研究された。
- レンズの公式
凸レンズや凹レンズにおいて、焦点距離と物体・像の距離の関係を示す公式。
焦点距離の逆数が、物体までの距離の逆数と像までの距離の逆数の和に等しい。
中学校の理科から光学機器の設計まで、レンズの基本性質として広く学ばれる。
- レンツの法則
電磁誘導において、磁束の変化を妨げる方向に誘導電流が流れる法則。
エネルギー保存則の現れであり、誘導起電力の向きを決定する。
発電機や変圧器の原理を理解するための電磁気学の基本原則。
- レヴィ分布
平均が定義されず分散が無限大になる、厚い尾を持つ連続確率分布である。
安定分布の一種であり、物理学のブラウン運動や金融市場の分析に現れる。
レヴィフライトと呼ばれる、稀に大きな移動を伴うランダムウォークを記述する。
- ワイセンベルク効果
非ニュートン流体に回転軸を入れると、液面が軸に沿って這い上がる現象である。
流体の弾性により、回転運動から軸方向への法線応力が生じることで発生する。
高分子溶液やペンキなどの粘弾性を持つ物質に特有の挙動として知られる。
- ワイルの定理
コンパクト・リー群の表現論において、指標の直交性や既約表現の性質を述べた定理。
また、ラプラシアンの固有値の分布が領域の体積に依存するという漸近公式も指す。
数学と物理学の両面で、対称性や波動の性質を理解するための基礎となっている。
- ヴィーンの放射法則
黒体放射において、短い波長領域でのエネルギー分布を記述する近似式である。
波長が短い場合には実験値とよく一致するが、長い波長では実測から外れる。
プランクの法則が導出される過程での重要なステップとなり、量子力学の先駆けとなった。
- ヴェーバー‐フェヒナーの法則
感覚の強さは、刺激の強さの対数に比例するという心理物理学の基本法則である。
刺激が大きくなるほど、変化を感じ取るためにより大きな差が必要になることを示す。
音の大きさ(デシベル)や星の明るさ(等級)など、多くの感覚指標の基礎となっている。
- 一般共変性原理
物理法則は、どのような座標系を採用しても同じ形式で書かれなければならないという原理。
一般相対性理論の構築において、アインシュタインが指針とした中心的な概念である。
重力を時空の歪みとして捉え、任意の加速系でも物理学が成立することを保証する。
- 一般相対性原理
物理法則は、加速系を含むあらゆる座標系において同一の形式を持つという原理。
アインシュタインが一般相対性理論を構築する際の指導原理となった。
重力を時空の歪みとして捉える幾何学的な宇宙観の基礎。
- 三元化合物
3種類の異なる元素から構成される化学化合物。
二元化合物よりも多様な構造や物性を持ち、新材料開発の対象となる。
半導体(AlGaAsなど)や超伝導体、セラミックスに多く見られる。
- 不確定性原理
粒子の位置と運動量を、同時に正確に決めることはできないという原理。
観測の限界ではなく、量子という存在が持つ本質的な性質である。
ハイゼンベルクによって提唱され、量子力学の根幹をなす概念。
- 両耳聴効果
左右の耳に届く音のわずかな時間差や音圧差を利用して、音源を特定する能力。
音の方向だけでなく、騒音下で特定の声を聞き取る際にも機能する。
ステレオ音響技術や補聴器の設計において重要な基礎知識。
- 中野・西島・ゲルマンの法則
素粒子の電荷、アイソスピン、ストレンジネスを結びつける関係式。
強い相互作用における量子数の保存則を記述し、クォークモデルの先駆けとなった。
日本人研究者の中野董夫、西島和彦、およびマレー・ゲルマンが独立に発見した。
- 人間原理
宇宙の物理定数が人間を存在させるのに都合よく調整されているという科学的考え。
弱い人間原理と強い人間原理があり、宇宙の微調整問題に対する回答の一つとされる。
宇宙論や物理学の文脈で議論され、観測者の存在と宇宙の性質を関連付ける。
- 仕事効果
物体に力を加えて移動させた際に、そのエネルギーが変化する物理的な現象。
物理学における仕事とエネルギーの原理に基づき、運動状態の変化を説明する。
機械の効率計算や、熱力学におけるエネルギー変換の理解において基礎となる。
- 仮想仕事の原理
平衡状態にある物体に仮想的な変位を与えた時、仮想仕事の総和が零になる原理。
静力学や構造力学において、複雑な系の平衡条件を求めるために用いられる。
有限要素法などの数値解析手法の理論的基礎となっており、工学設計に不可欠である。
- 光化学反応
物質が光エネルギーを吸収することで引き起こされる化学反応。
光子のエネルギーによって分子が励起状態となり、通常の熱反応とは異なる経路をとる。
植物の光合成や、目の網膜での視覚形成、写真の現像などが代表例。
- 光核反応
高エネルギーの光子が原子核と衝突し、原子核を励起または崩壊させる現象。
原子核から中性子や陽子が放出される光核分裂などが起こる。
放射性同位体の製造や、宇宙における元素合成の研究に関連する。
- 光起電力効果
物質に光を照射した際に、内部に電圧が発生する物理現象のこと。
半導体の接合部などで生じ、光エネルギーを直接電気エネルギーに変換できる。
太陽電池の基本原理であり、再生可能エネルギー技術の中核を担っている。
- 光電効果
金属などの物質に光を当てると、表面から電子が飛び出す物理現象。
アインシュタインが光量子仮説で解明し、量子力学の発展に大きく貢献した。
光電管や撮像素子(CCD/CMOS)など、光を検出するデバイスに応用される。
- 光音響効果
物質が断続的な光を吸収し、熱膨張を経て音波(弾性波)を発生させる現象。
吸収された光エネルギーが熱に変わり、周囲の媒体を振動させることで音が生まれる。
生体組織の非侵襲的なイメージングや、物質の微量分析などに利用されている。
- 分流の法則
並列回路において、各枝に流れる電流が抵抗値の逆数に比例して配分される法則。
抵抗が小さい経路ほど多くの電流が流れ、全体の電流は各枝の和に等しくなる。
電気回路の設計や解析において、特定の経路の電流を算出するために多用される。
- 加藤の定理
量子力学において、ハミルトニアンの固有関数が持つ滑らかさや性質に関する定理。
数学者・加藤敏夫によって示され、原子や分子のシュレディンガー方程式の解を保証する。
数理物理学における厳密な議論の基礎を築いた、極めて重要な学術的成果。
- 原子核反応
原子核が他の粒子と衝突し、別の原子核や素粒子に変化する現象。
核分裂や核融合が含まれ、化学反応に比べて極めて大きなエネルギーを放出する。
元素の変換が起こるため、星の内部でのエネルギー生成や原子力発電の基礎となる。
- 反交換法則
二つの演算対象の順序を入れ替えると符号が反転するという代数学の法則。
量子力学におけるフェルミ粒子の生成消滅演算子などがこの性質を持つ。
リー代数や外積代数の定義において中心的な役割を果たす概念である。
- 反転分布
系の高いエネルギー状態にある粒子数が、低い状態にある粒子数より多い状態。
熱平衡状態では起こり得ない非平衡な状態で、外部からのエネルギー供給により実現する。
レーザーの発振を可能にするために不可欠な物理的条件である。
- 可積分アルゴリズム
可積分系と呼ばれる物理モデルの構造を応用した数値計算手法。
離散的なステップでも元のシステムの保存量や幾何学的構造を維持できる特徴がある。
行列の固有値計算やソリトン解のシミュレーションなどに利用される。
- 可逆反応
反応物から生成物への変化と、その逆の変化が同時に起こりうる反応。
条件によって両方向の速度が釣り合い、見かけ上変化が止まる平衡状態に達する。
化学方程式では二つの逆向きの矢印を重ねた記号を用いて表記される。
- 右ねじの法則
電流の向きと、それによって生じる磁場の向きの関係を示す法則。
右ねじを回して進む方向を電流とすると、回す方向が磁場の向きに一致する。
電磁気学の基本原理であり、アンペールの法則を視覚的に理解するのに役立つ。
- 右手の法則
電磁誘導や電磁力における物理量の方向を、右手の指を使って示す方法。
フレミングの右手の法則は、磁場中を動く導体に生じる起電力の向きを特定する。
発電機の原理を説明する際などに広く用いられる。
- 同位体効果
同じ元素の同位体間で、質量差に起因して物理的・化学的性質に差が生じる現象。
反応速度や平衡定数の変化として現れ、特に水素と重水素の間で顕著に見られる。
反応機構の解析や、同位体分離技術の原理として応用されている。
- 吸エルゴン反応
進行に伴ってギブス自由エネルギーが増加する、非自発的な化学反応。
外部からエネルギーを供給し続けない限り、反応は継続しない。
生体内における光合成やタンパク質の合成などの同化作用がこれに当たる。
- 四つの法則
熱力学における第零から第三までの四つの基本的な法則。
温度の定義、エネルギー保存、エントロピー増大、絶対零度の不可能性を規定する。
物理学の根幹を成し、エネルギー変換や物質の状態変化を記述する基礎となる。
- 四元化合物
4種類の異なる元素から構成される化学化合物。
三元化合物よりも設計の自由度が高く、特定の物理的特性を精密に調整できる。
太陽電池の材料や超伝導体など、高度な機能性材料として研究されている。
- 圧抵抗効果
物質に機械的な歪みを加えると、その電気抵抗率が変化する現象。
ピエゾ抵抗効果とも呼ばれ、半導体において特に顕著に現れる。
圧力センサや加速度センサなど、微細な力を電気信号に変換する素子に応用されている。
- 圧電効果
結晶などの物質に圧力を加えると、その表面に電圧が生じる現象。
逆に電圧を加えると物質が変形する逆圧電効果も存在し、これらを総称してピエゾ効果と呼ぶ。
ライターの点火装置、スピーカー、クォーツ時計の振動子などに広く利用されている。
- 地面効果
翼が地面や水面に接近して飛行する際、揚力が増大し抗力が減少する現象。
翼の下の空気が閉じ込められて圧力が高まることで、飛行効率が劇的に向上する。
この効果を利用した「地面効果翼機」などの特殊な乗り物も存在する。
- 変分原理
物理法則を、ある物理量が最小になるという条件で記述する原理。
最小作用の原理が代表的で、ニュートンの運動方程式などもこの原理から導き出せる。
力学、電磁気学、量子力学など、物理学のあらゆる分野を統一的に理解する手法である。
- 変形効果
原子核物理学において、原子核が球形から歪むことでエネルギー準位などが変化する現象。
核子の集団運動によって起こり、回転バンドなどの特徴的なスペクトル構造を生み出す。
原子核の形状と内部構造の関係を理解する上で、重要な概念となっている。
- 大直交性定理
群の表現論において、既約表現の行列要素が満たす直交関係に関する定理。
異なる既約表現の間で、ある種の和がゼロになることを示す。
分子の振動解析や量子力学における選択則の決定など、物理・化学で広く応用される。
- 宇宙の法則
宇宙全体を支配しているとされる、物理的あるいは形而上学的な決まり。
科学的には万有引力の法則などを指すが、スピリチュアルな文脈では引き寄せの法則などを指す。
世界の秩序を維持し、万物の動きを規定する根本的なルールとして扱われる。
- 宇宙原理
宇宙は大きなスケールで見れば、どの場所でもどの方向でも一様で等方的であるという仮定。
現代の標準宇宙論を構築する上での最も基本的な前提となっている。
この原理により、地球が宇宙の特別な場所に位置しているわけではないと考えられる。
- 対応原理
量子力学の法則が、極限状態で古典力学の結果と一致するという原理。
ニールス・ボーアによって提唱され、新旧理論の橋渡しとなった。
量子数や質量が非常に大きい場合に古典的な振る舞いが見られる。
- 対応状態の法則
物質の性質を臨界値で規格化すると、共通の状態で記述できる法則。
ファン・デル・ワールスによって提唱された熱力学の概念である。
異なる気体や液体でも、換算変数を用いれば同一の挙動を示す。
- 巨大磁気抵抗効果
磁性層と非磁性層を重ねた薄膜で、電気抵抗が磁場により激変する現象。
ハードディスクの読み取りヘッドの感度を飛躍的に向上させた。
2007年にフェールとグリュンベルクがノーベル物理学賞を受賞した。
- 巨視的トンネル効果
量子トンネル現象が、多数の粒子が関与するマクロな系で起きる現象。
ジョセフソン接合における磁束の遷移などが代表的な例である。
量子コンピュータのビット制御など、量子デバイスの動作原理に関わる。
- 帆立貝定理
粘性の高い流体中では、対称な往復運動では推進できないという定理。
微生物が移動するためには、非可逆な運動が必要であることを示す。
エドワード・パーセルによって提唱された流体力学の概念である。
- 平行軸の定理
重心を通る軸まわりの慣性モーメントから、任意の平行軸の値を求める定理。
物体の質量と軸間の距離の二乗の積を加えることで計算できる。
剛体の回転運動を解析する機械工学や物理学の基本法則である。
- 揺動散逸定理
系の熱的なゆらぎと、外部刺激に対する応答(散逸)を結びつける定理。
アインシュタインの関係式を一般化した、統計力学の重要な法則である。
ブラウン運動などの非平衡現象を理解するための基礎となる。
- 放射法則
物体が熱放射によって放出するエネルギーの性質を定めた物理法則。
プランクの法則、ステファン・ボルツマンの法則、ウィーンの法則がある。
温度と電磁波の波長や強度の関係を説明し、量子力学の端緒となった。
- 断熱定理
外部パラメータが非常にゆっくり変化する量子系において、系が瞬時の固有状態を維持する法則である。
ハミルトニアンの変化が十分緩やかであれば、初期状態のエネルギー準位が保たれたまま遷移する。
量子計算における断熱量子計算や、幾何学的位相の研究において重要な役割を果たす。
- 最大エントロピー原理
与えられた制約条件下で、エントロピーを最大にする確率分布を選択すべきという指針である。
情報が不足している場合に、最も偏りがなく不確実性が高い分布を採用することが合理的とされる。
統計力学や自然言語処理、経済予測など、多様な分野でモデル推定の基礎となっている。
- 最大塑性仕事の原理
材料が塑性変形する際、実際の応力状態が他の許容される応力よりも大きな仕事をするという原理である。
塑性力学における降伏曲面の凸性や、流れ則を導き出す基礎となる。
金属加工のシミュレーションや、構造物の強度計算において理論的な枠組みを提供する。
- 最小作用の原理
物理系の運動経路は、作用積分と呼ばれる物理量を最小にするという原理である。
ニュートンの運動方程式をより一般化した形式で記述でき、解析力学の根幹をなす。
古典力学だけでなく、量子力学や相対性理論の構築においても基本原則となる。
- 本多-藤嶋効果
酸化チタンに光を当てると、水が水素と酸素に分解される光触媒現象である。
1967年に本多健一と藤嶋昭によって発見され、光エネルギーを化学エネルギーに変換する道を開いた。
セルフクリーニング機能を持つ建材や、水素エネルギー製造技術の基礎として応用されている。
- 核分裂反応
重い原子核が、中性子の吸収などによって二つ以上の軽い核に分かれる現象。
この際に莫大なエネルギーと数個の中性子を放出し、連鎖反応を起こしうる。
原子力発電の熱源や、核兵器の破壊力の源として利用されている。
- 核爆発の効果
核兵器の爆発によって生じる、熱線、衝撃波、放射線、電磁パルスなどの物理的影響である。
一瞬で広範囲を破壊し、放射性降下物による長期的な環境汚染と健康被害をもたらす。
その破壊力は従来の兵器を遥かに凌駕し、国際政治における核抑止論の根拠となっている。
- 核破砕反応
高エネルギーの粒子が原子核に衝突し、原子核が粉砕されて多くの破片を出す過程。
中性子、陽子、軽い核種などが放出され、強力な中性子源として利用される。
宇宙線の影響による元素合成や、加速器を用いた科学研究において重要。
- 核融合反応
軽い原子核同士が超高温・超高圧下で合体し、より重い原子核になる現象。
太陽などの恒星が輝き続けるエネルギー源であり、莫大な熱を発生させる。
次世代のクリーンで安全なエネルギー源として、人工太陽の実現が期待されている。
- 構造原理
原子や分子の電子配置が、エネルギーの低い軌道から順に占有されるという規則である。
パウリの排他原理やフントの規則に基づき、周期表における元素の性質を説明する。
物質の化学的・物理的特性を理解するための、量子化学における最も基本的な考え方である。
- 気体反応の法則
気体同士が反応して別の気体ができるとき、それらの体積の間には簡単な整数比が成り立つという法則である。
1808年にゲーリュサックが発表し、アボガドロの法則とともに分子説の確立に大きく貢献した。
化学反応式における係数の関係を体積で直感的に理解するための、化学の基礎的な法則である。
- 汲み上げ効果
物理学や工学において、小さな振動や周期的な変化を積み重ねて大きなエネルギーや効果を得る現象である。
レーザーの励起や、ブランコを漕ぐ動作などが身近な例として挙げられる。
非平衡系において、外部からのエネルギー注入を効率的に変換する仕組みとして重要である。
- 流線曲率の定理
流体の流線の曲がり方と、その法線方向の圧力勾配の関係を示す定理。
流線が曲がっているとき、曲率の中心に向かって圧力が低くなることを表す。
翼の上面で流線が曲がることで揚力が発生する現象の理解に不可欠である。
- 溶媒効果
化学反応の速度や平衡、物質のスペクトルが溶媒の種類によって変化する現象。
溶媒の極性や水素結合能が、反応物や遷移状態の安定性に影響を与える。
反応条件の最適化において、適切な溶媒を選択するための重要な指針となる。
- 焦電効果
温度変化に応じて、結晶の表面に電荷が発生する現象のこと。
電気双極子を持つ特定の結晶において、熱による原子振動の変化が誘電分極を誘発する。
赤外線センサーや人感センサーなどの検知デバイスに応用されている。
- 煙突効果
建物内部の空気と外気の温度差により、浮力が生じて空気が上昇する現象。
高層ビルや煙突において、下部から空気を吸い込み上部へ排出する流れを作る。
火災時の煙の拡散を早める危険性がある一方、自然換気の仕組みとしても利用される。
- 熱力学第一法則
エネルギーは形を変えても、その総量は常に一定であるというエネルギー保存の法則。
系に与えられた熱量と仕事の和が、内部エネルギーの変化量に等しいことを示す。
永久機関の不可能性を裏付ける、熱力学における最も基本的な原理の一つである。
- 熱力学第三法則
絶対零度において、完全結晶のエントロピーはゼロになるという法則。
有限の手続きによって、物体を絶対零度まで冷却することは不可能であることを意味する。
低温物理学の基礎となり、化学反応の平衡定数の決定などにも寄与する。
- 熱力学第二法則
熱は自発的に高温から低温へ流れ、その逆は起こらないという不可逆性を示す法則。
孤立系全体のエントロピーは時間の経過とともに増大し続けることを主張する。
エネルギーの質の低下や、宇宙の熱的死といった概念とも深く関わっている。
- 熱力学第零法則
物体AとB、BとCがそれぞれ熱平衡にあるなら、AとCも熱平衡にあるという法則。
温度という概念を客観的に定義するための根拠となる重要な原理である。
第一から第三法則の後に確立されたが、より基礎的なため「第零」と名付けられた。
- 熱電効果
熱と電気を直接変換する現象の総称で、ゼーベック効果やペルチェ効果を含む。
温度差から電圧を生む発電や、電流を流して冷却・加熱を行う技術に利用される。
可動部がないため静粛性に優れ、宇宙探査機の電源やワインセラーなどに使われる。
- 熱音響効果
熱エネルギーと音波が相互に変換される現象のこと。
細い管の中に温度勾配を作ると音が鳴り、逆に強い音波を与えると温度差が生じる。
フロンガスを使わない冷却システムや、廃熱を利用した発電機への応用が期待されている。
- 特異点定理
一般相対性理論において、ある条件下で必ず重力の特異点が生じるという定理。
ペンローズとホーキングによって証明され、ブラックホールやビッグバンの存在を裏付けた。
時空の破綻を示唆しており、量子重力理論の必要性を説く根拠となっている。
- 異方向性磁気抵抗効果
磁化の方向と電流の方向の角度によって、電気抵抗が変化する現象。
強磁性体において顕著に見られ、外部磁場を検知するセンサーとして利用される。
ハードディスクの読み取りヘッドや磁気エンコーダーなどの基幹技術として発展した。
- 疎水効果
水分子が水素結合を維持しようとして、疎水性物質を排除し凝集させる現象。
タンパク質の折り畳みや細胞膜の形成など、生体分子の構造決定の主要な駆動力となる。
エントロピー増大が主な要因であり、生命の巧妙な自己組織化を支えている。
- 発エルゴン反応
進行に伴ってギブス自由エネルギーが減少する、自発的な化学反応。
外部からエネルギーを加えなくても、理論上は自然に反応が進む。
生体内での栄養素の分解(異化)や、燃料の燃焼などがこれに当たる。
- 発散定理
ベクトル場の発散を体積積分したものが、境界を通るフラックスの面積積分に等しいという定理。
ガウスの定理とも呼ばれ、電磁気学や流体力学における保存則の記述に不可欠である。
三次元空間における微分と積分の関係を繋ぐ、ベクトル解析の重要な成果である。
- 相反定理
ある系において、入力と出力の場所を入れ替えても応答が変わらないという物理学の定理。
電気回路の可逆定理や、構造力学におけるベティの定理などが具体的な例である。
複雑なシステムの解析を簡略化するための強力なツールとして、工学設計に広く用いられる。
- 相対性原理
物理法則はいかなる慣性系においても同じ形で表されるという、物理学の根本原則。
アインシュタインが特殊相対性理論の基礎として提唱し、後に一般相対性理論へ拡張された。
絶対的な静止状態は存在せず、観測者の運動状態によって時間や空間の捉え方が変わる。
- 相対論効果
物体が光速に近い速度で移動したり、強い重力場にあったりする際に現れる物理現象。
時間の遅れや長さの収縮、質量の増大などが、ニュートン力学では説明できない変化として生じる。
GPS衛星の時刻補正や、重い元素の化学的性質の説明などにも関わっている。
- 破壊効果
物体やシステムに対して、その構造や機能を損なわせるような強い影響を与えること。
物理的な衝撃による損壊だけでなく、経済における既存秩序の打破といった比喩でも使われる。
ゲームや創作物では、特定の対象を消滅させる特殊能力の名称として登場することも多い。
- 磁気キャパシタンス効果
外部磁場によって、コンデンサの静電容量が変化する現象。
磁性体と誘電体を組み合わせた材料において、磁気と電気の相互作用により生じる。
次世代の磁気センサーやメモリデバイスへの応用が期待されている。
- 磁気光学カー効果
磁化した物質の表面で光が反射する際、偏光状態が変化する現象のこと。
磁気記録媒体の情報を光で読み取る技術などに広く応用されている。
透過光で起こるファラデー効果の反射版であり、磁性薄膜の研究に欠かせない。
- 磁気光学効果
磁場の中にある物質が、光の伝搬特性を変化させる現象の総称。
ファラデー効果やカー効果が含まれ、光ファイバーのアイソレータなどに利用される。
光と磁気の相互作用を利用して、非接触で磁気情報を操作・計測することが可能である。
- 磁気回転効果
物質の磁化の変化が物体の回転を引き起こしたり、逆に回転が磁化を生んだりする現象。
アインシュタイン・ドハース効果やバーネット効果がこれにあたる。
電子のスピン角運動量と物体の回転角運動量の間の交換を示す、量子力学的な現象である。
- 磁気抵抗効果
外部磁場によって、物質の電気抵抗が変化する現象のこと。
強磁性体を用いたAMRや、多層膜による巨大磁気抵抗効果がある。
ハードディスクのヘッドや磁気センサーなど、現代の電子機器に不可欠な技術である。
- 磁気電気効果
磁場によって電気分極が生じたり、電場によって磁化が生じたりする現象。
通常は別々に扱われる磁性と誘電性が、特定の物質内では互いに結合している状態を指す。
マルチフェロイック材料の研究において中心的なテーマであり、次世代デバイスへの応用が期待される。
- 磁気音響効果
磁場をかけることで、物質中を伝わる音波の速度や減衰率が変化する現象。
超音波と電子のスピンや軌道運動が相互作用することによって引き起こされる。
金属や半導体のエネルギー状態を調べるための、物性物理学における有力な手段である。
- 第一原理
他の何物からも導かれない、思考や推論の出発点となる根本的な命題。
物理学では量子力学の基礎方程式から物性を計算する手法を指す。
経験や推測に頼らず、基本法則のみから結論を導き出すアプローチである。
- 等価原理
重力質量と慣性質量が同一であるという、物理学における基本的な原理。
アインシュタインが一般相対性理論を構築する際の重要な基礎となった。
加速系での慣性力と重力は、局所的に区別できないことを意味している。
- 等確率の原理
統計力学において、孤立系の各微視的状態が等しい確率で出現するという仮定。
エントロピーの定義や熱力学的な諸性質を導き出すための基礎となる。
エルゴード仮説と深く関連し、平衡状態の記述に不可欠な前提である。
- 純化定理
混合状態を、より大きな系の純粋状態の一部として表現できるという定理。
量子情報理論において、系の不確実性を扱うための強力な数学的ツール。
量子測定やデコヒーレンスの解析において、理論的な基礎を提供している。
- 自然哲学の数学的諸原理
アイザック・ニュートンが1687年に著した、近代物理学の基礎を築いた書物。
運動の三法則や万有引力の法則を数学的に記述し、古典力学を体系化した。
通称『プリンキピア』として知られ、科学史上最も重要な著作の一つとされる。
- 自然法則
自然界の現象の間に成り立つ、普遍的かつ客観的な規則性のこと。
物理学や化学などの科学を通じて発見され、多くは数式で記述される。
人間の意志とは無関係に存在し、常に一定の条件下で再現されるものとされる。
- 表層反応
固体表面で起こる化学反応の総称。
触媒反応や腐食、結晶成長など、物質の界面における相互作用が中心。
不均一系触媒を用いた工業プロセスや、半導体製造に不可欠である。
- 表皮効果
交流電流が導体の表面近くを流れる現象。
周波数が高くなるほど電流が表面に集中し、抵抗が増大する。
電線の設計に影響する。
- 表面効果
地面や水面の近くを移動する際に揚力が増す現象。
航空機や高速船の効率を高めるために利用される。
グランドエフェクトとも言う。
- 補償定理
回路内のインピーダンス変化を電圧源に置き換えて考える定理。
複雑な電気回路の計算を簡略化するために用いられる。
回路網解析の基本の一つ。
- 観察者効果
測定という行為が対象の状態を変化させてしまう現象。
量子力学の微視的世界や、心理学の実験などで考慮が必要となる。
客観的な観測の限界を示す。
- 観測選択効果
観測者の存在条件が、得られるデータに偏りを与える現象。
宇宙が人間に適しているように見える理由を説明する際に使われる。
アンソロピック・バイアスとも言う。
- 角運動量保存の法則
回転している物体に外から力が加わらなければ、回転の勢いが保たれる法則。
フィギュアスケートの回転速度の変化などで観察できる。
物理学の基本的な保存則の一つ。
- 計算等価性原理
複雑な振る舞いをするシステムは、同等の計算能力を持つという原理。
スティーブン・ウルフラムが提唱し、細胞オートマトンの解析に用いられる。
自然界の複雑さを説明する試み。
- 質量作用の法則
化学反応の速さは、反応物の濃度の積に比例するという法則。
化学平衡の状態を数式で表す際の基礎となる。
ノルウェーの化学者らによって提唱された。
- 質量保存の法則
化学反応の前後で、物質の総質量は変化しないという法則。
ラヴォアジエが確立し、近代化学の出発点となった。
核反応を除き、厳密に成り立つ。
- 近藤効果
磁性不純物を含む金属の電気抵抗が、極低温で上昇する現象。
電子のスピンの相互作用によって起こり、物性物理学の重要な研究対象。
近藤淳によって解明された。
- 逆2乗の法則
物理量の大きさが、距離の2乗に反比例して減少する法則。
重力や静電気力、光の強さなど、自然界の多くの現象に当てはまる。
点源からの拡散を示す。
- 速度の加法則
異なる観測者から見た物体の速度を合成する規則。
相対性理論では、光速を超えないように特殊な計算式が用いられる。
古典力学とは異なる挙動を示す。
- 速度論的同位体効果
原子を同位体に置き換えることで、化学反応の速度が変化する現象。
反応の仕組みを詳しく調べるための有力な手段として利用される。
結合の切断が関わる段階の特定に役立つ。
- 連鎖反応
一つの反応が次の反応を引き起こし、連続的に進行していく過程。
ラジカル重合や核分裂反応など、化学や物理の広範な分野で見られる。
一度始まると爆発的に進行する場合があり、制御が極めて重要となる。
- 運動の第1法則
外部から力が働かない限り、物体は静止または等速直線運動を続ける法則。
慣性の法則とも呼ばれ、物体の動きの基本性質を示す。
ニュートン力学の基礎。
- 運動の第2法則
物体に生じる加速度は、加えた力に比例し質量に反比例するという法則。
F=maという式で表され、力学の最も重要な方程式の一つ。
運動方程式の根拠。
- 運動の第3法則
力を加えると、同じ大きさで反対向きの力が押し返してくるという法則。
作用反作用の法則とも呼ばれ、ロケットの推進原理などに応用される。
二体間の相互作用を記述する。
- 遮蔽効果
内側の電子が原子核のプラスの力を遮り、外側の電子への影響を弱める現象。
原子の大きさやイオン化エネルギーの決まり方に深く関わっている。
有効核電荷を減少させる。
- 重ね合わせの原理
複数の波や力が合わさる時、それらの合計が全体の現象になるという原則。
光の干渉や電気回路の解析など、物理学の広い分野で使われる。
線形システムにおいて成り立つ。
- 量子ゼノン効果
量子状態を頻繁に観測すると、その状態の変化が止まってしまう現象。
観測という行為がシステムの進化を妨げる、量子力学特有の効果。
「見つめる鍋は煮えない」に例えられる。
- 量子ホール効果
極低温かつ強磁場の下で、電気抵抗が飛び飛びの値を取る現象。
2次元電子系で観察され、精密な電気抵抗の基準として使われる。
ノーベル物理学賞の対象となった。
- 量子削除不可能定理
未知の量子状態のコピーが2つある時、片方を完全に消去できないという定理。
量子情報の複製不能性と並び、量子力学の基本性質を示す。
情報の保存に関わる理論。
- 量子回帰定理
閉じた量子系は、十分な時間が経過すれば必ず元の状態に戻るという定理。
古典力学のポアンカレ回帰定理の量子版にあたる。
有限次元の系で厳密に成り立つ。
- 量子複製不可能定理
未知の量子状態を完全にコピーすることは不可能であるという量子力学の定理。
1982年にウッターズ、ズレック、ディークスによって証明された。
量子暗号の安全性を支える基本原理であり、情報の盗聴を物理的に防ぐ根拠となる。
- 量子非隠蔽定理
量子系から情報が失われた際、その情報は必ず環境側に移動していることを示す定理。
情報は隠蔽されるのではなく、デコヒーレンスによって周囲に拡散する。
量子情報の保存則を補完する概念であり、ブラックホール情報パラドックスにも関連する。
- 陽子-陽子連鎖反応
恒星の内部で水素がヘリウムに変わる核融合反応の過程。
太陽のような比較的小さな恒星における主要なエネルギー源である。
複数の段階を経て莫大なエネルギーを放出し、星の輝きを支えている。
- 電子移動反応
原子や分子間で電子が移動する、最も単純かつ基本的な化学過程。
酸化還元反応の核心であり、光合成や呼吸などのエネルギー変換に関わる。
マーカス理論によって、その反応速度が理論的に説明されている。
- 電気光学効果
物質に電場を印加したとき、その物質の屈折率などの光学的な性質が変化する現象。
電場に比例するポッケルス効果と、電場の二乗に比例するカー効果がある。
光スイッチや光変調器など、高速な光通信デバイスに応用されている。
- 鳩とクラウジウスの原理
熱力学第二法則における、エントロピー増大の原理を説明するための比喩的表現。
熱が低温から高温へ自発的に移動しないというクラウジウスの声明を基礎としている。
物理的な不可逆性と情報の拡散の関係を理解するための概念的な枠組みである。
AIによる要約結果は不正確な場合があります。