今北産業pedia
今北産業
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クリア- 15・290定理
正の整数係数を持つ二次形式がどの整数を表すかに関する、数論の定理である。
15定理は全整数、290定理は全正整数を表すための判定条件を特定の有限集合で示す。
ジョン・コンウェイらによって証明され、二次形式の普遍性を判定する強力な道具となる。
- CAP定理
分散システムにおいて、一貫性・可用性・分断耐性の3つを同時に満たすことはできないとする定理。
ブリュワーの定理とも呼ばれ、分散データベースの設計における基本的なトレードオフを示している。
NoSQLデータベースなどの特性を理解し、用途に応じたシステムを選択するための指針となる。
- E.ホップの拡張定理
集合族上の有限加法的な測度を、より大きな完全加法的な測度へと一意に拡張できる条件を示した定理。
測度論の基礎となる重要な定理であり、カラテオドリの拡張定理と密接に関連している。
ボレル集合族上のルベーグ測度の構成など、確率論や解析学の厳密な議論において広く用いられる。
- H定理
統計力学において、孤立系のエントロピーが増大し、平衡状態へ向かうことを示す定理。
ルートヴィッヒ・ボルツマンが提唱し、微視的な可逆性と巨視的な不可逆性を結びつけた。
H関数の値が時間とともに減少することを示し、熱力学第二法則の微視的根拠となった。
- Q二項定理
通常の二項定理をq-アナログの視点から一般化した、組合せ論や数論における公式。
二項係数の代わりにq-二項係数を用い、無限級数の展開などにおいて重要な役割を果たす。
分配関数の計算や分割数の理論、量子群の表現論など、数学や理論物理学の幅広い分野で応用される。
- Ryll-Nardzewskiの不動点定理
関数解析学において、弱コンパクト凸集合上のアフィン等長写像の族に関する不動点定理。
適切な条件下で、全ての写像に対して共通の不動点が存在することを保証する。
エルゴード理論や抽象調和解析における不変測度の存在証明などに重要な役割を果たす。
- Smn定理
計算理論において、計算可能関数のパラメータの一部を固定して新しい関数を作る性質。
プログラミング言語における部分適用やカリー化の理論的な裏付けとなる重要な定理。
帰納的関数のゲーデル数化に関連し、計算の構造を解析する基礎的な道具として使われる。
- Vafa-Wittenの定理
理論物理学において、特定の量子論でベクトル型の大域的対称性が自発的に破れないことを示す定理。
クムラン・ヴァファとエドワード・ウィッテンにより、1984年に提唱された。
量子色力学におけるフレーバー対称性の維持などを数学的に裏付ける重要な役割を果たしている。
- ゆらぎの定理
非平衡統計力学において、エントロピー生成の確率分布に関する等式。
微小な系ではエントロピーが一時的に減少する現象も起こりうることを定量化した。
熱力学第二法則を微視的な視点から一般化した、現代物理学の重要な理論である。
- アスコリ=アルツェラの定理
関数族が等程度連続かつ一様有界であるとき、収束する部分列を持つという定理。
関数空間におけるコンパクト性を判定するための重要な指標となる。
微分方程式の解の存在証明や解析学の様々な分野で広く利用される。
- アダマールの三円定理
複素解析において、正則関数の最大絶対値の対数が半径の対数に対して凸である定理。
同心円状の3つの円における関数の値の範囲を制限する性質を持つ。
解析関数の増大度を調べる上で重要であり、ハーディの定理の一般化である。
- アックス–グロタンディークの定理
複素数体上の多項式写像が単射であれば、それは全射でもあるという代数幾何学の定理。
有限集合の写像に関する性質が、特定の代数多様体でも成立することを示した。
モデル理論の手法を用いて証明された、数学の異なる分野を繋ぐ例として有名である。
- アティヤ=シンガーの指数定理
微分作用素の解析的指数と、多様体の幾何学的指数が一致するという定理。
解析学、幾何学、理論物理学を結びつける現代数学の金字塔の一つである。
1963年にマイケル・アティヤとアイザドール・シンガーによって証明された。
- アティヤ=ボットの不動点定理
楕円型複体上の写像の不動点における局所的な寄与から、大域的な指数を計算する定理。
レフシェッツの不動点定理を一般化したものであり、高度な幾何学に適用される。
理論物理学の超対称性理論など、幅広い分野に応用されている。
- アトキンソン・スティグリッツの定理
特定の条件下では、消費税よりも所得税のみで最適化が可能とする公共経済学の定理。
全ての消費財に個別に課税するより、所得への課税が効率的であると論じた。
租税政策の議論において、間接税の必要性を検討する際の理論的根拠となる。
- アペリーの定理
ゼータ関数の3における値(アペリーの定数)が無理数であることを示す定理。
1978年にロジェ・アペリーによって、非常に独創的な手法で証明された。
他の奇数におけるゼータ値が無理数かどうかは、現在も多くが未解決である。
- アポロニウスの定理
三角形の各辺の長さと中線の長さの間に成り立つ関係を示した幾何学の定理。
「中線定理」とも呼ばれ、ベクトルの計算や図形問題の解決に広く応用される。
古代ギリシャの数学者アポロニウスにちなんで名付けられた。
- アルティン・ウェダーバーンの定理
半単純環の構造を、体上の行列環の直積として完全に分類する代数学の定理。
環論において、複雑な代数的構造をより単純な要素に分解して理解を助ける。
表現論や数論などの広範な数学領域において、基礎的な道具として用いられる。
- アルトコロニーの定理
多角形の内部を監視するために必要な最低限の守衛の数を求める幾何学の定理。
n個の頂点を持つ単純多角形は、床関数(n/3)個の守衛で全域を監視できる。
監視カメラの配置最適化や、ロボットの経路計画などの問題に応用される。
- アルハゼンの定理
球面鏡において、特定の2点を通る光が反射する鏡面上の点を求める幾何学の問題。
4次方程式に帰着される難問であり、11世紀の物理学者アルハゼンが解法を試みた。
光学における反射の解析だけでなく、ビリヤードの軌道計算などにも関連する。
- アレクサンダーの定理
任意の結び目や絡み目は、ある編み目(ブライド)を閉じることで得られるという定理。
結び目理論を編み目理論の枠組みで解析することを可能にした重要な成果である。
結び目の不変量を計算する際や、3次元多様体の研究において基礎となる。
- アレクサンドロフの定理
凸多面体の表面の計量が与えられれば、その多面体が一意に定まるという幾何学の定理。
展開図から元の立体が一意に復元できる条件を示しており、凸幾何学の金字塔とされる。
剛性問題や曲面の曲率の研究など、現代幾何学の多くの分野に影響を与えている。
- アローの不可能性定理
一定の妥当な条件を満たす完璧な選挙制度や社会的決定ルールは存在しないという定理。
独裁を認めない限り、個人の好みを矛盾なく集計して社会全体の順位は決められない。
民主主義の限界を数学的に証明したとして、経済学や政治学に大きな衝撃を与えた。
- アンの定理
四角形の内部の点と各辺を結んでできる三角形の面積に関する幾何学の定理。
対辺を底辺とする三角形の面積の和が等しくなる点の軌跡は、中線である。
ニュートンの定理の一般化であり、平面幾何学における面積の性質を記述する。
- アーベル-ルフィニの定理
五次以上の一般的な代数方程式には、加減乗除と冪根による解の公式が存在しないという定理。
古代からの数学の難問に終止符を打ち、ガロア理論へと繋がる代数学の転換点となった。
特定の方程式は解けるが、全ての五次方程式に共通する解法は作れないことを証明した。
- アーベルの定理
べき級数が収束半径の端点で収束する場合、その値が連続的に繋がることを示す定理。
級数の和の極限と、関数の極限を入れ替えるための数学的な正当性を与える。
解析学において、無限級数の性質を調べるための基本的かつ強力な道具である。
- アーベルの連続性定理
べき級数の収束域の境界における挙動を規定する、解析学の重要な定理。
収束半径の端点で級数が収束するなら、その点での関数の値は級数の和に等しい。
積分計算や特殊関数の値の決定において、境界値を評価する際に頻繁に用いられる。
- アーンショーの定理
静止した点電荷の集まりだけでは、他の電荷を安定して空中に静止させられないという定理。
逆二乗則に従う力のみでは、ポテンシャルの極小点を作ることができないことに由来する。
磁気浮上を実現するには、反磁性体や動的な制御が必要であることを示唆している。
- イェルムスレウの定理
2つの直線上の点同士を結ぶ線分の中点が、再び一直線上に並ぶという幾何学の定理。
非ユークリッド幾何学においても成立する、射影幾何学的な性質を持つ。
図形の対称性や変換の性質を研究する上で、直感に反する興味深い結果を与える。
- ウィグナーの定理
量子力学において、対称性操作がユニタリ演算子または反ユニタリ演算子で表されるという定理。
物理系の対称性と、ヒルベルト空間上の演算子の性質を数学的に結びつけた。
物理法則の不変性を議論する上での基礎であり、群論の応用において極めて重要である。
- ウィグナー=エッカルトの定理
量子力学において、球面テンソル演算子の行列要素を幾何学的成分と物理的成分に分離する定理。
複雑な計算をクレブシュ・ゴルダン係数を用いて簡略化することを可能にする。
角運動量の合成や、原子・分子のスペクトル解析において不可欠な道具である。
- ウィルソンの定理
自然数 p が素数であるための必要十分条件を、階乗を用いた合同式で表す定理。
(p-1)! ≡ -1 (mod p) が成り立つとき、かつその時に限り p は素数である。
理論的には強力だが、階乗の計算量が膨大になるため素数判定の実用には向かない。
- ウィーナーの定理
フーリエ変換の性質に基づき、関数の濃度や収束性を論じる調和解析の定理。
特にタウバー型定理として知られ、素数定理の証明などにも応用される重要な成果。
信号処理や時系列解析において、関数の構造を理解するための数学的基盤を与える。
- ウィーナー=ヒンチンの定理
定常確率過程のパワースペクトル密度が、自己相関関数のフーリエ変換に等しいという定理。
時間領域の相関と周波数領域のエネルギー分布を直接結びつける、信号解析の基本原理。
通信工学や統計力学において、ノイズの性質やシステムの応答を評価する際に使われる。
- ウィーナー=池原の定理
ラプラス変換の解析接続を利用して、関数の漸近的な挙動を決定する数論の定理。
ウィーナーのタウバー型定理を一般化したもので、素数定理の簡潔な証明を可能にした。
ディリクレ級数の収束性と、対応する数論的関数の平均値の関係を記述する。
- ウェダーバーンの定理
単純環の構造を、体上の行列環として決定する代数学の重要な定理。
アルティン・ウェダーバーンの定理の基礎となり、非可換環論の発展に大きく寄与した。
抽象的な代数系を、具体的な行列という形で表現することを可能にする。
- ウェダーバーンの小定理
全ての有限な除法代数(斜体)は、必ず可換体であるという代数学の定理。
有限個の要素しか持たない世界では、乗法の交換法則が自動的に成立することを証明した。
射影幾何学において、パップスの定理とデザルグの定理の関係を説明する際にも現れる。
- エリツァーの定理
ゲージ理論において、局所的なゲージ対称性は自発的に破れることがないという定理。
ゲージ不変な観測量のみが物理的な意味を持ち、非不変な量は期待値がゼロになる。
格子ゲージ理論や相転移の理論において、系の性質を正しく理解するための基礎となる。
- エルゴード定理
長時間における時間平均が、系全体の空間平均(アンサンブル平均)と一致することを示す定理。
個々の粒子の複雑な動きを追わなくても、統計的な手法で全体の性質を記述できる根拠となる。
統計力学の基礎を支える数学的理論であり、カオス理論や情報理論にも深く関わっている。
- エルブランの定理
一階述語論理の妥当性を、命題論理の有限集合の充足不能性に帰着させる論理学の定理。
コンピュータによる自動定理証明の理論的基盤となり、解像原理などの手法を生み出した。
数学的証明の構造をアルゴリズム的に解析することを可能にした、重要な成果である。
- エンゲルの定理
リー環の理論において、べき零リー環の性質を規定する重要な定理。
すべての元が随伴表現においてべき零であれば、そのリー環自体がべき零となる。
リー代数の構造解析や分類において基礎的な役割を果たす。
- エーレンフェストの定理
量子力学における演算子の期待値が、古典力学の運動方程式に従うことを示す定理。
ミクロな量子力学とマクロな古典力学の対応関係を数学的に証明している。
シュレーディンガー方程式からニュートンの運動方程式を導出する際に用いられる。
- オイラーの五角数定理
分割数の母関数と無限積の間に成り立つ、数論における驚異的な等式。
五角数を用いて級数の係数が決定されるという幾何学的な結びつきを持つ。
組合せ論や分配関数の計算において、計算量を劇的に減らす手法として使われる。
- オイラーの四辺形定理
四角形の各辺の長さと対角線の長さの間に成り立つ幾何学の定理。
各辺の2乗の和が、対角線の2乗の和と対角線の中点間の距離の2乗の4倍に等しい。
平行四辺形の性質を一般的な四角形に拡張した幾何学的な公式である。
- オイラーの定理
数論において、正の整数と互いに素な整数の間に成り立つ合同式の関係。
フェルマーの小定理を一般化したもので、オイラーのφ関数を用いて記述される。
公開鍵暗号方式であるRSA暗号の理論的基盤として不可欠な役割を担う。
- オストログラドスキーの定理
ベクトル場の発散を体積積分すると、その境界での表面フラックスに等しくなる定理。
一般に「発散定理」として知られ、電磁気学や流体力学の基本法則を記述する。
ガウスの法則を数学的に定式化したものであり、物理学の広範な分野で使われる。
- オストロフスキーの定理
有理数体上の絶対値が、通常の絶対値かp進絶対値のいずれかと同値であるという定理。
数論において、有理数の「近さ」を測る尺度が限定的であることを示している。
代数的数論における局所体の理論を構築する上での出発点となる重要な定理。
- オルンシュタインの同型定理
エルゴード理論において、同じエントロピーを持つベルヌーイ系は互いに同型であるという定理。
複雑な力学系の構造が、エントロピーという単一の数値で決定されることを示した。
カオス理論や統計力学における系の分類において、極めて重要な役割を果たす。
- オンサーガーの相反定理
非平衡統計力学において、異なる熱力学的流れと力の間の応答係数が対称であることを示す定理。
微視的な可逆性が、マクロな不可逆過程の係数に反映されることを数学的に証明した。
この功績により、ラルス・オンサーガーは1968年にノーベル化学賞を受賞している。
- オーレの定理
グラフ理論において、グラフがハミルトン閉路を持つための十分条件を与える定理。
頂点数が3以上で、隣接しない任意の2頂点の次数の和が頂点数以上であれば閉路が存在する。
巡回セールスマン問題などの組合せ最適化問題に関連する、重要な基礎理論である。
- カスチリアノの定理
弾性体のひずみエネルギーを荷重で偏微分すると、その点での変位が求められるという定理。
構造力学や土木工学において、複雑な構造物の変形を計算するための強力な手法である。
エネルギー原理に基づいた解析手法として、橋梁や建築物の設計に広く応用されている。
- カゾラーティ・ワイエルシュトラスの定理
複素関数論において、真性特異点の近傍で関数の値が任意の複素数にいくらでも近づくという定理。
特異点の周りで関数が極めて激しく振動し、複雑な挙動を示すことを意味している。
ピカールの定理によってさらに精密化されるが、複素解析の基礎として重要である。
- カット除去定理
形式論理学において、証明図から「カット」と呼ばれる中間ステップを取り除けるという定理。
任意の証明は、遠回りせずに直接的な推論のみで構成できることを数学的に示した。
計算機科学における型理論や、自動定理証明のアルゴリズムの基礎となっている。
- カラテオドリの存在定理
微分方程式の解が存在するための条件を、連続性よりも緩い条件で保証する定理。
右辺の関数が不連続であっても、ある種の可積分性を満たせば解が存在することを示す。
制御理論や非線形システムなど、現実の複雑な現象をモデル化する際に重宝される。
- カラテオドリの定理
凸幾何学において、d次元空間の凸包内の点は、高々d+1個の頂点の凸結合で表せるという定理。
複雑な図形を単純な単体の集まりとして理解するための基礎的な道具となる。
最適化問題や計算幾何学において、解の構成やアルゴリズムの解析に利用される。
- カラテオドリの拡張定理
測度論において、集合族上の有限加法的測度を完全加法的測度へ一意に拡張できることを示す定理。
ボレル集合族などの複雑な集合に対して、矛盾なく面積や体積を定義するための根拠となる。
ルベーグ積分を数学的に厳密に構築する上で、最も核心となる定理の一つである。
- カリスティの不動点定理
完備距離空間上の関数が不動点を持つための条件を、連続性を仮定せずに与える定理。
バナッハの不動点定理を一般化したものであり、非線形解析学において重要な地位を占める。
最適化理論や変分不等式など、数学の広範な分野に応用されている。
- カルタンの定理
数学者エリー・カルタンによって導かれた、リー群や微分形式に関する一連の定理の総称。
特にリー環の可解性や半単純性を判定する基準(カルタンの判定条件)が有名である。
現代の微分幾何学や理論物理学の基礎を築いた、極めて重要な数学的成果である。
- カルタン・デュドネの定理
幾何学的代数において、直交変換がいくつかの鏡映(反射)の合成で表せることを示す定理。
n次元空間の直交変換は、高々n個の鏡映によって構成できることを保証している。
群論や結晶学、コンピュータグラフィックスにおける回転の理解において基礎となる。
- カルノーの定理
熱機関の効率には理論上の限界があり、それは熱源の温度のみで決まるという定理。
いかなる熱機関も、可逆なカルノーサイクル以上の効率を持つことはできない。
熱力学第二法則の基礎となり、エネルギー変換の限界を理解する上で極めて重要である。
- カントールの定理
任意の集合について、そのべき集合の濃度は元の集合の濃度よりも厳密に大きいという定理。
無限集合にも「大きさ」の段階が存在し、無限の階層が無限に続くことを証明した。
集合論の基礎を揺るがし、現代数学における無限の概念を根本から変えた成果である。
- ガウス・ボンネの定理
曲面の幾何学的な曲率と、その位相的な性質(オイラー標数)を結びつける定理。
局所的な曲がり具合を積分すると、図形の穴の数という全体的な特徴が決定される。
微分幾何学における最も美しい定理の一つとされ、現代物理学の理論構築にも寄与している。
- ガウス=マルコフの定理
統計学の回帰分析において、最小二乗推定量が「最良線形不偏推定量」であることを示す定理。
誤差項が一定の条件を満たせば、最小二乗法が最も効率的な推定手法になることを保証する。
計量経済学やデータ解析において、モデルの妥当性を支える重要な理論的根拠である。
- ガブリエルの定理
箙(えびら)の表現論において、有限個の既約表現を持つための条件をグラフの形で示した定理。
対応するグラフがADE型のディンキン図形である場合に限り、表現が有限型となることを証明した。
代数学の異なる分野を繋ぐ美しい結果として、現代数学において高く評価されている。
- ガロア理論の基本定理
代数方程式の解の対称性と、体の拡大の構造を群論を用いて結びつける定理。
方程式が代数的に解けるかどうかを、対応するガロア群の性質によって判定できる。
5次以上の方程式に一般的な解の公式が存在しないことを証明する際の核心となった。
- キャプランスキーの稠密性定理
フォン・ノイマン代数の理論において、代数の単位球が強演算子位相で稠密であることを示す定理。
無限次元の演算子を扱う上で、近似的な操作が正当化されるための重要な技術的基盤となる。
量子力学の数学的定式化や、作用素環論の研究において不可欠な道具である。
- ギバード=サタースウェイトの定理
3つ以上の選択肢がある投票制度において、独裁的でない限り「戦略的投票」を完全に防ぐことはできないという定理。
有権者が自分の真の好みを偽ることで、より望ましい結果を得る動機が必ず存在することを示した。
社会的選択理論における不可能性定理の一つであり、選挙制度設計の限界を提示している。
- クザンの定理
実数直線の閉区間において、任意のゲージに対して従属な細分が存在する定理。
リーマン積分を一般化したゲージ積分の定義において中心的な役割を果たす。
ハイネ・ボレルの被覆定理をより一般的な形で表現したものと言える。
- クッタ・ジュコーフスキーの定理
流体中を移動する物体に働く揚力は、流体の密度と速度、循環の積に等しいという定理。
航空機の翼に発生する揚力を計算するための基礎的な理論として知られる。
二次元の非粘性不可圧縮流れにおいて、翼の形状に関わらず成立する。
- クラウジウスの定理
熱力学において、可逆サイクルでの熱量と温度の比の積分が零になるという定理。
不可逆サイクルの場合はこの値が負になり、エントロピー増大の法則を導く。
ルドルフ・クラウジウスによって提唱され、熱力学第二法則を数式化した。
- クラトフスキの定理
グラフが平面上に交差なく描けるための必要十分条件を与えるグラフ理論の定理。
完全グラフK5または完全二部グラフK3,3をマイナーとして含まないことが条件。
カジミェシュ・クラトフスキによって1930年に証明された。
- クリフォードの定理
幾何学において、円の連鎖から次々と新しい共通点が生じることを示す定理。
n個の円が一点で交わる時、それらから構成される図形が特定の性質を持つ。
ウィリアム・キングドン・クリフォードによって示された円の配置に関する性質。
- クリロフ=ボゴリューボフの定理
力学系において、コンパクトな距離空間上の連続写像は不変確率測度を持つという定理。
系の長時間的な振る舞いを記述する不変な状態が必ず存在することを保証する。
エルゴード理論の基礎となる重要な定理であり、統計力学とも深く関連する。
- クリーネの不動点定理
完備半順序集合上のスコット連続な関数は、最小不動点を持つという定理。
計算機科学において、再帰的なプログラムの定義に数学的な意味を与える。
不動点はボトム要素からの近似の極限として構成的に求められる。
- クリーネの再帰定理
計算理論において、任意の計算可能な関数が自分自身のプログラムを参照できるという定理。
自己複製プログラム(クワイン)の存在を理論的に証明する根拠となる。
プログラムが自身のソースコードを知らなくても、その挙動をシミュレート可能にする。
- クルックスの揺動定理
微小な系において、ある過程とその逆過程の発生確率の比に関する物理法則。
非平衡状態におけるエントロピー生成と自由エネルギー変化を直接結びつける。
熱力学第二法則を微視的な視点から精密化したものと位置づけられる。
- クルルの単項イデアル定理
可換環論において、単項イデアルから生成される素イデアルの高さは1以下であるという定理。
ネーター環における次元論の基礎となる重要な結果である。
ヴォルフガング・クルルによって証明され、多項式環の次元の理解に貢献した。
- クルルの定理
零環でない任意の可換環には、少なくとも一つの極大イデアルが存在するという定理。
証明には選択公理(ツォルンの補題)が必要であり、環論の基本定理の一つ。
これにより、任意の環を体へと写す準同型写像の存在が保証される。
- クルル・シュミットの定理
ある種の加群や群が、直既約な成分の直和として一意に分解できるという定理。
分解の順序を除いて、各成分の同型類とその個数が一意に定まることを保証する。
代数学における構造の分解可能性を論じる上での基礎的な道具である。
- クレイグの補間定理
論理学において、AがBを包含する時、両者の共通概念のみを含む中間的な命題が存在する定理。
一階述語論理の重要な性質であり、理論の分割や定義可能性の研究に用いられる。
ウィリアム・クレイグによって1957年に証明された。
- クレイン・ルトマンの定理
バナッハ空間上の正の線形作用素が、正の固有値と正の固有ベクトルを持つという定理。
線形代数におけるペロン=フロベニウスの定理を無限次元空間へ拡張したもの。
積分方程式や偏微分方程式の解の存在証明などに広く応用される。
- クレイン=ミルマンの定理
局所凸空間内のコンパクト凸集合は、その端点の凸包の閉包に一致するという定理。
凸集合の構造は、その「角」にあたる端点によって完全に決定されることを示す。
関数解析学において、最適化問題や表現論の基礎として重要な役割を果たす。
- クロネッカーの定理
数論において、実数の整数倍を法1で考えた時の値が、範囲内で稠密に分布するという定理。
ディオファントス近似の一種であり、無理数の性質を深く記述する。
レオポルト・クロネッカーによって19世紀後半に示された。
- クロネッカー・ウェーバーの定理
有理数体上の任意の有限次アーベル拡大は、ある円分体の部分体であるという定理。
代数的数論の金字塔であり、類体論の先駆けとなった重要な成果。
クロネッカーが着想し、ウェーバーとヒルベルトによって完全に証明された。
- クローン–ローズの定理
任意の有限オートマトンが、単純群とリセットオートマトンの組み合わせで分解できるという定理。
代数的オートマトン理論における中心的な成果であり、構造の複雑さを分類する。
群論の知見を計算モデルの解析に応用した画期的な理論である。
- クンマーの定理
二項係数が素数pで何回割り切れるかは、p進法での加算の繰り上がり回数に等しいという定理。
数論における組み合わせ的性質とp進的な性質を結びつける興味深い結果。
エルンスト・クンマーによって1852年に発表された。
- クープマンズの定理
量子化学において、分子の第一イオン化エネルギーが最高被占軌道のエネルギーの負値に等しいとする定理。
ハートリー=フォック法における近似的な関係式として広く利用される。
電子の緩和効果を無視しているため誤差はあるが、定性的な議論には非常に有用である。
- グッドスタインの定理
特定の規則で増大するグッドスタイン数列は、必ず有限回で0に到達するという定理。
ペアノ算術の枠組み内では証明できないことが示されている、数学的に特異な命題。
巨大な数へと膨れ上がる数列が最終的に収束するという、直感に反する結論を持つ。
- グラフ・マイナー定理
グラフのマイナー関係による順序において、無限の反鎖が存在しないという定理。
任意のグラフの無限集合には、一方が他方のマイナーとなるペアが必ず含まれる。
ロバートソンとシーモアによる膨大な証明により、グラフ理論の最高峰の一つとされる。
- グリフィスの定理
統計力学のイジング模型において、スピン間の相関関数に関する不等式を与える定理。
強磁性的な相互作用がある系で、相関が特定の条件下で単調に増加することを示す。
相転移の存在や臨界現象の解析において重要な数学的基礎となっている。
- グリーンの定理
平面上の閉曲線に沿った線積分を、その内部の二重積分に関連付けるベクトル解析の定理。
ガウスの散度定理の二次元版であり、物理学や工学の計算で多用される。
ジョージ・グリーンによって導かれ、電磁気学や流体力学の基礎を支えている。
- グリーン・タオの定理
素数の集合の中には、任意の長さの等差数列が無限に存在するという数論の定理。
ベン・グリーンとテレンス・タオによって2004年に証明された画期的な成果。
素数の分布に潜む構造を明らかにし、組合せ論的数論の発展に大きく寄与した。
- グレイシャーの定理
整数nの分割において、dで割り切れない数への分割数は、各数がd回未満現れる分割数に等しい。
オイラーの分割定理(奇数への分割と異なる数への分割)を一般化したもの。
組合せ論や数論におけるパーティション理論の重要な定理の一つ。
- ケイシーの定理
トレミーの定理を一般化したもので、4つの円が1つの大きな円に接する時の関係を示す定理。
各円の共通接線の長さの間に、特定の代数的な等式が成立することを述べている。
幾何学における円の配置に関する美しく高度な定理として知られる。
- ケイリーの定理
任意の群は、ある集合上の置換群と同型であるという群論の定理。
抽象的な群の構造が、具体的な置換の集まりとして表現できることを保証する。
アーサー・ケイリーによって示され、群論の初期の発展において重要な役割を果たした。
- ケイリー・ハミルトンの定理
正方行列は、それ自身の特性多項式を零行列にするという線形代数の定理。
行列の累乗を低次の和で表すことを可能にし、行列の計算を大幅に簡略化する。
線形代数学において最も有名かつ実用的な定理の一つである。
- ケイリー=バッハラッハの定理
2つの3次曲線が9点で交わる時、そのうち8点を通る別の3次曲線は必ず9点目も通るという定理。
代数幾何学における曲線の交わりに関する深い性質を記述している。
パスカルの定理などの射影幾何学の古典的な結果を一般化したものと言える。
- ケルビンの渦定理
非粘性の理想流体において、閉曲線に沿った循環は時間が経過しても変化しないという定理。
流体中の渦の強さが保存されることを示し、流体運動の解析に不可欠な知見である。
ケルビン卿(ウィリアム・トムソン)によって定式化された。
- ケルビン・ストークスの定理
ベクトル場の回転の曲面積分を、その境界に沿った線積分に関連付ける定理。
三次元空間における微積分学の基本定理の拡張であり、電磁気学等で多用される。
一般に「ストークスの定理」として知られ、マクスウェル方程式の記述にも用いられる。
- ケーニヒの定理
二部グラフにおいて、最大マッチングのサイズは最小頂点被覆のサイズに等しいという定理。
組合せ最適化における「最大流最小カット」の概念とも深く関連している。
デネス・ケーニヒによって1931年に証明された。
- ゲルシュゴリンの定理
行列の固有値が、複素平面上の特定の円盤(ゲルシュゴリン円)の和集合内に存在するという定理。
行列の成分から直接、固有値のおおよその範囲を推定できる非常に実用的な手法。
数値解析において、固有値計算の収束性や安定性の評価に用いられる。
- ゲルファント=ナイマルクの定理
任意のC*環が、あるヒルベルト空間上の有界線形作用素の環と同型であるという定理。
抽象的な代数構造を、具体的な作用素の集まりとして実現できることを示す。
量子力学の数学的基礎や、非可換幾何学の発展において極めて重要な役割を果たす。
- ゲルファント=マズールの定理
複素数体上のバナッハ代数が体であるならば、それは複素数体と同型であるという定理。
関数解析学において、バナッハ代数のスペクトル理論の基礎を支える重要な結果。
イスラエル・ゲルファントとスタニスワフ・マズールによって独立に示された。
- ゲルフォント=シュナイダーの定理
代数的数a(0,1以外)と代数的無理数bに対し、aのb乗は超越数であるという定理。
ヒルベルトの第7問題を肯定的に解決し、超越数論の大きな進展をもたらした。
例えば、2の√2乗が超越数であることをこの定理によって証明できる。
- ゲルマン=ロウの定理
量子場理論において、相互作用のない系の基底状態が相互作用のある系の基底状態へ繋がる条件を示す定理。
断熱的に相互作用を導入することで、摂動論的な計算が可能になる数学的根拠を与える。
マレー・ゲルマンとフランシス・ロウによって1951年に発表された。
- ゲーデルの不完全性定理
算術を含む公理系において、真であるが証明も反証もできない命題が存在するという定理。
また、系が矛盾していない限り、自身の無矛盾性を系の中で証明できないことも示す。
クルト・ゲーデルが発表し、数学の完全性を信じていた当時の数学界に衝撃を与えた。
- ゲーデルの加速定理
より強力な公理系を用いることで、ある定理の証明の長さを劇的に短縮できるという定理。
下位の系では膨大な長さが必要な証明も、上位の系では非常に簡潔に記述できる場合がある。
計算の複雑さと論理系の強さの関係を示す、メタ数学的な重要な知見である。
- ゲーデルの完全性定理
一階述語論理において、妥当な(常に真となる)論理式は必ず証明可能であるという定理。
論理的な「真理」と形式的な「証明可能性」が一致することを保証する。
不完全性定理とは対照的に、一階述語論理の枠組みが十分強力であることを示している。
- コクランの定理
正規分布に従う変数の二乗和が、特定の条件下で独立なカイ二乗分布に分解できるという定理。
分散分析(ANOVA)の数学的根拠となっており、統計学において極めて重要である。
ウィリアム・ゲメル・コクランによって1934年に示された。
- コスニタの定理
三角形の各頂点と外心を結ぶ線分に関する、特定の3直線が一点で交わるという幾何学の定理。
その交点は「コスニタ点」と呼ばれ、三角形の五心以外の重要な中心点の一つである。
ルーマニアの数学者チェザル・コスニタにちなんで名付けられた。
- コマンディーノの定理
四面体の4つの頂点と対面の重心を結ぶ直線(中線)は、一点で交わるという幾何学の定理。
その交点は四面体の重心であり、各中線を3対1の比に内分する。
三角形の中線の性質を三次元に拡張したもので、フェデリコ・コマンディーノが証明した。
- コルモゴロフの三級数定理
独立な確率変数の和が収束するための必要十分条件を、3つの級数の収束性で与える定理。
期待値や分散を用いた具体的な判定基準を示し、大数の法則の証明などに用いられる。
確率変数の無限和の挙動を厳密に制御するための強力な道具である。
- コルモゴロフの二級数定理
独立な確率変数の級数が収束するための必要十分条件を与える定理。
各項の期待値の和と分散の和が共に収束する場合に、級数は確率1で収束する。
強大数の法則の証明などに利用される重要な基礎理論である。
- コルモゴロフの拡張定理
有限次元分布の族から、無限次元の確率過程を構成できることを保証する定理。
一貫性の条件を満たす分布族があれば、それに対応する確率空間と確率過程が存在する。
ブラウン運動などの連続時間確率過程の数学的基盤となっている。
- コンパクト性定理
述語論理において、文の集合がモデルを持つための必要十分条件を述べる定理。
集合の任意の有限部分集合がモデルを持つならば、集合全体もモデルを持つ。
超実数の構成や、無限構造の性質を調べるモデル理論の根幹をなす。
- コーシー–アダマールの定理
べき級数の収束半径を、係数の列から具体的に算出するための公式。
上極限を用いて定義され、複素解析における関数の正則性を判断する基礎となる。
関数の近似や微積分を行う際の有効範囲を決定するために不可欠な定理である。
- コーシーの定理
群論において、群の位数が素数pで割り切れるとき、位数pの要素が存在することを示す定理。
ラグランジュの定理の逆の一部を保証するもので、有限群の構造解析の出発点となる。
シローの定理へと一般化される、代数学における基本的かつ重要な結果である。
- コーシーの平均値定理
2つの関数の変化率の比が、ある点における微分係数の比に等しいことを示す定理。
ラグランジュの平均値定理を一般化したもので、ロピタルの定理の証明に用いられる。
解析学において関数の挙動を比較する際の強力な道具となる。
- コーシーの積分定理
正則関数を閉曲線上で積分すると、その値が常に零になるという複素解析の定理。
単連結領域内での積分の値が経路に依存しないことを保証する。
留数定理の基礎となり、実関数の定積分を計算する際にも広く応用される。
- コーシー=コワレフスカヤの定理
初期値問題において、解析的な解が局所的に一意に存在することを保証する偏微分方程式の定理。
線形・非線形を問わず、係数や初期データがべき級数展開可能であれば適用できる。
偏微分方程式論における最も基本的かつ古典的な存在定理の一つである。
- ゴールドバッハ・オイラーの定理
累乗数から1を引いた値の逆数の総和が1になるという、数論における美しい定理。
4, 8, 9, 16などの累乗数(平方数や立方数)を対象とし、重複を避けて計算される。
18世紀に証明され、無限級数の性質を示す興味深い例として知られている。
- サヴィッチの定理
計算複雑性理論において、決定性空間と非決定性空間の関係を示す定理。
非決定性チューリングマシンで解ける問題は、その2乗の空間があれば決定性マシンでも解ける。
空間計算量に関しては決定性と非決定性の差が限定的であることを示す重要な結果である。
- サードの定理
滑らかな写像において、臨界値の集合が測度0であることを示す微分トポロジーの定理。
ほとんど全ての値が正則値であることを保証し、多様体の交差理論などの基礎となる。
写像の性質を一般的に論じる際の強力な道具として、解析学や幾何学で広く用いられる。
- サーモンの定理
円錐曲線(楕円など)に関する幾何学的な性質を述べた定理。
特定の条件下で引かれた接線や割線の交点が、一定の直線上にあることを示す。
射影幾何学の枠組みで理解され、古典的な図形問題の解決や理論構成に寄与している。
- ザイフェルト–ファン・カンペンの定理
空間を2つの部分に分けたとき、全体の基本群を部分の基本群から計算する代数トポロジーの定理。
複雑な図形の構造を、より単純な要素の組み合わせとして解析することを可能にする。
ホモトピー論において、空間の穴の性質を調べるための最も基本的な道具の一つである。
- シムソンの定理
三角形の外接円上の点から各辺に下ろした垂線の足が、一直線上に並ぶという幾何学の定理である。
この一直線はシムソン線と呼ばれ、点の位置によって傾きが変化する性質を持つ。
初等幾何学における美しい性質の一つとして知られ、数学教育や問題演習で頻繁に扱われる。
- シャウダーの不動点定理
コンパクト凸集合から自身への連続写像が、少なくとも一つの不動点を持つという数学の定理である。
ブラウワーの不動点定理を無限次元のバナッハ空間へ拡張したものであり、関数解析学の重要課題。
非線形微分方程式の解の存在を証明する際などに、強力な道具として利用される。
- シャノンの定理
通信路の容量を超えない速度であれば、誤り率を任意に小さくして情報を伝送できるという定理である。
情報理論の基礎を築いたクロード・シャノンによって提唱され、通信の限界を数学的に示した。
現代のデジタル通信や符号化技術の設計において、到達すべき究極の目標となっている。
- シャノンの情報源符号化定理
情報源から出力されるデータを、エントロピーに近いビット数まで圧縮可能であることを示す定理である。
データの冗長性を排除する限界を規定しており、可逆圧縮アルゴリズムの理論的根拠となっている。
ハフマン符号などの具体的な圧縮手法が、この定理の限界に近づくために開発された。
- シャノンの通信路符号化定理
ノイズのある通信路において、通信路容量以下の伝送レートなら信頼性の高い通信が可能という定理である。
適切な誤り訂正符号を用いることで、誤り率を限りなくゼロに近づけられることを証明した。
携帯電話や衛星通信など、現代のあらゆるデジタル通信システムの設計指針となっている。
- シャノン=ハートレーの定理
通信路の帯域幅と信号対雑音比から、伝送可能な情報の最大レートを算出する公式である。
通信路容量は帯域幅に比例し、信号の強さとノイズの比の対数関数として表される。
物理的な通信路が持つ限界を定量的に示すものであり、ネットワークの性能評価に用いられる。
- シャルコフスキーの定理
離散力学系において、ある周期の周期点が存在すれば、特定の順序に従う他の周期点も存在するという定理である。
シャルコフスキー順序と呼ばれる特殊な並びに基づき、周期3の存在が全周期の存在を導くことが示される。
カオス理論における「周期3はカオスを導く」という有名な結果の一般化である。
- シュタイナー・レームスの定理
三角形の2つの角の二等分線の長さが等しいとき、その三角形は二等辺三角形であるという幾何学の定理である。
結論は単純だが、初等幾何学的な証明は意外に難解であることで知られている。
19世紀にレームスが提起し、シュタイナーが証明したことからこの名がついた。
- シュトルツ=チェザロの定理
数列の極限を求める際に、隣接する項の差の比の極限から元の数列の比の極限を導く定理である。
ロピタルの定理の数列版とみなすことができ、不定形の極限計算を簡略化するのに役立つ。
解析学における基本的な道具の一つであり、平均値の収束などを証明する際に用いられる。
- シュバレーの定理
代数幾何学において、構成可能集合の像が再び構成可能集合になることを述べる定理である。
多項式方程式の解の集合を射影したとき、それが再び多項式の条件で記述できることを保証する。
代数閉体上の幾何学において、写像の性質を理解するための基礎的な役割を果たす。
- シュミットの定理
整数論において、複数の代数的数に対する同時有理数近似の限界を規定する定理である。
「部分空間定理」として知られ、ディオファントス近似論における中心的な成果の一つとされる。
多くの整数方程式が有限個の解しか持たないことを証明する際などに、強力な威力を発揮する。
- シューアの分割定理
自然数の分割において、特定の条件を満たす分割の個数が一致するという組合せ論の定理である。
各項の差が3以上かつ連続する3の倍数を含まない分割の数は、特定の剰余類による分割数と等しい。
ロジャーズ・ラマヌジャン恒等式の一般化に関連し、加法的整数論の分野で研究されている。
- シューア・ツァッセンハウスの定理
有限群の正規部分群の位数が指数と互いに素な場合、その群が半直積として分解できることを示す定理である。
補群の存在と共役性を保証するものであり、有限群の構造を解明する上で極めて重要である。
可解群の理論や群の拡大問題において、基本的な道具として頻繁に引用される。
- シルヴェスター–ガライの定理
平面上の有限個の点がすべて一直線上にないとき、ちょうど2点だけを通る直線が必ず存在するという定理である。
19世紀にシルヴェスターが予想し、後にガライによって証明された離散幾何学の古典的結果である。
直感的に正しそうに見えるが、証明には射影幾何学的な視点や巧妙な議論を要する。
- シルヴェスターの定理
互いに素な2つの整数を用いて表せない最大の整数を求める公式に関する、整数論の定理である。
aとbを用いてax+byで表せない最大の数はab-a-bであるという「硬貨問題」の解として知られる。
組合せ論や数え上げの問題において、基本的な性質として広く利用されている。
- シローの定理
有限群の位数がある素数のべきで割り切れるとき、その位数の部分群が存在することを保証する定理である。
部分群の個数やそれらが互いに共役であることについても規定しており、群の構造決定に不可欠である。
有限群論における最も基本的かつ強力な道具の一つであり、群の分類において中心的な役割を果たす。
- シンクホーンの定理
正の要素を持つ正方行列は、対角行列を左右から掛けることで二重確率行列に変換できるという定理である。
変換後の行列は行の和と列の和がすべて1になり、この変換は一意に定まる。
輸送最適化問題や機械学習における多次元拡張など、幅広い分野で応用されている。
- シンツェルの定理
平面上の任意の個数の点に対して、それらすべてを通る円が存在することを示す幾何学の定理である。
ただし、この円は格子点(座標が整数の点)をちょうど指定された数だけ通るように構成できる。
数論的性質と幾何学的配置を組み合わせた興味深い結果であり、格子点問題の研究に関連する。
- ジグモンディの定理
数列 a^n - b^n の形をした数において、ほとんどのnで新しい素因数が現れるという整数論の定理である。
指数関数的に増大する数列の素因数の性質を鋭く指摘しており、例外は非常に限られている。
群論における原始的素因数の存在証明や、数論的力学系の研究において重要な役割を果たす。
- ジョルダン曲線定理
平面上の自己交差を持たない閉曲線は、平面を内部と外部に分けるという定理。
直感的には当然に見えるが、数学的に厳密な証明は非常に困難とされる。
位相幾何学における基礎的な定理の一つとして知られている。
- ジーゲル・ウォルフィッツの定理
算術級数における素数の分布に関する解析的整数論の定理。
特定の条件下で素数分布の誤差項を評価する際に重要な役割を果たす。
リーマン予想が未解決であるため、数論の証明において頻繁に引用される。
- ジーンズの定理
定常的な無衝突系において、分布関数は運動の恒量のみの関数であるという定理。
銀河の力学構造を解析する際に、星の分布を記述する基礎として用いられる。
天体物理学における統計力学的なアプローチの根幹をなす。
- スコロホッドの表現定理
弱収束する確率変数の列を、ほとんど確実に収束する列に置き換えられるという定理。
確率空間を適切に構成することで、収束の概念を扱いやすくする。
確率論の極限定理を証明する際の強力な道具として利用される。
- スチュワートの定理
三角形の頂点から対辺に引いた線分と、各辺の長さの関係を示す幾何学の定理。
中線定理を一般化したものであり、線分の長さを計算する際に用いられる。
18世紀の数学者マシュー・スチュワートによって発表された。
- スツルムの定理
実係数多項式が指定された区間内に持つ実根の個数を求めるための定理。
多項式とその導関数から生成される「スツルム列」の符号変化を利用する。
代数方程式の解の存在範囲を特定する計算機代数の基礎手法である。
- スツルム=ピコーンの比較定理
2つの2階線形常微分方程式の解の振動性を比較するための数学的定理。
一方の方程式の解が零点を持つとき、もう一方の解の挙動を制約する。
微分方程式論において、解の定性的な性質を調べる重要な道具である。
- ストルパー=サミュエルソンの定理
財の価格が上昇すると、その生産に集約的に使われる生産要素の価格が上がる定理。
国際貿易が所得分配に与える影響を説明する理論の一部。
熟練労働と非熟練労働の格差拡大を論じる際などに引用される。
- ストークスの定理
ベクトル場の回転の積分を、その境界における線積分に関連付ける微積分学の定理。
3次元空間における線積分と面積分の関係を一般化したものである。
電磁気学のマクスウェル方程式を記述する際など、物理学で極めて重要となる。
- ストーンの定理
ヒルベルト空間上の強連続な1パラメータ単位元群と自己共役作用素を対応させる定理。
量子力学における時間発展演算子とハミルトニアンの関係を数学的に正当化する。
ユニタリ表現論や関数解析学における基礎的な成果の一つである。
- ストーンの表現定理
任意のブール代数は、ある位相空間の開かつ閉集合のなす代数と同型であるという定理。
代数的な構造であるブール代数を、幾何学的な位相空間として表現できる。
数理論理学や集合論において、ブール代数の性質を調べるための強力な道具となる。
- ストーン=ワイエルシュトラスの定理
連続関数を多項式などの特定の関数族で一様に近似できることを示す定理。
ワイエルシュトラスの近似定理を一般化したもので、関数空間の稠密性を論じる。
解析学において、複雑な関数を扱いやすい関数で代用する際の根拠となる。
- スピン統計定理
粒子のスピンの値によって、その粒子が従う統計性が決まるという量子力学の定理。
整数スピンの粒子はボース統計に、半整数スピンの粒子はフェルミ統計に従う。
パウリの排他原理の根拠であり、物質の安定性や超流動などを説明する。
- スプレイグ・グランディの定理
二人零和有限確定完全情報ゲームにおいて、各状態が「ニム数」で評価できるという定理。
複数の独立したゲームの和を、単一のニムの山として計算することが可能になる。
組合せゲーム理論における必勝戦略の解析に不可欠な道具である。
- スペクトル定理
線形作用素を固有値に対応する射影作用素の和や積分として分解できるという定理。
行列の対角化を無限次元のヒルベルト空間上の作用素へ一般化したものである。
量子力学における観測可能量の記述や、関数解析学の根幹をなす理論である。
- セール・スワンの定理
有限生成の射影加群が、あるコンパクト空間上のベクトル束の切断の空間と対応する定理。
代数的な概念と幾何学的な構造を結びつける、K理論の基礎となる成果である。
非可換幾何学などの現代数学において重要な役割を果たしている。
- ゼッケンドルフの定理
任意の正の整数は、隣り合わないフィボナッチ数の和として一意に表せるという定理。
フィボナッチ数を用いた特殊な進数表現(フィボナッチ進数)の根拠となる。
数論における興味深い性質として知られ、パズルや符号化理論に応用される。
- タウバーの定理
級数の和の収束性に関して、アーベルの定理の逆が特定の条件下で成り立つことを示す定理。
発散級数の和を定義する手法において、通常の収束性を保証するために用いられる。
解析学における漸近解析や数論の証明において重要な役割を果たす。
- タットの定理
グラフが完全マッチングを持つための必要十分条件を与えるグラフ理論の定理。
任意の頂点集合を取り除いた際の、奇数個の頂点を持つ連結成分の数を評価する。
マッチング理論の基礎であり、ネットワークの構造解析などに広く応用される。
- タルスキの定理
1次論理の言語において、その言語の真理述語をその言語自身で定義することはできないという定理。
ゲーデルの不完全性定理と密接に関連し、真理の概念に内在する限界を示している。
数理論理学や言語哲学における極めて重要な成果の一つである。
- タルスキの定義不可能性定理
形式体系における「真である」という概念は、その体系内では定義できないことを示す定理。
自己言及によるパラドックスを回避するための論理的な制約を明らかにしている。
計算理論や哲学において、言語の表現能力の限界を論じる際の基礎となる。
- タレスの定理
円の直径を斜辺とする、円周上の点からなる三角形は常に直角三角形であるという定理。
古代ギリシャの数学者タレスにちなみ、幾何学の最も古い定理の一つとされる。
図形の性質を証明する際の基礎として、初等教育から広く用いられている。
- ダオの六角形の周上の六円定理
六角形の各辺の外側に描かれた特定の円が、共通の円に接するという幾何学の定理。
ベトナムの数学者ダオ・タイン・オによって2014年に発見された比較的新しい定理である。
コンピュータを用いた幾何学の探求から生まれた興味深い成果として知られる。
- チェバの定理
三角形の各頂点から対辺に引いた3本の線分が1点で交わるための条件を示す定理。
各辺を分割する線分の比の積が1になるという、幾何学の基本的な性質である。
メネラウスの定理と並び、図形の問題を比の計算で解く際に多用される。
- チェビシェフの定理
任意のデータ分布において、平均から一定の標準偏差以上離れた値の割合を制限する定理。
分布の形状に関わらず、少なくとも一定割合のデータが平均の近くにあることを保証する。
統計学において、確率変数のばらつきを評価する際の基礎的な道具である。
- チェボタレフの密度定理
代数体の拡大において、特定のフロベニウス写像を持つ素イデアルの割合を示す定理。
算術級数における素数定理を一般化したもので、数論における極めて強力な道具である。
素数の分布やガロア群の構造を解明するために広く用いられる。
- チコノフの定理
任意の個数のコンパクト空間の直積空間は、再びコンパクトであるという位相幾何学の定理。
無限個の積を扱う際にも成立し、選択公理と等価であることが知られている。
解析学や関数空間の性質を調べる上で、最も基本的かつ重要な定理の一つである。
- チャーチ・ロッサーの定理
ラムダ計算において、項の書き換え順序によらず最終的な結果が一意に定まることを示す定理。
計算の合流性(コンフルエンス)を保証し、計算体系の整合性を証明する。
関数型プログラミング言語の理論的基礎を支える重要な定理である。
- テイラーの定理
関数を特定の点における微分係数を用いた多項式で近似できることを示す定理。
複雑な関数を扱いやすい多項式(テイラー展開)に変換し、誤差を評価できる。
物理学の近似計算や数値解析など、科学技術のあらゆる分野で基礎として使われる。
- テニスラケットの定理
剛体の回転運動において、中間慣性モーメントの軸まわりの回転が不安定になる現象。
回転中に物体がひっくり返るような挙動を示し、ジャニベコフ効果とも呼ばれる。
テニスラケットを放り投げた際の複雑な動きを説明する力学の定理である。
- テブナンの定理
複数の電源と抵抗を含む複雑な回路を、一つの電圧源と一つの抵抗に簡略化する手法。
任意の二端子間から見た回路網を、等価な電圧源と内部抵抗の直列接続で表す。
電気回路の解析を容易にするために、電子工学の分野で広く利用されている。
- テボーの定理
フランスの数学者ビクトル・テボーが提唱した、平面幾何学に関する3つの問題。
特に三角形の辺上の正方形や、内接円・外接円に関連する性質を述べている。
長年未解決であった難問も含まれており、幾何学ファンに知られる。
- テルケムの定理
三角形の九点円が、内接円および3つの傍接円と接するという幾何学の定理。
フォイエルバッハの定理の別名、あるいは関連する性質として言及される。
三角形の五心や円の配置に関する美しい調和を示す性質の一つである。
- テレゲンの定理
電気回路において、各枝の電圧と電流の積の総和が常にゼロになるという定理。
エネルギー保存則に基づき、回路素子の特性に関わらず成立する強力な法則。
回路網理論の基礎であり、電力の収支計算や感度解析に応用される。
- ディニの定理
コンパクト空間上の連続関数列が単調に収束する場合、一様収束することを述べる定理。
各点収束から一様収束を導くための、解析学における重要な十分条件の一つ。
関数の連続性と空間のコンパクト性が、収束の質を保証する例として知られる。
- ディラックの定理
グラフ理論において、ハミルトン閉路が存在するための十分条件を与える定理。
頂点数nが3以上のグラフで、各頂点の次数がn/2以上なら閉路が存在する。
ネットワークの巡回経路の存在を判定する際の基本的な指標となる。
- ディリクレのディオファントス近似定理
任意の無理数を、分母がある値以下の有理数でどの程度精度よく近似できるかを示す定理。
鳩の巣原理を用いて証明され、無理数の近似の限界を規定する数論の基礎。
連分数展開の理論や、超越数論の発展において重要な役割を果たした。
- ディリクレの単数定理
代数体の整数環における単数群の構造を、有限生成アーベル群として記述する定理。
単数群の階数が、代数体の実埋め込みと複素埋め込みの数によって決まることを示す。
代数的数論において、体の性質を理解するための極めて重要な道具である。
- ディリクレの定理
初項と公差が互いに素である等差数列の中に、素数が無限に存在することを示す定理。
解析的数論の先駆けとなり、L関数を用いた証明手法が確立された。
素数の分布に関する理解を深める、数論における金字塔的な成果である。
- ディリクレ定理
フーリエ級数が元の関数に収束するための十分条件を定めた解析学の定理。
関数が周期を持ち、区分的に滑らかであれば級数は各点で収束することを保証する。
信号処理や物理現象の波動解析において、級数展開の妥当性を支える。
- デカルトの円定理
互いに接する4つの円の半径の間に成り立つ、代数的な関係を記述した定理。
各円の曲率(半径の逆数)の和の二乗と、曲率の二乗の和の間に一定の関係がある。
アポロニウスの円の問題に関連し、フラクタル図形の構成などにも応用される。
- デカルトの定理
多面体の頂点における欠損角の総和が、常に720度(4πラジアン)になるという定理。
オイラーの多面体定理の幾何学的側面を表しており、曲率の概念の先駆けとなった。
多面体の形状に関わらず、位相的な性質によって値が決定される点が特徴。
- デザルグの定理
2つの三角形が点対称の位置にあるとき、対応する辺の交点は一直線上に並ぶという定理。
射影幾何学の基礎となる定理であり、点と線の双対性を象徴している。
図形をより高次元の視点から捉えることで、直感的に理解することが可能になる。
- デュドネの定理
2つの閉凸集合の和集合がいつ閉集合になるかという、関数解析学の条件を与える定理。
一方がコンパクトであれば和は閉となるが、一般には成立しない場合の判定基準を示す。
最適化問題や凸解析において、解の存在を保証するための重要な道具。
- デ・フィネッティの定理
交換可能な確率変数の無限列は、独立同分布な変数列の混合として表現できるという定理。
ベイズ統計学において、事前分布の存在を正当化する理論的根拠となっている。
主観的確率の立場から統計的推論を再構築する上で極めて重要な役割を果たす。
- トゥエ・ジーゲル・ロスの定理
代数的数に対する有理数近似の精度に限界があることを示した、数論の重要な定理。
任意の代数的無理数に対し、近似の次数は2より大きくできないことを証明した。
この功績によりロスはフィールズ賞を受賞し、ディオファントス近似論を完成させた。
- トムセンの定理
三角形の各辺に平行な線を引き続けてできる六角形が、必ず閉じるという幾何学の性質。
任意の三角形において、ある点から出発して特定の規則で線を引くと元の点に戻る。
初等幾何学における、単純ながらも意外性のある美しい結果の一つ。
- トリリウムの定理
三角形の内心と傍心が、特定の円(外接円の弧の中点を中心とする円)の上にある性質。
「内心・傍心定理」とも呼ばれ、三角形の五心の配置に関する重要な定理。
図形がユリ(トリリウム)の花のように見えることからこの名がある。
- トレミーの定理
円に内接する四角形において、対角線の積が対辺の積の和に等しいという幾何学の定理。
古代ギリシャの天文学者プトレマイオスによって示され、三角関数の加法定理の基礎となった。
平面幾何学における非常に有名かつ強力な公式の一つである。
- ドナルドソンの定理
4次元滑らかな多様体の交差形式に関する制約を述べた、幾何学的トポロジーの定理。
ヤン=ミルズ理論という物理学の手法を数学に応用し、4次元の特異性を明らかにした。
この成果によりドナルドソンはフィールズ賞を受賞し、現代幾何学を一変させた。
- ドロー=ファルニー線定理
三角形の垂心を通る直交する2直線が、外接円と交わる点に関する幾何学の定理。
これら2直線が各辺と交わる点の中点は、常に一直線上に並ぶことを示している。
19世紀末に発見された、三角形の性質に関する比較的新しい定理の一つ。
- ド・グアの定理
直角四面体において、3つの直角三角形の面積の二乗の和が、斜面の面積の二乗に等しい性質。
ピタゴラスの定理を3次元に拡張した形になっており、非常に美しい対応を示す。
18世紀の数学者ジャン・ポール・ド・グアによって発表された。
- ド・ブランジュの定理
単葉関数の係数に関する「ビーベルバッハ予想」を解決した、複素解析の定理。
1984年にルイ・ド・ブランジュによって証明され、長年の難問に終止符を打った。
特殊関数の理論を駆使した膨大な証明は、当時の数学界に大きな衝撃を与えた。
- ド・モアブルの定理
複素数のn乗を三角関数を用いて表す数学の公式。
複素数の絶対値のn乗と偏角のn倍によって計算できることを示す。
オイラーの公式から導かれ、複素平面上の計算に多用される。
- ナジーの伸張定理
ヒルベルト空間上の縮小写像が、より大きな空間上のユニタリ演算子の一部として表せる定理。
非自己共役な演算子の性質を、ユニタリ演算子の理論を用いて解析することを可能にする。
演算子論や制御理論において、システムの安定性を論じるための基礎となる。
- ナッシュの埋め込み定理
任意のリーマン多様体が、高次元のユークリッド空間に等長的に埋め込めることを示す定理。
ジョン・ナッシュによって証明され、多様体の幾何学的実在性を保証する成果となった。
数学的に極めて困難な非線形偏微分方程式の解法を用いて導かれた。
- ナッシュの定理
有限個の戦略を持つ非協力ゲームには、必ず少なくとも一つの均衡点が存在するという定理。
「ナッシュ均衡」の概念を確立し、現代経済学や社会科学の基礎を築いた。
ジョン・ナッシュはこの功績により、後にノーベル経済学賞を受賞した。
- ナポレオンの定理
任意の三角形の各辺を1辺とする正三角形を外側に描くと、その中心同士も正三角形をなす性質。
ナポレオン・ボナパルトが発見したという伝説があるが、真偽は定かではない。
幾何学における美しい対称性を示す例として、広く親しまれている。
- ニコマコスの定理
最初のn個の整数の三乗の和が、最初のn個の整数の和の二乗に等しいという定理。
具体的には 1^3 + 2^3 + ... + n^3 = (1 + 2 + ... + n)^2 が成り立つ。
古代ギリシャの数学者ニコマコスにちなんで名付けられた数論の性質。
- ニュートンの定理
円に外接する四角形において、対辺の中点を結ぶ線分と対角線の中点が一直線上にある性質。
「ニュートン線」と呼ばれるこの直線は、図形の幾何学的な均衡を示している。
アイザック・ニュートンが幾何学においても優れた業績を残したことを示す例。
- ニュートン=カントロビッチの定理
バナッハ空間におけるニュートン法の収束性を保証するための十分条件を与える定理。
初期値が解に十分に近く、微分の性質が良い場合に反復計算が収束することを示す。
非線形方程式の数値解法における、理論的な信頼性の根拠となっている。
- ニーベンの定理
xが有理数で sin(xπ) も有理数となるのは、値が 0, ±1/2, ±1 に限られるという定理。
三角関数の値が有理数になるケースが極めて限定的であることを示している。
初等的な外見に反して、代数的数論の知識を用いて証明される。
- ニールセンの不動点定理
コンパクトな図形上の連続写像が持つ不動点の個数の下限を、位相幾何学的に与える定理。
ブラウワーの不動点定理を拡張し、写像のホモトピー型から不動点の存在を論じる。
ニールセン数という指標を用い、力学系の周期軌道の解析などに活用される。
- ネルンストの定理
絶対零度に近づくにつれ、純物質の完全結晶のエントロピーはゼロになるという定理。
熱力学第三法則の基礎となり、絶対零度の不可能性を理論的に示唆している。
極低温物理学や化学平衡の計算において、基準点を与える重要な法則。
- ネーターの定理
物理系に連続的な対称性がある場合、それに対応する保存則が存在することを示す定理。
例えば、時間並進対称性からはエネルギー保存則、空間並進からは運動量保存則が導かれる。
現代物理学のあらゆる理論において、最も基本的かつ深遠な指針となっている。
- ノイキルヒ・内田の定理
代数体の絶対ガロア群の構造が分かれば、元の代数体そのものが決定されるという定理。
遠アーベル幾何学の先駆けとなった、数論における驚異的な復元定理である。
ノイキルヒと内田興二によって独立に証明され、ガロア理論の深さを示した。
- ノルム剰余同型定理
ミルナーK理論とガロアコホモロジーの間の同型関係を述べた、現代数学の難定理。
かつては「ブロック・加藤予想」と呼ばれ、20年以上の歳月をかけて証明された。
数論的代数幾何学における金字塔であり、多くの重要な予想の解決に繋がった。
- ノートンの定理
複雑な回路を、一つの電流源と一つの抵抗の並列接続に置き換えて簡略化する手法。
テブナンの定理の双対であり、電流に注目した解析を行う際に非常に便利である。
回路設計において、負荷に流れる電流を効率よく計算するために用いられる。
- ノーフリーランチ定理
あらゆる問題に対して、常に他の手法より優れた万能な最適化アルゴリズムは存在しない。
特定の問題で高い性能を出す手法は、別の問題では必ず平均以下の性能になる。
機械学習において、モデルの選択が対象データに依存することを理論的に示した。
- ハイネ・カントールの定理
コンパクト集合上で定義された連続関数は、その集合上で一様連続であるという定理。
単なる連続性よりも強い性質を保証し、積分可能性の証明などに不可欠である。
解析学の基礎を支える、実数論と位相空間論の重要な接点の一つ。
- ハイネ・ボレルの被覆定理
ユークリッド空間の集合がコンパクトであることと、有界閉集合であることは同値である。
任意の開被覆から有限の部分被覆を取り出せるという性質を、実数の性質で特徴づける。
位相空間論におけるコンパクト性の概念を理解する上で、最も基本的な定理。
- ハッセ・ミンコフスキーの定理
2次形式が有理数体上で解を持つための必要十分条件を与える定理。
全てのp進数体と実数体上で解を持てば、有理数体でも解を持つ。
局所大域原理(ハッセの原理)の代表的な成功例である。
- ハドヴィガーの定理
ユークリッド空間の凸体に関する測度の性質を規定する定理。
回転不変かつ加法的な連続汎関数は、基本固有体積の結合で表せる。
積分幾何学の基礎となる重要な結果として知られる。
- ハムサンドイッチの定理
n次元空間のn個の対象を、一つの超平面で同時に二等分できる定理。
パンとハムを一度の包丁操作で等分できるという例えに由来する。
トポロジーのボルサック・ウラムの定理を用いて証明される。
- ハリシュ-チャンドラの定理
半単純リー環の普遍包絡環の中心の構造を記述する代数学の定理。
中心がワイル群不変な多項式環と同型であることを示す。
リー群の表現論において無限小指標を分類する基礎となる。
- ハルトークスの定理
多変数複素関数が各変数について正則なら、全体でも正則である定理。
一変数関数では成り立たない、多変数特有の性質を示している。
多変数複素関数論の基礎を支える重要な成果である。
- ハルトークスの拡張定理
多変数複素関数の正則領域の拡張に関する定理。
コンパクト集合を除いた領域で正則な関数は、その集合へ拡張できる。
多変数では孤立特異点が存在し得ないことを意味する。
- ハルナック曲線定理
実代数曲線が持つ連結成分の個数の上限を与える幾何学の定理。
次数nの非特異曲線が持つ成分数は最大で(n-1)(n-2)/2 + 1個である。
ヒルベルトの第16問題の端緒となった重要な成果である。
- ハーコートの定理
三角形の頂点から任意の直線に下ろした垂線の長さと面積の関係を示す定理。
垂線の長さに符号を付けて面積を重みとした和が一定値をとる。
アポロニウスの円錐曲線に関連する性質の拡張として知られる。
- ハートマン=グロブマンの定理
非線形力学系の平衡点付近の挙動が、線形化された系と位相共役である定理。
双曲型平衡点の近傍では、複雑な系を単純な線形系として扱える。
力学系の安定性解析において極めて重要な役割を果たす。
- ハーン–バナッハの定理
部分空間上の線形汎関数を、性質を保ったまま空間全体に拡張できる定理。
機能解析学の基本定理であり、双対空間の存在を保証する。
ノルムの保存や凸集合の分離定理などの形で広く応用される。
- ハーンの分解定理
符号付き測度を持つ可測空間を、正の集合と負の集合に二分できる定理。
任意の符号付き測度は、互いに素な2つの集合の和として一意に分解される。
ルベーグ分解やラドン・ニコディムの定理を証明する基礎となる。
- バナッハの不動点定理
完備距離空間上の縮小写像が、ただ一つの不動点を持つことを示す定理。
逐次近似法による収束を保証し、解の存在と一意性を証明する道具となる。
微分方程式の解の証明や数値計算の基礎として広く利用される。
- バナッハ=アラオグルの定理
双対空間において、閉単位球が弱*位相でコンパクトであることを示す定理。
無限次元空間におけるコンパクト性の欠如を補う重要な性質である。
変分問題や最適化理論において、解の存在を議論する際の基本となる。
- バフスカ=ラックス=ミルグラムの定理
境界値問題の弱解の存在と一意性を保証する、解析学の定理。
ラックス=ミルグラムの定理を、より一般的な双線形形式へ拡張したもの。
有限要素法の収束性や安定性を解析するための数学的基盤となる。
- バリニオンの定理
任意の四角形の各辺の中点を結んでできる図形は、常に平行四辺形になる定理。
この平行四辺形の面積は、元の四角形の面積の半分に等しい。
ベクトルの加法を用いて容易に証明でき、初等幾何学で広く知られる。
- バリンスキーの定理
d次元の凸多面体の頂点と辺からなるグラフが、d-連結であることを示す定理。
多面体の構造的強固さをグラフ理論の観点から記述している。
線形計画法のアルゴリズム解析など、組合せ最適化の分野で応用される。
- バーコフの定理
一般相対性理論において、球対称な真空解は必ずシュバルツシルト解となる定理。
星が球対称に脈動していても、外部の重力場は静的で変化しないことを示す。
ブラックホールや恒星周囲の時空を記述する際の基礎となる結論である。
- バーチの定理
数論において、十分な変数を持つ奇数次の形式が有理数解を持つことを示す定理。
ハーディ=リトルウッドの円法を用いて証明される。
代数幾何学における有理点の存在に関する重要な知見を与える。
- バーンサイドの定理
群論において、位数が2つの素数の冪の積である群が可解群であることを示す定理。
有限群の構造論における金字塔的な成果の一つとされる。
表現論を用いて証明され、有限単純群の分類への道を開いた。
- パスカルの定理
円錐曲線に内接する六角形の対辺の交点が、一直線上に並ぶという幾何学の定理。
射影幾何学における最も基本的かつ重要な定理の一つ。
パスカルが16歳の時に発見したとされ、神秘的な六角形とも呼ばれる。
- パップスの六角形定理
2直線上の3点ずつを結んでできる交点が、一直線上に並ぶという幾何学の定理。
射影幾何学における重要な基礎定理で、パスカルの定理の特殊な場合に相当する。
定規のみを用いて直線を引く作図の可能性に関連している。
- パップスの定理
一般にパップスの六角形定理、または回転体の体積に関する定理を指す。
幾何学において複数の重要な発見をしたアレクサンドリアのパップスに由来する。
文脈により、平面幾何学の定理か微積分的な定理かのいずれかを意味する。
- パップスの面積定理
三角形の各辺に作られた平行四辺形の面積の関係を示す幾何学の定理。
ピタゴラスの定理を任意の三角形と平行四辺形に一般化したもの。
3つの平行四辺形の面積の間に成り立つ加法的な関係を記述する。
- パップス=ギュルダンの定理
回転体の表面積や体積を、図形の面積と重心の移動距離から求める定理。
複雑な形状の回転体の計算を、単純な掛け算に置き換えることができる。
機械設計や建築学における体積計算などで実用的に用いられる。
- パリス=ハーリントンの定理
有限ラムゼーの定理を強化した命題が、ペアノ算術では証明不能であることを示す定理。
数学的に自然な命題が標準的な公理系で決定不能であることを示した初の例。
数理論理学において、ゲーデルの不完全性定理の具体例として重要。
- パーセバルの定理
関数の二乗和(エネルギー)が、時間領域と周波数領域で等しいことを示す定理。
フーリエ変換の前後で信号の全エネルギーが保存されることを意味する。
信号処理や物理学において、スペクトル分析の基礎となる重要な法則。
- ヒポクラテスの定理
直角三角形の各辺を直径とする半円が作る「月形」の面積に関する幾何学の定理。
2つの月形の面積の和が、元の直角三角形の面積に等しいことを示す。
曲線で囲まれた図形の面積を、定規とコンパスで作図可能な正方形に帰着させた。
- ヒルツェブルフ・リーマン・ロッホの定理
複素多様体上のベクトル束のオイラー標数を、トポロジカルな不変量で表す定理。
古典的なリーマン・ロッホの定理を高次元へ一般化したもの。
代数幾何学や微分幾何学、理論物理学において中心的な役割を果たす。
- ヒレ–吉田の定理
線形作用素が強連続半群の生成作用素となるための必要十分条件を与える定理。
進化方程式や偏微分方程式の解の存在と一意性を証明する強力な道具。
関数解析学における重要な成果で、吉田耕作とエイナー・ヒレが独立に発見した。
- ビリアル定理
多粒子系において、運動エネルギーの平均とポテンシャルエネルギーの平均を結びつける定理。
天体物理学において、星団や銀河の質量を推定する際に頻繁に用いられる。
熱力学における状態方程式の導出など、統計力学の基礎としても重要。
- ビングの距離化定理
位相空間が距離空間となるための必要十分条件を与えるトポロジーの定理。
σ-局所有限な基底を持つ正則空間が距離化可能であることを示す。
距離化問題に対する最終的な回答の一つとして、数学的に高く評価されている。
- ピカルの定理
フジテレビ系列で放送されていた、若手芸人によるコント中心のバラエティ番組。
「白鳥美麗物語」などの人気キャラクターやコーナーを生み出した。
番組名は数学の「ピカールの定理」に由来し、お笑いの新法則を提唱する意図があった。
- ピカールの定理
複素解析において、真性特異点の近傍での関数の振る舞いを示す定理。
小定理は定数でない整関数が、高々1点を除いて全ての複素数値を取るというもの。
大定理は真性特異点の任意の近傍で、関数が高々1点を除き無限回値を取ることを示す。
- ピカール=リンデレーフの定理
常微分方程式の初期値問題において、解の存在と一意性を保証する定理。
関数がリプシッツ連続であるという条件下で、局所的な解がただ一つ存在することを示す。
微分方程式の理論における最も基本的な基盤の一つとして広く知られている。
- ピザの定理
円板を特定のルールで分割した際、交互に並ぶ領域の面積の和が等しくなる幾何学の定理。
中心以外の点を通る等角度の切り込みを入れた場合、偶数個のピースの合計面積が一致する。
ピザを不公平な位置から切り分けても、枚数を守れば公平に分け合えることを示唆する。
- ピタゴラスの定理
直角三角形の3辺の長さの関係を表す、幾何学で最も有名な定理の一つ。
斜辺の長さの2乗は、他の2辺の長さの2乗の和に等しいという関係式が成り立つ。
測量、建築、物理学など、あらゆる科学技術分野の計算において基礎として用いられる。
- ピックの定理
格子点上にある多角形の面積を、境界上と内部にある点の数から求める公式。
面積は「内部の点数 + (境界上の点数 / 2) - 1」という極めてシンプルな式で計算できる。
頂点がすべて格子点上にあるという条件下で、複雑な形状の面積も容易に算出可能。
- ピトーの定理
円に外接する四角形において、対辺の長さの和が等しくなるという幾何学の定理。
四角形の向かい合う2組の辺の長さを足すと、どちらの組も同じ値になる性質を持つ。
円に外接する条件を満たすすべての凸四角形において、この関係が常に成立する。
- ピーターセンの定理
グラフ理論において、橋を持たない3-正則グラフは完全マッチングを持つという定理。
どの頂点からも3本の辺が出ているグラフが、頂点を余らせずペアにできることを示す。
デンマークの数学者ジュリウス・ピーターセンによって1891年に証明された。
- ファルティングスの定理
代数体上の有理点を持つ代数曲線のうち、種数が2以上のものは有限個しか点を持たない。
1983年にゲルハルト・ファルティングスによって証明され、フィールズ賞の対象となった。
モーデル予想として知られていた難問を解決し、数論幾何学に多大な貢献をした。
- ファン・スコーテンの定理
正三角形の外接円上の点から各頂点までの距離に関する幾何学の定理。
遠い方の頂点までの距離は、近い方の2つの頂点までの距離の和に等しくなる。
オランダの数学者フランス・ファン・スコーテンによって17世紀に示された。
- ファン・デル・ヴェルデンの定理
自然数を有限個の色で塗り分けたとき、同色の等差数列が必ず含まれるという定理。
任意の長さの等差数列が、どれか一つの色の中に存在することを保証する。
ラムゼー理論の初期の重要な成果であり、組合せ論における基本的な性質を示す。
- ファーリの定理
任意の平面グラフは、すべての辺を直線として平面上に描画できるという定理。
曲線を使わずに交差なしでグラフを描けることを示し、グラフ描画理論の基礎となった。
1948年にイシュトヴァン・ファーリらによって独立に証明された。
- フィッシャーの自然選択の基本定理
生物集団の適応度の増加率は、その時点での適応度の遺伝的分散に等しいという定理。
集団内の遺伝的バリエーションが豊かであるほど、進化の速度が速くなることを示す。
熱力学第二法則の生物学版とも例えられ、集団遺伝学の根幹をなす概念である。
- フィンスラー・ハドヴィッガーの定理
2つの正方形が1つの頂点を共有するとき、それらから作られる特定の三角形の性質。
共有点以外の頂点を結んでできる2つの正方形の中心と、三角形の頂点が関係を持つ。
幾何学における正方形の配置に関する、エレガントな不変性を示す定理である。
- フェイェールの定理
フーリエ級数が収束しない場合でも、算術平均をとれば元の関数に一様収束するという定理。
チェザロ和を用いることで、不連続点を持つ関数の解析を可能にした。
調和解析において、フーリエ級数の理論を補完する極めて重要な役割を果たす。
- フェイト・トンプソンの定理
位数が奇数の有限群は、必ず可解群であるという群論の重要な定理。
250ページを超える膨大な証明を要し、有限単純群の分類への道を開いた。
「奇数位数の群に単純群は存在しない(巡回群を除く)」という予想を解決した。
- フェルマーの定理
17世紀の数学者ピエール・ド・フェルマーが提唱した、数論に関する諸定理の総称。
主に「小定理」や「最終定理」を指すが、他にも4平方和の定理など多岐にわたる。
数学史上最も有名かつ難解な予想を含み、数世紀にわたり数学者を魅了し続けた。
- フェルマーの小定理
素数 p と、p で割り切れない整数 a に対して、aの(p-1)乗を p で割ると余りが1になる性質。
合同式の形式で「a^p ≡ a (mod p)」とも記述され、数論の最も基本的な定理の一つ。
RSA暗号などの現代の公開鍵暗号方式において、計算の基盤として利用されている。
- フェルマーの最終定理
3以上の自然数 n について、x^n + y^n = z^n を満たす自然数の組は存在しないという命題。
フェルマーが本の余白に書き残してから360年後、アンドリュー・ワイルズにより証明された。
数学界最大の難問として知られ、その証明には現代数学の粋が尽くされた。
- フェンシェルの双対性定理
凸解析において、主問題の最小値と双対問題の最大値が一致することを示す定理。
凸関数とその共役関数(フェンシェル共役)の関係を利用して最適化問題を解く。
経済学や機械学習における最適化理論の数学的基礎として重要な役割を持つ。
- フェンシェル=モローの定理
下半連続な凸関数は、その二重共役関数と一致するという凸解析の定理。
関数を接平面の集合として表現できることを保証し、双対性の議論を正当化する。
凸集合と閉凸関数の性質を結びつける、最適化理論における中心的な成果の一つ。
- フォイエルバッハの定理
三角形の九点円が、その三角形の内接円および3つの傍接円に接するという幾何学の定理。
九点円は内接円とは内接し、傍接円とは外接するという美しい配置関係を持つ。
1822年にドイツの数学者カール・フォイエルバッハによって発表された。
- フォントネーの定理
三角形の外接円上の点に関連する、特定の円や直線が一点で交わるという幾何学の定理。
シュタイナー線や中点三角形の性質を拡張した、複数の定理がこの名で呼ばれる。
19世紀から20世紀にかけてのフランスの幾何学者フォントネーによって示された。
- フォン・シュタウト=クラウゼンの定理
ベルヌーイ数の分母の構造を、素数を用いて具体的に決定する数論の定理。
ベルヌーイ数 B_2n の分母は、(p-1)が 2n を割り切るような全ての素数 p の積になる。
数論における級数展開やゼータ関数の値を研究する上で基礎的な知見を与える。
- フォーク定理
ゲーム理論において、繰り返されるゲームでは多様な戦略が均衡として成立しうるという定理。
将来の利得を重視する場合、互いに協力し合う状態が合理的な選択肢となることを示す。
特定の証明者がおらず、専門家の間で「周知の事実」とされていたためこの名がついた。
- フビニの定理
多重積分において、積分の順序を入れ替えても計算結果が等しくなることを保証する定理。
関数が可積分であるという条件下で、逐次積分によって多次元の積分を計算できる。
解析学において多変数の計算を行う際の、最も基本的かつ強力な道具の一つ。
- フレシェ=コルモゴロフの定理
関数空間 L^p において、集合がコンパクトであるための必要十分条件を与える定理。
関数の平行移動に対する連続性が一様であることを条件とし、近似の可能性を保証する。
偏微分方程式の解の存在証明や、関数解析学の理論構築において重要な役割を果たす。
- フレドホルムの交代定理
積分方程式において、解が存在するか、あるいは同次方程式が非自明な解を持つかの二択を示す。
線形代数における「解があるか、核が存在するか」という関係を無限次元へ拡張したもの。
境界値問題などの物理現象を記述する方程式の可解性を判断する基準となる。
- フレドホルムの定理
フレドホルム積分方程式の解の性質や構造を記述する、一連の定理の総称。
積分演算子がコンパクト作用素である場合に、有限次元の線形方程式と似た性質を持つ。
量子力学や散乱理論など、物理学の数学的定式化において広く応用されている。
- フレヴィッツの定理
代数的位相幾何学において、ホモトピー群とホモロジー群の間の関係を述べる定理。
空間が連結で低次のホモトピー群が消えているとき、最初の非自明な群が一致することを示す。
空間の「穴」の性質を異なる手法で計算し、比較するための強力な道具となる。
- フレーゲの定理
算術の諸法則が、純粋な論理学の規則と定義のみから導出できるという定理。
ゴットロープ・フレーゲが提唱し、数学を論理学に還元しようとする「論理主義」の核となった。
現代の数理論理学や分析哲学の形成に決定的な影響を与えた。
- フロイデンタールのスペクトル定理
リース空間(線形束)において、特定の要素が射影の積分として表現できるという定理。
線形代数における行列の固有値分解を、より抽象的な空間へと一般化したもの。
関数解析学において、作用素の構造を解析するための基礎的な枠組みを提供する。
- フロベニウスの定理
微分幾何学において、接分布が積分可能(葉層構造を持つ)ための必要十分条件を示す。
また代数学では、実数体上の有限次元結合的分配代数が3種類に限られることも指す。
数学の複数の分野に同名の定理が存在し、それぞれが各分野の根幹をなす重要な成果。
- ブダンの定理
実係数多項式の特定の区間内にある実根の個数の上限を、符号変化の数から求める定理。
多項式とその導関数の値の列を調べ、根の存在範囲を絞り込むことができる。
デカルトの符号法則を一般化したものであり、数値解析や代数方程式の研究に用いられる。
- ブラウアー・ファウラーの定理
有限単純群の位数が、ある対合(位数2の要素)の中心化群の位数によって制限される定理。
有限単純群の分類プロジェクトにおいて、初期の重要な突破口となった成果。
1955年にリチャード・ブラウアーとポール・ファウラーによって証明された。
- ブラウワーの不動点定理
閉球から自分自身への連続関数には、必ず値が変化しない点(不動点)が存在するという定理。
どれほどかき混ぜても、元の位置から動かない点が少なくとも一つあることを意味する。
経済学の均衡存在証明や、トポロジーの基礎理論として極めて重要。
- ブラックホール唯一性定理
静止したブラックホールの性質は、質量、電荷、角運動量の3つの値だけで決まるという定理。
それ以外の詳細な情報(元の星の形や物質など)は外部から観測できなくなる。
ブラックホールの物理的構造が極めてシンプルであることを数学的に証明した。
- ブラックホール脱毛定理
ブラックホールが形成される際、質量・電荷・角運動量以外の情報が消失するという理論。
「ブラックホールには毛がない(No-hair)」という比喩表現からこの名がついた。
事象の地平線の外側からは、内部の複雑な情報を知ることができないことを意味する。
- ブラムの加速定理
計算複雑性理論において、どんなアルゴリズムよりも速いアルゴリズムが常に存在する問題。
特定の計算問題に対し、計算時間をいくらでも短縮できる「最速の解」がないことを示す。
マヌエル・ブラムによって提唱され、計算量の理論的な限界を浮き彫りにした。
- ブラーマグプタの定理
円に内接する四角形において、対角線が直交する場合の辺と垂線の関係を示す定理。
対角線の交点から一辺に下ろした垂線は、反対側の辺を必ず二等分するという性質。
7世紀のインドの数学者ブラーマグプタによって発見された幾何学の古典的成果。
- ブリアンションの定理
円錐曲線に外接する六角形において、3本の対角線が必ず一点で交わるという定理。
パスカルの定理(内接六角形に関する定理)の双対として知られる幾何学の定理。
射影幾何学における美しい対称性を示す代表的な例の一つである。
- ブリルアンの定理
量子化学のハートリー=フォック法において、基底状態と1電子励起状態の間に相互作用がない。
ハミルトニアンの行列要素がゼロになることを示し、計算の簡略化に寄与する。
分子の電子状態を近似的に求める際の、波動関数の性質を記述する重要な定理。
- ブルックスの定理
グラフの彩色数に関する定理で、最大次数をΔとしたとき、彩色数は高々Δである。
完全グラフと奇サイクルという2つの例外を除き、Δ色あれば隣接頂点を塗り分けられる。
グラフ理論における頂点彩色の限界を明示した、基本的かつ重要な成果。
- ブルバキ・ヴィットの定理
特定の条件を満たす部分順序集合において、自己写像が不動点を持つことを示す定理。
空でない鎖が上限を持つ集合上で、要素を増大させる写像には不動点が存在する。
数学者集団ニコラ・ブルバキとエルンスト・ヴィットの名を冠した不動点定理。
- ブルンの定理
双子素数の逆数の和が、無限に続くとしても一定の値(ブルン定数)に収束するという定理。
素数全体の逆数の和が発散するのに対し、双子素数は「稀」であることを示唆する。
1919年にヴィゴ・ブルンによって証明され、篩法(ふるいほう)の発展に寄与した。
- ブロッホの定理
周期的なポテンシャル内にある電子の波動関数に関する物理学の定理。
波動関数が平面波と周期関数の積で表されることを数学的に示した。
固体物理学におけるエネルギーバンド構造を理解するための基礎となる。
- ブロッホ=ドミニシスの定理
有限温度の統計力学において多体問題を扱うための数学的定理。
生成消滅演算子の期待値をペアの積の和として展開できることを示す。
量子統計力学における摂動計算やウィックの定理の拡張として用いられる。
- ブール素イデアル定理
任意のブール代数に少なくとも一つの素イデアルが存在することを示す定理。
選択公理よりは弱いが、数学の多くの重要な帰結を導き出すことができる。
論理学の完全性定理やコンパクト性定理の証明において不可欠な役割を持つ。
- プランシュレルの定理
関数とそのフーリエ変換のL2ノルムが等しいことを示す数学の定理。
信号の全エネルギーが、時間領域と周波数領域で保存されることを意味する。
調和解析や信号処理の理論的基盤として、工学分野でも広く用いられる。
- プロホロフの定理
確率尺度の族が相対コンパクトであるための条件を与える確率論の定理。
緊密性(tightness)という概念を用いて、収束する部分列の存在を保証する。
弱収束の理論において、極限分布の存在を証明する際に不可欠である。
- ヘクシャー=オリーンの定理
各国が豊富に持つ生産要素を用いる財を輸出するという国際貿易理論。
資本が豊富な国は資本集約的財を、労働が豊富な国は労働集約的財を売る。
比較優位の源泉を生産要素の賦存量に求めた近代貿易論の基礎である。
- ヘリーの定理
凸集合の族が共通部分を持つための条件を述べた幾何学の定理。
d次元空間において、任意のd+1個の集合が共通部分を持てば全体も持つ。
凸幾何学や組合せ幾何学における最も基本的な定理の一つである。
- ヘリーの選択定理
有界な変動を持つ関数の列から、各点で収束する部分列を選び出せる定理。
確率論における分布関数の弱収束を議論する際に頻繁に利用される。
解析学においてコンパクト性の概念を関数空間に適用した重要な成果である。
- ヘルマン–ファインマンの定理
量子系のエネルギーのパラメータ微分が、ハミルトニアンの微分の期待値に等しい定理。
波動関数を直接微分することなく、エネルギーの変化率を計算できる。
分子構造の最適化や原子間の力の計算など、量子化学計算で多用される。
- ヘルムホルツの定理
任意のベクトル場を、回転のない成分と発散のない成分の和で表現できる定理。
ベクトル解析における基本定理であり、電磁気学や流体力学の基礎を支える。
ポテンシャル論を用いて物理現象を記述する際に極めて重要である。
- ヘルムホルツの渦定理
流体中の渦管の性質や運動に関する3つの物理法則。
完全流体において、渦線は流体と共に動き、その強さは時間的に変化しない。
竜巻や煙の輪などの渦の挙動を理解するための理論的基盤となる。
- ヘンリー・ジョージの定理
土地の純地代を徴収すれば、公共投資の費用を賄えるという経済学の命題。
公共事業による利便性向上が地価上昇に反映されるため、効率的な財政が可能となる。
都市経済学や土地税制の議論において、理想的な課税のあり方として参照される。
- ヘヴィサイドの展開定理
複雑な有理関数を部分分数分解し、逆ラプラス変換を容易にする計算手法。
電気回路の過渡現象解析において、微分方程式を解くための強力な道具となる。
演算子法の一部として開発され、工学分野の計算を大幅に簡略化した。
- ベイカーの定理
代数的数の対数の線形結合が、いつ零でないかを示す数論の定理。
超越数論における画期的な成果であり、多くのディオファントス方程式の解法に貢献した。
アラン・ベイカーはこの功績により1970年にフィールズ賞を受賞している。
- ベイズの定理
新たな情報が得られた際に、ある事象の確率を更新するための数学的公式。
事後確率は、事前確率と尤度の積に比例するという関係を示している。
迷惑メールフィルタやAIの推論、医療診断など幅広い分野で応用されている。
- ベシコビッチの被覆定理
任意の集合を特定の性質を持つ球の族で効率よく覆えることを示す数学の定理。
被覆の重なりを次元に依存する定数で抑えられることが大きな特徴である。
測度の微分や極限操作の正当化において、幾何学的測度論の基礎を支える。
- ベズーの定理
2つの代数曲線が交わる点の個数に関する代数幾何学の定理。
次数mとnの曲線は、重複度を含めてちょうどm×n個の交点を持つことを示す。
射影平面上での議論を前提とし、代数方程式の解を幾何学的に解釈する。
- ベルトランの定理
古典力学において、全ての束縛軌道が閉じる中心力ポテンシャルの条件に関する定理。
逆二乗則(重力)と調和振動子の2つのケースのみが該当することを示した。
天体力学における惑星軌道の安定性を理解する上で極めて重要である。
- ベルトラン・ダルブーの定理
ハミルトン系において、運動の積分が特定の形式を持つための条件を述べた定理。
系の可積分性や対称性と深く関連し、力学系の分類に用いられる。
物理学における可解なモデルの探索において重要な役割を果たす。
- ベルヌーイの定理
流体の速度が増すと圧力が下がるという、流体力学のエネルギー保存則。
翼の揚力発生や霧吹き、野球の変化球などの原理を説明する。
定常的な流体において、圧力・速度・高さのエネルギーの和が一定であることを示す。
- ベルンシュタインの定理
2つの集合間にそれぞれ単射が存在すれば、それらの濃度は等しいという定理。
集合論において、集合の大きさを比較する際の基本的かつ強力な道具である。
直感的に明らかに見えるが、証明には集合の分割を用いた巧妙な構成を必要とする。
- ベールの範疇定理
完備距離空間において、稠密な開集合の可算個の共通部分は再び稠密であるという定理。
空間が「スカスカ」な集合の集まりで構成できないことを示唆している。
関数解析学において、一様有界性の原理などの重要な定理を導く基礎となる。
- ベールイの定理
代数曲線が代数的数体上で定義されるための必要十分条件を与える定理。
曲線から射影直線への、分岐点が3点のみの写影が存在することと同値である。
子供の落書き(Dessin d'enfant)を通じて、ガロア理論と幾何学を結びつける。
- ベーンケ=シュタインの定理
シュタイン多様体上の正則関数の近似に関する複素解析の定理。
ルンゲの定理を多変数複素関数論の枠組みへ拡張したものである。
複素多様体上の解析的構造を調べるための重要な理論的基盤となっている。
- ペアノの存在定理
常微分方程式の初期値問題において、解が少なくとも一つ存在するための条件を示す定理。
関数が連続であれば、局所的に解が存在することを保証する。
解の一意性までは保証しない点が、リプシッツ連続性を課す定理との違いである。
- ペトル=ダグラス=ノイマンの定理
任意の多角形の各辺に正多角形を順次構成していくと、最後に正多角形が現れる幾何学の定理。
ナポレオンの定理を一般化したものとして知られ、複素数を用いた証明が有名である。
平面幾何学における多角形の性質を美しく記述する定理の一つ。
- ペロン=フロベニウスの定理
正の要素のみを持つ正方行列の固有値と固有ベクトルに関する数学の定理。
最大固有値が正の実数であり、対応する固有ベクトルも正の要素のみを持つことを示す。
Googleの検索アルゴリズムや経済学の産業連関分析の基礎理論となっている。
- ホップの定理
力学系において、パラメータの変化により平衡点が安定性を失い周期解が発生する現象を記述する定理。
ホップ分岐とも呼ばれ、心拍や化学反応の振動などの解明に用いられる。
非線形現象におけるリズムの発生メカニズムを説明する数学的基礎である。
- ホプキンス・レヴィツキの定理
環論において、左アルティン環は必ず左ネーター環であるという定理。
逆は必ずしも成り立たないが、この定理によりアルティン環の構造が強く制約される。
代数学における環の分類理論において、基本的な位置を占める成果である。
- ホールの定理
二部グラフにおいて、一方の頂点集合をもう一方へ完全にマッチングできる条件を述べた定理。
結婚定理とも呼ばれ、各人が希望する相手の集合が十分な大きさを持つ必要があることを示す。
組合せ論や最適化問題において、資源配分やスケジューリングの基礎となる。
- ボッテマの定理
三角形の各辺を1辺とする正方形を外側に作った際の、頂点間の関係に関する幾何学の定理。
特定の頂点を結ぶ線分の中点が、元の三角形の形状によらず一定の位置関係を持つ。
平面幾何学における図形の回転と平行移動の性質を美しく示す定理の一つ。
- ボホナーの定理
正定値関数が、ある正の測度のフーリエ変換として表されるための条件を示す定理。
確率論において、特性関数が確率分布を決定することを保証する基礎理論。
調和解析や関数解析学において、極めて重要な役割を果たす。
- ボヤイの定理
面積の等しい2つの多角形は、有限個の断片に分割して組み替えることで互いに移り変われるという定理。
平面幾何学における「等積変形」の可能性を保証している。
ボヤイ・ファルカスらによって証明され、ハルモニアの概念とも関連する。
- ボルスク・ウラムの定理
n次元球面からn次元欧州空間への連続写像において、対蹠点が同じ値をとる点が存在するという定理。
「地球上のどこかに、気温と気圧が全く同じ対蹠点が存在する」という例えで有名。
トポロジーにおける不動点定理の重要な応用例の一つ。
- ボルツァーノ=ワイエルシュトラスの定理
有界な実数列は、必ず収束する部分列を持つという解析学の基本定理。
実数の連続性を象徴する性質であり、最大値の定理などの証明に不可欠。
多次元のユークリッド空間においても同様の性質が成立する。
- ボレルの不動点定理
可解な代数群が完備な代数多様体に作用するとき、必ず不動点を持つという定理。
代数群の構造論や表現論において、基礎となる重要な結果。
アルマン・ボレルによって証明され、リー群の理論にも応用される。
- ボレル・ヴェイユの定理
複素簡約リー群の既約表現を、旗多様体上の線束の切断の空間として実現する定理。
表現論と代数幾何学を結びつける、幾何学的量子化の先駆的な成果。
コンパクトリー群のすべての既約表現を幾何学的に構成できる。
- ボンネの定理
曲面上の曲線が測地線であるための条件や、曲率に関する幾何学の定理。
通常はガウス・ボンネの定理の一部、または測地線の存在に関する性質を指す。
微分幾何学において、曲面の局所的な性質と大域的な形状を結びつける。
- ボーア・モレルップの定理
ガンマ関数が、特定の条件を満たす唯一の関数であることを示す定理。
f(1)=1、対数凸性、関数等式を満たす正の実数上の関数はガンマ関数に限られる。
ガンマ関数の公理的な特徴付けとして、解析学において重要。
- ボーア=ファン・リューエンの定理
古典力学の統計力学において、熱平衡状態にある物質の磁化は常にゼロであるという定理。
磁性が古典物理学では説明できず、量子力学的現象であることを示している。
強磁性などの現象を理解するには、電子のスピンを考慮する必要がある。
- ポアンカレの回帰定理
一定の条件を満たす力学系は、十分な時間の後、初期状態にいくらでも近い状態に戻るという定理。
保守的な系において、カオス的な運動であっても回帰性が存在することを示す。
熱力学第二法則との整合性を巡り、統計力学の基礎において議論を呼んだ。
- ポアンカレの定理
トポロジーや力学系においてアンリ・ポアンカレが提唱した諸定理の総称。
文脈により、ポアンカレ予想やポアンカレ・ベンディクソンの定理などを指す。
現代数学の多岐にわたる分野の基礎を築いた重要な成果群。
- ポアンカレ・ベンディクソンの定理
2次元平面上の連続力学系において、軌道の極限集合は不動点か閉軌道に限られるという定理。
平面上ではカオスが発生しないことを数学的に保証している。
振動回路や生物の個体数モデルなどの安定性解析に用いられる。
- ポアンカレ・ホップの定理
多様体上のベクトル場の孤立零点の指数の総和が、その多様体のオイラー標数に等しいとする定理。
幾何学的な形状と、その上の流れの性質を結びつける重要なトポロジーの定理。
「毛が生えた球を滑らかに撫でつけることはできない」という例えが有名。
- ポアンカレ=バーコフの定理
環状領域の面積保存写像が、境界を逆方向に回転させるなら少なくとも2つの不動点を持つという定理。
三体問題の周期解の存在を証明するためにポアンカレが予想し、バーコフが証明した。
ハミルトン力学系における周期軌道の研究において極めて重要。
- ポストの定理
算術的階層における集合の複雑さと、チューリング次数の関係を記述する定理。
再帰的列挙集合の概念を一般化し、計算不可能性の度合いを分類する。
数理論理学および計算理論における中心的な成果の一つ。
- ポンスレの閉形定理
2つの円錐曲線に対し、一方に内接し他方に外接するn角形が1つあれば、無数に存在する定理。
幾何学的な構成が、ある条件を満たせば連続的に変形可能であることを示す。
射影幾何学における最も美しい定理の一つと称される。
- ポンペイウの定理
正三角形の各頂点から任意の点までの距離が、ある三角形の3辺の長さになるという定理。
平面幾何学における比較的単純ながら興味深い性質を示す。
複素数を用いた証明が容易で、幾何学の演習問題によく用いられる。
- ポーヤの計数定理
群作用による対称性を考慮して、異なるパターンの総数を数え上げる組合せ論の定理。
化学化合物の構造異性体の数を求める際などに強力な威力を発揮する。
数え上げ数学における基本的かつ汎用性の高い道具。
- ポールケの定理
平面上の任意の3つの線分は、ある直交座標系の平行投影として表現できるという定理。
軸測投影図法(アイソメトリックなど)の数学的基礎を保証している。
画法幾何学において、立体を平面に描く際の妥当性を与える。
- マイヒル–ネローデの定理
ある言語が正規言語であるための必要十分条件を、右合同関係の指数で与える定理。
有限オートマトンの最小状態数を決定するための理論的基礎となる。
計算機科学において、言語の複雑さを解析する上で不可欠な道具。
- マイヤーソン・サタースウェイトの定理
情報の非対称性がある場合、外部補助なしに効率的な取引を実現することは不可能とする定理。
売り手と買い手が互いの評価額を知らない市場における限界を示している。
メカニズムデザインや経済学において、市場の失敗を説明する重要な成果。
- マクスウェル・ベティの相反作用の定理
線形弾性体において、荷重と変位の間に成り立つ相互の関係を記述する定理。
点Aに加えた荷重による点Bの変位は、点Bに同じ荷重を加えた時の点Aの変位に等しい。
構造解析や材料力学において、計算を簡略化するための強力な手法。
- マシュケの定理
有限群の表現論において、複素数体上の表現が既約表現の直和に分解できることを示す定理。
群の作用を持つ空間の構造を、最も単純な要素に分解して理解することを可能にする。
代数学における半単純性の概念の基礎となる重要な成果。
- マッセルマンの定理
三角形の外接円上の点から各辺に下ろした垂線の足に関する幾何学の定理。
シムソン線に関連する性質を拡張したものである。
初等幾何学における円と直線の美しい関係性を示している。
- マハラムの定理
測度空間の構造に関する測度論の重要な定理。
任意の測度空間が、ある特定の標準的な空間の直和に分解できることを示す。
確率論や関数解析の基礎理論において重要な役割を果たす。
- マルコフ=角谷の不動点定理
コンパクト凸集合上の可換な連続自己写像の族が共通の不動点を持つという定理。
関数解析学における不動点定理の一つで、ブラウワーの定理を拡張したもの。
不変測度の存在証明などに広く応用されている。
- マルチンケーヴィッチの定理
関数空間における作用素の補間に関する調和解析の定理。
弱型の有界性から強型の有界性を導く手法を提供し、積分作用素の研究に用いられる。
フーリエ級数の収束性や偏微分方程式の解の推定に不可欠な道具である。
- マルリェーの定理
3次元物体の投影像から、その物体の形状を一意に復元できる条件を示す定理。
視覚心理学やコンピュータビジョンの分野で、奥行き知覚の理論的根拠とされる。
人間が平面的な情報から立体を認識する仕組みを説明するモデルの一つである。
- マンフォードのコンパクト性定理
リーマン面のモジュライ空間のコンパクト化に関する代数幾何学の定理。
安定曲線の概念を導入することで、モジュライ空間の境界を定義した。
弦理論や代数曲線の分類理論において極めて重要な基礎定理である。
- マーゴラス=レヴィンチンの定理
物理的な系が状態を変化させるのに必要な最小時間を規定する定理。
系のエネルギーとプランク定数を用いて、量子的な計算速度の限界を示す。
量子コンピュータの演算速度や情報処理能力の究極的な限界を議論する際に用いられる。
- マーラーのコンパクト性定理
格子の集合がコンパクトになるための条件を規定する幾何学的数論の定理。
格子の行列式の値が有界で、かつ最短ベクトルが一定以上長いことが条件となる。
ディオファントス近似や数の幾何学において基礎的な役割を果たす。
- マーラーの定理
p進解析において、連続関数を二項係数の多項式級数で展開できることを示す定理。
実解析におけるテイラー展開のp進版に相当し、関数の構造を代数的に記述する。
p進数体上の解析学や数論の研究において強力な道具となる。
- ミケルの定理
円と三角形の交点に関する平面幾何学の定理。
三角形の各辺上の点を通る3つの円が、必ず1点で交わることを示す。
その交点はミケル点と呼ばれ、円と直線の配置に関する興味深い性質を持つ。
- ミッタク=レフラーの定理
複素平面上の領域で、指定された極と主部を持つ有理型関数の存在を保証する定理。
複素解析において、関数を部分分数展開の形で構成する手法を与える。
ワイエルシュトラスの因数分解定理と並び、有理型関数の構造を決定する基本定理である。
- ミッチェルの埋め込み定理
任意の小さいアーベル圏が、ある加群の圏に埋め込めることを示す圏論の定理。
これにより、抽象的なアーベル圏の議論を具体的な加群の計算に置き換えることが可能になる。
図式追跡などの証明手法を正当化する理論的基盤となっている。
- ミルマンの定理
複数の電圧源が並列に接続された回路の、端子電圧を求めるための電気回路の定理。
各枝のコンダクタンスと電圧を用いて、重ね合わせの理を簡略化した形で計算できる。
複雑な並列回路の解析を効率化する手法として実用的である。
- ミンコフスキーの定理
数の幾何学において、中心対称な凸集合が格子点を含む条件を規定する定理。
集合の体積が格子の基本領域の体積の2のn乗倍を超えれば、原点以外の格子点を含む。
ディオファントス近似や代数的数論の証明において極めて強力な武器となる。
- ムーニエの定理
曲面上の点における法曲率と、斜切断の曲率の関係を示す微分幾何学の定理。
法截線の曲率に、法線と切断平面のなす角の余弦をかけると斜切断の曲率になる。
曲面の局所的な形状を解析するための基礎的な公式である。
- メイの定理
2つの選択肢がある投票において、多数決が唯一の理想的な決定方式であることを示す定理。
平等性、中立性、正の応答性などの条件を満たすルールは多数決に限られる。
社会的選択理論において、民主的な意思決定の正当性を支える理論的根拠とされる。
- メネラウスの定理
三角形と一直線の交点に関する比の関係を示す平面幾何学の定理。
三角形の各辺と直線の交点が作る線分の比の積が1になる。
図形問題の証明や、線分の比を求める計算において非常に便利な道具である。
- メルゲルヤンの定理
複素平面上のコンパクト集合上で、連続関数を多項式で一様近似できる条件を示す定理。
集合の補集合が連結であることが、多項式近似が可能であるための必要十分条件となる。
複素近似理論における金字塔的な成果であり、ルンゲの定理を一般化したものである。
- メルテンスの定理
素数の分布に関する漸近的な評価を与える数論の3つの定理。
素数の逆数和や、素数に関連する積の極限値を具体的に示している。
素数定理の先駆けとなる重要な結果であり、解析的数論の基礎を築いた。
- メンガーの定理
グラフ理論において、2点間の連結性と切断セットの最小サイズの関係を示す定理。
点連結度は、その2点間を結ぶ互いに素なパスの最大数に等しい。
ネットワークの信頼性評価や最大流最小カット定理の基礎となる重要な定理である。
- メーソン・ストーサーズの定理
多項式環におけるabc予想の類似を証明した代数学の定理。
互いに素な多項式の和に関する次数と、その根の個数の関係を規定する。
フェルマーの最終定理の多項式版を容易に導くことができ、数論への影響も大きい。
- モストウの剛性定理
3次元以上の双曲多様体の幾何学的構造が、その基本群によって一意に決定されるという定理。
位相的な構造が定まれば、計量などの幾何的な構造も自動的に決まることを示す。
幾何学的トポロジーやリー群論において極めて強力な成果である。
- モレラの定理
領域内の連続関数の複素積分が、任意の閉曲線でゼロならばその関数は正則であるという定理。
複素解析におけるコーシーの積分定理の逆にあたる。
関数の正則性を判定するための強力な手法であり、理論的な証明に多用される。
- モンジュの定理
平面上の3つの円において、各2円の共通外接線の交点は必ず一直線上に並ぶという定理。
射影幾何学的な視点から、3つの円を球体として捉えることで直感的に理解できる。
図形の配置に関する美しい性質を示しており、初等幾何学の有名な定理の一つである。
- モンテルの定理
複素解析において、一様有界な正則関数の族が正規族であることを示す定理。
複素関数の収束性や存在証明において、コンパクト性の議論を可能にする。
リーマンの写像定理の証明など、複素解析の根幹を支える重要な道具である。
- モーデルの定理
有理数体上の楕円曲線における有理点のなす群が、有限生成アーベル群であるという定理。
無限個の有理点が存在する場合でも、有限個の点からすべて生成できることを示す。
数論幾何学における金字塔であり、後のモーデル・ヴェイユの定理へと発展した。
- モーリーの定理
任意の三角形において、各角の三等分線の交点が作る三角形は必ず正三角形になるという定理。
初等幾何学において比較的最近に発見された、驚くべき性質の一つである。
証明には三角関数や複素数を用いる方法など、多様なアプローチが知られている。
- モール–マスケローニの定理
コンパスのみを用いて、定規とコンパスで可能なすべての作図が行えることを示す定理。
直線を引くことはできないが、直線上の任意の点を求めることは可能である。
幾何学における作図可能性の限界を探る興味深い結果である。
- モールの定理
構造力学において、梁のたわみを求めるために仮想的な荷重を用いる手法。
曲げモーメント図を荷重として梁にかけると、その曲げモーメントが実際のたわみになる。
複雑な断面や荷重条件を持つ梁の変形計算を簡略化する実用的な方法である。
- ヤコビの二平方定理
正の整数が2つの整数の平方の和として表される方法の数を与える数論の定理。
その数は、4n+1型の約数の数から4n+3型の約数の数を引いたものの4倍に等しい。
ヤコビのテータ関数を用いて導かれ、整数の分割問題の基礎となっている。
- ヤコビの四平方定理
すべての正の整数が4つの整数の平方の和で表せるという定理の、表現の数を示す定理。
表現の数は、その整数の約数のうち4で割り切れないものの和の8倍になる。
ラグランジュの四平方定理を精密化したものであり、数論における重要な成果である。
- ヤナックの定理
密度汎関数理論において、軌道の占有数と系の全エネルギーの関係を規定する定理。
占有数に関するエネルギーの微分が、その軌道の固有エネルギーに等しいことを示す。
電子状態計算における化学ポテンシャルやバンド構造の解釈において基礎となる。
- ヤングの定理
多変数関数の混合偏導関数において、微分の順序を入れ替えても結果が等しくなる条件を示す定理。
関数が特定のクラスに属していれば、xで引いてからyで引いても結果は同じになる。
解析学や物理学の計算において、計算手順を簡略化するための基本ルールである。
- ユークリッドの定理
素数が無限に存在することを証明した、数学史上最も有名な定理の一つ。
任意の有限個の素数の積に1を加えた数は、既存の素数で割り切れないという論法を用いる。
紀元前の『原論』に記されており、数学的証明の美しさの象徴とされる。
- ユークリッド・オイラーの定理
偶数の完全数とメルセンヌ素数の間に一対一の対応があることを示す定理。
偶数の完全数は必ず特定の形をしており、その構成要素はメルセンヌ素数である。
ユークリッドが十分条件を、オイラーが必要条件を証明したことで完成した。
- ライスの定理
計算機科学において、プログラムの動作に関する非自明な性質はすべて判定不能であるという定理。
あるプログラムが特定の出力を出すかといった性質を自動判別するアルゴリズムは存在しない。
ソフトウェア検証の限界を示す、計算可能性理論の根本的な定理である。
- ライス=シャピロの定理
ライスの定理を拡張し、再帰的枚挙可能な集合の族がどのような条件で判定可能になるかを示す定理。
ある性質が判定可能であるためには、それが有限の情報の集合に基づいている必要がある。
理論計算機科学において、アルゴリズムの限界をより詳細に規定する。
- ラウスの定理
三角形の各辺を特定の比で分割する線分が、内部に作る三角形の面積を求める幾何学の定理。
チェバの定理やメネラウスの定理を一般化した形をしており、面積比を直接計算できる。
図形問題における面積計算のテクニックとして非常に有用である。
- ラグランジュの定理
群論において、有限群の位数は部分群の位数の倍数であるという定理。
群の構造を制限する最も基本的な定理であり、群論の学習において最初に登場する。
フェルマーの小定理の証明など、数論の分野でも広く応用されている。
- ラックスの等価定理
数値解析において、線形偏微分方程式の近似解が真の解に収束するための必要十分条件を示す定理。
スキームが整合性と安定性の両方を満たしていれば、必ず収束することを保証する。
数値シミュレーションの信頼性を担保する理論的支柱である。
- ラドン=ニコディムの定理
ある測度が別の測度に対して絶対連続であるとき、その密度関数が存在することを示す定理。
確率論における条件付き期待値の存在証明や、統計学の尤度比の定義において不可欠な役割を果たす。
測度論における基本定理の一つであり、解析学の広範な分野で利用される。
- ラフォルグの定理
数論におけるモジュラー形式とガロア表現を結びつける定理である。
フェルマーの最終定理の証明に重要な役割を果たした。
ラングランズ・プログラムの中心的な結果の一つとして知られる。
- ラマヌジャン・スコーレムの定理
線形回帰数列の零点の数を有限であると述べる数論の定理である。
数列が0になる項の個数に関する重要な結果を与える。
ディオファントス方程式の研究などに応用される。
- ラミの定理
一点で釣り合う三つの力の関係を示す静力学の定理である。
各力の大きさが、他の二つの力のなす角の正弦に比例する。
物体が静止している状態の力のつり合いを解析する。
- ラムゼーの定理
十分大きな集合では、必ず特定の構造が現れることを示す組合せ論の定理である。
完全グラフの辺を色分けすると、必ず単色の部分グラフが存在する。
数学の多くの分野に応用され、秩序の出現を保証する。
- ラーデマッヘルの定理
多変数関数がほとんど至る所で微分可能であることを示す解析学の定理である。
リプシッツ連続な関数は、ルベーグ測度ゼロの集合を除いて微分可能である。
幾何学的測度論や変分法などの分野で重要な役割を果たす。
- ラーナーの対称性定理
国際貿易において、輸入関税と輸出補助金が等価であることを示す経済学の定理である。
関税が国内価格を上昇させる効果と、補助金が輸出を促進する効果が同じになる。
貿易政策の分析や国際経済学で用いられる。
- リウヴィルの定理
ハミルトン力学系において、位相空間の体積要素が時間とともに保存されることを示す定理である。
系の状態を記述する点の密度が時間変化しないことを意味する。
統計力学やエルゴード理論の基礎となる。
- リウヴィル=アーノルドの定理
可積分ハミルトン系における運動の性質を記述する定理である。
系の軌道がトーラス上を運動することを数学的に示す。
古典力学における可積分系の理解に貢献した。
- リエナールの定理
非線形振動系の安定性に関する数学の定理である。
特定の条件を満たすリエナール方程式の解が安定なリミットサイクルを持つことを示す。
電気回路や生物学的なリズムのモデリングに利用される。
- リカードの等価定理
政府の財政赤字を国債で賄うか増税で賄うかに関わらず、経済に与える影響は同じであるという定理である。
人々は将来の増税を予期し、貯蓄を増やすと仮定する。
財政政策の有効性に関する議論の基礎となる。
- リニックの定理
算術級数中の素数の分布に関する数論の定理である。
十分大きな数Nに対し、算術級数中にN以下の素数が存在することを示す。
素数分布の理解に貢献し、解析的整数論の重要な成果である。
- リプチンスキーの定理
国際貿易において、特定の生産要素の供給が増加した際の影響を示す定理である。
その要素を多く利用する産業の生産量が増加し、他の産業の生産量が減少する。
ヘクシャー・オリーン・サミュエルソンモデルの一部を構成する。
- リベットの定理
楕円曲線とモジュラー形式の間の関係に関する数論の定理である。
谷山・志村・ヴェイユ予想(モジュラー性定理)の重要な部分を構成した。
フェルマーの最終定理の証明に不可欠な役割を果たした。
- リュイリエの定理
多面体の体積に関する数学の定理である。
多面体の体積が、その面と頂点の組み合わせによって決定されることを示す。
幾何学やトポロジーの分野で応用される。
- リュカの定理
二項係数を素数pで割った余りに関する数論の定理である。
大きな二項係数の合同式を、p進展開を用いて計算する。
組合せ論や数論の分野で広く利用される。
- リューローの定理
定幅曲線に関する幾何学の定理である。
定幅曲線は、その幅が一定であるような凸閉曲線である。
リューローの三角形が最も有名な例として知られる。
- リンデマンの定理
円周率πが超越数であることを証明した数論の定理である。
eの累乗に関する代数的独立性を示し、円積問題の不可能を確定した。
代数的数と超越数の区別に関する重要な成果である。
- リースの定理
ヒルベルト空間における連続線形汎関数とベクトルとの関係を示す定理である。
任意の連続線形汎関数は、あるベクトルとの内積として一意に表される。
関数解析学の基本的な結果であり、量子力学などに応用される。
- リースの拡張定理
ノルム空間の部分空間上で定義された線形汎関数を、空間全体に拡張する定理である。
ハーン・バナッハの定理の特別な場合として知られる。
関数解析学における重要な結果の一つである。
- リースの表現定理
ヒルベルト空間上の連続線形汎関数が内積で表現できることを示す定理。
関数と空間内のベクトルを一対一に対応付ける重要な性質を持つ。
量子力学の状態ベクトルや関数解析の基盤として広く利用される。
- リース兄弟の定理
単位円板上の解析関数の境界値に関する複素解析の定理。
境界で測度が絶対連続であれば、関数はハーディ空間に属することを示す。
フレデリック・リースとマルセル・リースの兄弟によって証明された。
- リース=ソリンの定理
Lp空間上の線形作用素のノルムに関する補間定理。
二つの端点での有界性から、その中間の指数での有界性を導く。
調和解析や偏微分方程式の解の評価において極めて重要な道具。
- リース=フィッシャーの定理
L2空間が完備であること、またはフーリエ級数の収束性を示す定理。
二乗可積分関数の空間と数列空間の等長同型性を保証する。
現代的な積分論であるルベーグ積分の優位性を決定づけた。
- リーマンの写像定理
単連結な開集合は、単位円板へと共形写像できるという定理。
複素平面上の複雑な形状を単純な円板として扱えるようにする。
複素幾何学や流体力学の計算において基礎的な役割を果たす。
- リーマンの存在定理
特定の境界条件を満たす調和関数や解析関数が存在することを示す定理。
リーマン面上の関数の存在を保証し、代数幾何学の基礎を築いた。
ディリクレ原理を用いて証明が試みられ、後に厳密化された。
- リーマンの定理
複素関数の孤立特異点が除去可能であるための条件を示す定理。
特異点付近で関数が有界であれば、その点は正則点として補完できる。
複素解析における関数の解析接続や分類において基本となる。
- リーマン・ロッホの定理
リーマン面上の関数の自由度と、その面の幾何学的性質を結ぶ定理。
関数の零点や極の数と、面の属種(穴の数)の関係を記述する。
代数幾何学や数論における最も重要かつ美しい定理の一つ。
- リーマン幾何学の基本定理
リーマン多様体上に、ねじれがなく計量を保存する接続が一意に存在すること。
この一意な接続は「レヴィ=チヴィタ接続」と呼ばれる。
一般相対性理論における重力場の記述に不可欠な数学的基盤。
- リー・ヤンの定理
統計力学における相転移と、分配関数の零点の分布に関する定理。
特定のモデルで零点が単位円上に並ぶことを示し、相転移を説明した。
イジングモデルなどの格子気体モデルの解析に大きな影響を与えた。
- ルジンの分離定理
記述集合論において、互いに素な解析集合をボレル集合で分離できる定理。
ポーランド空間内の集合の階層構造を理解する上で重要。
ニコライ・ルジンによって示され、ボレル集合の性質を深く規定する。
- ルジンの定理
可測関数は、測度がいくらでも小さい集合を除けば連続関数であること。
「可測関数はほとんど連続関数である」という直感的な性質を示す。
実解析における積分論や関数空間の議論で頻繁に引用される。
- ルベーグの分解定理
任意の測度を、ある測度に対して絶対連続な部分と特異な部分に分ける定理。
測度の構造を明確にし、ラドン=ニコディムの定理の前提となる。
確率論における確率分布の分類(離散、連続、特異)の基礎。
- ルベーグの密度定理
可測集合の点において、その近傍での集合の占有率がほとんど1か0になること。
集合の境界以外の大部分の点では、密度が1であることを示す。
測度論的な意味での集合の「内点」を議論する際に用いられる。
- ルベーグの微分定理
局所可積分関数の積分を微分すると、ほとんど至る所で元の関数に戻ること。
微積分学の基本定理をルベーグ積分の枠組みで一般化したもの。
関数の局所的な振る舞いと積分の関係を厳密に規定する。
- ルベーグ測度の正則性定理
ルベーグ可測集合が、開集合や閉集合によって近似できるという性質。
外側からは開集合、内側からはコンパクト集合で測度を評価できる。
測度論の計算において、扱いやすい集合に置き換える正当性を与える。
- ルンゲの定理
コンパクト集合上の正則関数を多項式で一様近似できることを示す定理。
複素解析における近似理論の基礎であり、正則関数の柔軟性を示す。
多項式近似が可能かどうかは、集合の補集合の連結性に依存する。
- ルンゲ・グロスの定理
時間依存密度汎関数理論(TDDFT)の基礎となる存在定理。
外部ポテンシャルと電子密度の時間変化が一対一に対応することを示す。
多電子系の動的な性質を電子密度のみで記述することを正当化する。
- ルーカスの定理
二項係数を素数pで割った余りを、p進展開を用いて計算する定理。
大きなn, kに対する二項係数の合同式を高速に求めることができる。
数論や組合せ論、競技プログラミングのアルゴリズムで利用される。
- ルーシェの定理
領域内の二つの正則関数の零点の個数が、境界での評価により一致する定理。
境界上で一方の関数が他方より大きければ、和の零点数は変わらない。
代数学の基本定理の証明や、方程式の解の個数の推定に用いられる。
- ルーシェ=カペリの定理
線形方程式系に解が存在するための必要十分条件をランクで示す定理。
係数行列と拡大係数行列のランクが一致するとき、解が存在する。
線形代数学において、解の有無と自由度を判定する基本手段。
- ルーマー–フィリップスの定理
線形作用素が強連続収縮半群の生成作用素となる条件を与える定理。
作用素が散逸的であり、かつ値域が十分に大きいことを要求する。
進化方程式や偏微分方程式の解の存在証明に広く使われる。
- レイノルズの輸送定理
流体と共に動く領域内での物理量の時間変化を記述する積分公式。
ラグランジュ的な視点とオイラー的な視点を結びつける役割を持つ。
連続の式やナビエ・ストークス方程式の導出における基礎理論。
- レイリーの定理
無理数の逆数の和が1のとき、特定の数列が自然数を重複なく埋める定理。
二つの数列が自然数全体をちょうど一回ずつ覆う「補集合」の関係を作る。
組合せ論やゲーム理論(ワイソフのゲーム)に関連が深い。
- レクセルの定理
球面三角形において、面積が一定である頂点の軌跡は小円になるという定理。
平面幾何における「底辺と面積が一定なら頂点は平行線上」の球面版。
天文学者アンデシュ・レクセルによって18世紀に発見された。
- レスターの定理
任意の不等辺三角形において、外心、九点円の中心、二つのフェルマー点が共円であること。
これら4点を通る円は「レスター円」と呼ばれる。
1991年にカナダの数学者ジューン・レスターによって発見された。
- レフシェッツ不動点定理
写像が持つ不動点の個数を、空間のトポロジーから計算する定理。
写像が誘導するホモロジー群のトレース(レフシェッツ数)を用いる。
ブラウワーの不動点定理を一般化した、代数的位相幾何学の重要定理。
- レフシェッツ超平面定理
複素射影多様体とその超平面切断のトポロジーの関係を記述する定理。
切断によって低次のホモロジー群が変化しないことを示す。
代数幾何学における多様体の構造解析において強力な武器となる。
- レリッヒ=コンドラショフの定理
ソボレフ空間からLp空間への埋め込みがコンパクトであることを示す定理。
有界領域において、微分の情報が関数の強収束を保証する。
偏微分方程式の解の存在を、変分法を用いて証明する際に多用される。
- レリッヒ=ディキシミエの定理
量子力学の正準交換関係を満たす作用素の一意性に関する定理。
有限自由度の場合、表現は実質的にシュレーディンガー表現に限られる。
量子力学の数学的定式化において、表現の同値性を保証する基礎。
- レヴィの連続性定理
確率変数の列の分布収束と特性関数の各点収束の等価性を示す定理である。
特性関数が連続な関数に収束すれば、対応する分布関数も収束することを保証する。
確率論における中心極限定理の証明などに不可欠な基礎理論となっている。
- レーブの定理
数理論理学において、自己言及的な証明可能性に関する性質を述べた定理である。
「Pが証明可能ならばPである」が証明可能なら、P自体が証明可能であると説く。
ゲーデルの不完全性定理と密接に関連し、証明可能性論理の基礎をなす。
- レーヴェンハイム–スコーレムの定理
一階述語論理のモデルの大きさと存在に関する、モデル理論の基本定理である。
無限モデルを持つ理論は、任意の無限濃度を持つモデルも持つことを示す。
実数の理論が可算なモデルを持つという「スコーレムのパラドックス」を生む。
- ロッサーの定理
ゲーデルの不完全性定理を、より弱い前提条件で証明し直した論理学の定理である。
体系が単に矛盾していない(無矛盾)だけで不完全であることを示した。
ロッサー文と呼ばれる自己言及的な命題を用いることで証明を一般化した。
- ロピタルの定理
関数の極限において、不定形の値を微分を用いて求めるための計算規則である。
分子と分母をそれぞれ微分した後の極限値が、元の極限値と一致することを利用する。
0/0や無限大/無限大の形になる極限を簡便に解く手法として広く知られる。
- ロホリンの定理
4次元の滑らかな多様体において、交叉形式の性質を制限するトポロジーの定理である。
スピン構造を持つ多様体の符号数は、必ず16の倍数になることを示す。
4次元多様体の分類や、微分構造の存在を議論する上で極めて重要な役割を果たす。
- ロルの定理
関数が2点で同じ値をとる時、その間で微分係数が0になる点が少なくとも1つある。
微分可能な関数において、極値の存在を保証する解析学の基本的な性質である。
平均値の定理を証明するための特殊なケースとして、数学教育で必ず扱われる。
- ワイエルシュトラスの予備定理
多変数複素関数論において、零点付近での関数の構造を多項式で表現する定理である。
複雑な解析関数を、特定の変数に関する多項式と非零関数の積に分解できる。
複素解析や代数幾何学において、局所的な性質を調べるための強力な道具となる。
- ワイエルシュトラスの因数分解定理
任意の複素平面上の整関数が、その零点を用いた無限積の形で表現できることを示す。
多項式の因数分解を、無限個の零点を持つ関数へと一般化したものである。
複素解析学において、関数の大域的な構造を決定する重要な定理の一つである。
- ワイエルシュトラスの定理
閉区間上の連続関数は、多項式によって任意の精度で一様に近似できることを示す。
近似理論の基礎であり、滑らかな関数が単純な式で表現可能であることを保証する。
また、有界な閉集合上の連続関数が最大値と最小値を持つという定理も指す。
- ワイルの定理
コンパクト・リー群の表現論において、指標の直交性や既約表現の性質を述べた定理。
また、ラプラシアンの固有値の分布が領域の体積に依存するという漸近公式も指す。
数学と物理学の両面で、対称性や波動の性質を理解するための基礎となっている。
- ヴァリニョンの定理
任意の四角形の各辺の中点を結ぶと、必ず平行四辺形ができるという幾何学の定理。
できた平行四辺形の面積は、元の四角形の面積のちょうど半分になる性質を持つ。
初等幾何学における基本的な定理であり、ベクトルの概念を用いても容易に証明できる。
- ヴァンサンの定理
実係数多項式の正の実根を、連分数展開を用いて分離するための代数学の定理である。
変数の変換を繰り返すことで、符号変化の数から根の存在範囲を特定できる。
多項式の解の近似計算や、計算機代数におけるアルゴリズムの基礎として利用される。
- ヴァン・オーベルの定理
任意の四角形の各辺に正方形を描いた時、対向する正方形の中心を結ぶ線分に関する定理。
これら2つの線分は長さが等しく、かつ互いに直交するという性質を示す。
複素数平面やベクトルを用いることで、図形の対称性を鮮やかに証明できる。
- ヴィタリの収束定理
ルベーグ積分において、関数の列が積分記号の下で収束するための必要十分条件を与える。
一様可積分性という概念を用い、単調収束定理や優収束定理を一般化したものである。
確率論や解析学において、期待値の収束を議論する際の強力な道具となる。
- ヴィタリの定理
ルベーグ測度が定義できない集合(非可測集合)が存在することを証明した定理である。
実数の加法に関する同値関係を用い、選択公理を前提として構成される。
測度論の基礎において、すべての部分集合に測度を割り当てることの不可能性を示す。
- ヴィタリの被覆定理
ある集合を小さな球の集まりで覆う際、互いに素な部分集合で効率よく覆えることを示す。
測度論や幾何学的測度論において、微分の定義や集合の性質を調べるために使われる。
解析学における最大関数の評価や、ほとんど至る所での微分可能性の証明に寄与する。
- ヴィノグラードフの定理
「十分に大きな奇数は3つの素数の和で表せる」という、数論における重要な定理である。
ゴールドバッハの弱い予想を、円法という解析的手法を用いてほぼ解決した。
素数の分布に関する深い洞察を与え、現代数論の発展に大きく貢献した。
- ヴィヴィアーニの定理
正三角形内の任意の点から各辺に下ろした垂線の長さの和は、その三角形の高さに等しい。
点が三角形の内部にあればどこにあっても和が一定になるという、興味深い幾何学的性質。
正多角形や等角多角形に対しても、同様の性質が一般化できることが知られている。
- 一意化定理
任意の単連結なリーマン面は、単位円板、複素平面、リーマン球面のいずれかに同相である。
複雑な曲面の幾何学的構造を、3つの標準的なモデルに分類できることを保証する。
複素解析学や微分幾何学において、曲面の分類理論の頂点に位置する定理である。
- 一致の定理
2つの正則関数がある領域内の点列で一致すれば、その領域全体で一致するという定理。
複素関数の値が局所的に決まれば、大域的な挙動も一意に定まることを示す。
解析接続の理論的根拠となり、関数の定義域を広げる際の基本原理となっている。
- 一般ガウス・ボネの定理
偶数次元の閉じたリーマン多様体において、曲率の積分とオイラー標数を結びつける定理。
図形の局所的な幾何学的性質が、全体のトポロジーを決定することを示している。
微分幾何学とトポロジーを繋ぐ最も美しい定理の一つとして知られる。
- 一般化されたストークスの定理
多様体上の微分形式の積分と、その境界での積分を結びつける公式。
微積分学の基本定理、ガウスの定理、グリーンの定理を統合する。
現代的な幾何学や物理学の記述において中心的な役割を果たす。
- 七円定理
一つの円の周囲に接する6つの円の連鎖に関する幾何学の定理。
外側の円が特定の条件を満たすとき、接点を結ぶ直線が1点で交わる。
1974年にエブリン、マネー=カッツ、ティレルによって証明された。
- 三平方の定理
直角三角形の斜辺の二乗は、他の二辺の二乗の和に等しいという定理。
幾何学において最も有名かつ基本的な関係式の一つ。
測量、建築、物理学の計算など、あらゆる分野で基礎として用いられる。
- 不動点定理
特定の条件を満たす写像が、自分自身に移る点(不動点)を持つ定理。
ブラウワーの定理やバナッハの縮小写像原理などが代表例。
方程式の解の存在証明や、経済学の均衡理論において極めて重要。
- 中位投票者定理
多数決による決定は、有権者の中央に位置する人の好みに収束するという定理。
政党が票を最大化しようとすると、公約が似通ってくる現象を説明する。
選択肢が一元的で、投票者の好みが単峰型である場合に成立する。
- 中国の剰余定理
複数の整数で割った余りが与えられたとき、元の数を求める数論の定理。
互いに素な法の下での合同式系に、一意な解が存在することを保証する。
RSA暗号の高速化や、大きな数の計算を分割して行う際に利用される。
- 中心極限定理
独立な変数の和は、元の分布に関わらずサンプル数が増えると正規分布に近づくこと。
統計学において、正規分布が極めて一般的である理由を説明する。
標本調査や誤差の推定など、統計的推測のあらゆる場面で基礎となる。
- 中点連結定理
三角形の二辺の中点を結ぶ線分は、底辺に平行で長さが半分になる定理。
図形の相似や平行線の性質を理解するための初等幾何学の基本。
中学生の数学で学習し、より複雑な図形の証明問題の足掛かりとなる。
- 中線定理
三角形の一辺の中点と対頂点を結ぶ線分の長さに関する等式。
二辺の二乗の和が、中線の二乗と底辺の半分の二乗の和の2倍に等しい。
ベクトルのノルムや内積の性質を考える際にも頻繁に登場する。
- 中間値の定理
連続関数がある区間の両端で異なる値をとるとき、その間の値を必ずとること。
グラフが途切れていなければ、目標の値を横切る瞬間があることを示す。
方程式が特定の範囲に解を持つことを証明する際に非常に便利。
- 丸山良寛の定理
確率過程において、ある測度を別の等価な測度に変換する手法に関する定理。
ドリフト項を持つ確率微分方程式を、ブラウン運動の枠組みで扱えるようにする。
デリバティブ価格理論(ブラック・ショールズ等)の数学的支柱。
- 主イデアル整域上の有限生成加群の構造定理
PID上の有限生成加群が、自由部分とねじれ部分の直和に分解できること。
線形代数におけるジョルダン標準形の存在を一般化した形で保証する。
有限生成アーベル群の分類など、代数学の広い範囲に適用される。
- 乗法定理
二つの事象が同時に起こる確率を、条件付き確率を用いて計算する公式。
「Aが起こる確率」と「Aが起きた下でBが起こる確率」の積で求める。
ベイズの定理の導出や、複雑な確率モデルの構築において基礎となる。
- 二項定理
二項式のべき乗を展開した際の各項の係数を求めるための代数学の公式。
展開式の係数は組み合わせの数である二項係数(コンビネーション)として現れる。
多項式の計算や確率論における二項分布の導出など、数学の多分野で基礎となる。
- 五円定理
平面幾何学において特定の配置にある5つの円が持つ接点や共円性に関する定理。
ミケルの定理の拡張であり、円の連鎖が描く幾何学的な性質を記述する。
図形の構成や円の接点に関する深い洞察を与え、幾何学のパズル的な美しさを示す。
- 五色定理
平面上のいかなる地図も5色あれば隣接領域を塗り分けられるというグラフ理論の定理。
四色定理よりも証明が容易であり、平面グラフの性質を理解する上で重要とされる。
地図作成の理論的限界や、ネットワークの彩色問題の基礎的な成果として知られる。
- 代数学の基本定理
複素数係数のn次方程式は、複素数の範囲で必ずn個の解を持つという定理。
ガウスによって厳密に証明され、代数学における最も重要な成果の一つとされる。
多項式の因数分解や複素解析学の基礎を支え、数学の体系において中心的な役割を担う。
- 低基底定理
計算可能理論において、特定の性質を持つ無限二分木に「低い」集合が存在する定理。
計算不可能性の度合いを分類する指標となり、数理論理学における重要な成果。
アルゴリズムの限界や、数学的対象の複雑さを評価するために用いられる。
- 余弦定理
三角形の辺の長さと角の余弦(コサイン)の関係を示す幾何学の定理。
ピタゴラスの定理を一般化したもので、任意の三角形の辺や角を求めるのに使う。
測量、航海術、物理学のベクトル計算など、幅広い実用分野で利用される。
- 余接定理
三角形の3辺の長さと角の余接(コタンジェント)の関係を記述する幾何学の定理。
正弦定理や余弦定理ほど一般的ではないが、三角形の解法に用いられることがある。
特に半角の公式と組み合わせて、計算を簡略化する際に役立つ数学的性質である。
- 優収束定理
ルベーグ積分において、関数の極限と積分の順序を入れ替えられる条件を示す定理。
各項が共通の可積分関数で抑えられている場合に成立し、解析学で頻繁に利用される。
積分記号下での微分や、級数の和と積分の交換を正当化する強力な道具である。
- 八円定理
平面幾何学において、特定の配置にある8つの円が持つ接点や共円性に関する定理。
クリフォードの円定理の系列に属し、円の連鎖が描く美しい幾何学的性質を示す。
高度な幾何学的構成や、反転幾何学の応用問題として扱われる数学的成果。
- 六円定理
三角形の各辺に接し、かつ隣り合う円同士が接する6つの円の連鎖に関する定理。
ミケルの定理に関連し、最後の円が最初の円と必ず接して閉じる性質を持つ。
初等幾何学における円の充填や接点に関する、興味深い幾何学的性質の一つ。
- 円充填定理
あらゆる平面グラフは、互いに接する円の集合として平面上に配置できるという定理。
幾何学とグラフ理論を繋ぐ重要な成果であり、離散共形写像の理論の基礎となる。
複素解析の離散化モデルや、計算幾何学の分野で重要な役割を果たしている。
- 分離定理
凸集合の理論において、交わらない二つの凸集合の間に超平面を引けるという定理。
関数解析学や最適化理論の基礎であり、経済学の一般均衡理論の証明にも使われる。
二つの対象を明確に区別できる境界の存在を数学的に保証する重要な定理。
- 分離超平面定理
二つの凸集合が重ならない時、それらを分かつ超平面が存在することを示す幾何学の定理。
サポートベクターマシン(SVM)などの機械学習アルゴリズムの理論的根拠となる。
最適化問題において、解の存在や双対性を議論する際の重要な道具である。
- 分類定理
数学的な対象を、特定の性質や不変量に基づいて完全にリストアップする定理。
有限単純群の分類や、閉曲面の分類などが代表的な成果として知られる。
対象の全体像を把握し、未知の構造が存在しないことを証明する数学の到達点。
- 前川定理
折り紙の数学において、一つの頂点に集まる山折りと谷折りの本数の差が必ず2になる定理。
平坦に折り畳める折り紙の幾何学的な制約条件を記述する基礎的な定理。
折り紙工学や宇宙構造物の展開パネルの設計など、工学的な応用も進んでいる。
- 剰余の定理
多項式P(x)を(x-a)で割った時の余りが、P(a)の値に等しいという代数学の定理。
複雑な割り算を行わずに余りを求めたり、方程式の解を判定したりする際に重宝する。
因数定理の基礎となる重要な性質であり、高校数学の代数分野で広く学習される。
- 加法定理
三角関数の和や差の角度を、個別の角度の関数の積と和で表す数学の公式。
sin(α+β)などの計算を可能にし、波の合成や回転行列の計算に不可欠である。
測量、物理学、信号処理など、振動や回転を扱うあらゆる分野の基礎となる。
- 加藤の定理
量子力学において、ハミルトニアンの固有関数が持つ滑らかさや性質に関する定理。
数学者・加藤敏夫によって示され、原子や分子のシュレディンガー方程式の解を保証する。
数理物理学における厳密な議論の基礎を築いた、極めて重要な学術的成果。
- 加速定理
計算複雑性理論において、任意のアルゴリズムよりも高速なものが必ず存在する状況を示す定理。
ブルムの加速定理が有名であり、計算量の限界に関する直感に反する性質を記述する。
アルゴリズムの最適化には理論的な限界がない場合があることを示唆している。
- 包絡線定理
パラメータが変化した時の最適値の変化が、直接的な影響のみで決まるという定理。
経済学の最適化問題において、需要関数の導出や感度分析に広く用いられる。
複雑な再計算を省いて最適解の挙動を把握するための、微積分学の強力な道具。
- 十色定理
平面上のいかなる地図も、隣接する領域が異なる色になるよう4色で塗り分けられる定理。
四色定理のことであり、1976年にコンピュータを用いて初めて証明された。
グラフ理論の彩色問題の代表例であり、地図作成の理論的基礎として知られる。
- 南極定理
地球上の対蹠点において、気温と気圧が完全に一致する場所が必ず存在するという定理。
ボルサック・ウラムの定理の直感的な説明として用いられ、連続関数の性質を示す。
トポロジー(位相幾何学)における興味深い帰結の一つとして知られている。
- 単調収束定理
数列が単調増加かつ上に有界であれば、その数列は必ず収束するという解析学の定理。
実数の連続性に基づく基本性質であり、極限の存在を保証するために用いられる。
微積分学や確率論において、収束性を議論する際の出発点となる重要な定理。
- 厚生経済学の基本定理
市場経済の効率性と公平性に関する経済学の二つの主要な定理。
第一定理は競争均衡がパレート最適であることを示し、第二定理は再分配による最適化を示す。
資源配分の効率性を論じる際の理論的支柱となっている。
- 原始元定理
体論において、有限次分離拡大は単拡大であることを示す定理。
拡大体がある一つの要素(原始元)を添加するだけで生成できることを保証する。
代数的数体や有限体の理論において、構造を簡略化する重要な道具となる。
- 双極定理
局所凸線型位相空間における集合とその双極集合の関係を示す定理。
ある集合の双極集合が、元の集合の閉凸包に一致することを主張する。
関数解析学において、凸集合の性質を調べるための基本的な道具である。
- 可換持ち上げ定理
ホモトピー論において、特定の図式を可換にする写像の存在を保証する定理。
被覆空間の理論やファイブレーションの性質を記述する際に用いられる。
トポロジーにおける基本的な道具の一つで、空間の構造を調べるのに役立つ。
- 同型定理
群論や環論などの代数系において、剰余系と像の間の同型関係を示す定理。
第一、第二、第三同型定理があり、代数的構造の分類や解析に不可欠である。
複雑な構造を持つ対象を、より単純な対象との関係で理解することを可能にする。
- 四平方定理
すべての自然数は、4つの整数の平方の和で表せるという数論の定理。
ラグランジュによって証明されたため、ラグランジュの四平方定理とも呼ばれる。
例えば、7は 2の2乗 + 1の2乗 + 1の2乗 + 1の2乗 と表現できる。
- 四点共円定理
平面上の4つの点が同一円周上に存在する条件を示す幾何学の定理。
向かい合う角の和が180度であることや、円周角の定理の逆が成り立つことが条件となる。
円に内接する四角形の性質を調べる際に、非常に重要な役割を果たす。
- 四色定理
いかなる地図も、隣接する領域が異なる色になるよう4色で塗り分けられるという定理。
1976年にコンピュータを用いた膨大な計算により証明された。
グラフ理論における代表的な問題であり、数学史上でも有名な成果の一つである。
- 因数定理
多項式 P(x) において、P(a)=0 ならば P(x) は (x-a) を因数に持つという定理。
高次方程式の解を見つけ、多項式を因数分解する際の強力な道具となる。
代数学の基本定理と密接に関連し、多項式の性質を調べる基礎となる。
- 圧縮定理
計算複雑性理論において、計算資源を増やすことで解ける問題が確実に増えることを示す定理。
特定の時間や空間の制約内で計算可能な関数のクラスが存在することを保証する。
アルゴリズムの効率性の限界を論じる際の、理論的な基礎となっている。
- 埋め込み定理
ある数学的構造を、より大きな空間の中にその構造を保ったまま配置できることを示す定理。
ホイットニーの埋め込み定理は、任意の多様体がユークリッド空間に埋め込めることを示した。
対象を扱いやすい高次元空間の中で解析することを可能にする。
- 増分定理
関数の値の変化を、その導関数を用いて近似または表現する定理。
微分積分学における平均値の定理の別名、あるいは多変数関数における全微分の関係を指す。
誤差の評価や、関数の局所的な挙動を解析する際に不可欠な道具である。
- 外角定理
三角形の外角の大きさは、それと隣り合わない二つの内角の和に等しいという定理。
多角形の内角と外角の関係を導く基礎となり、図形の角度計算において頻繁に利用される。
平行線の性質や三角形の内角の和が180度であることから導き出せる。
- 多角数定理
すべての正の整数は、高々n個のn角数の和で表せるという数論の定理。
フェルマーが予想し、コーシーがすべての多角数について証明を完成させた。
四平方定理を一般化したものであり、加法的数論の重要な成果である。
- 多項定理
多項式の展開式における各項の係数を求めるための公式。
二項定理を一般化したもので、係数は多項係数と呼ばれる組み合わせの数で与えられる。
確率論における多項分布の計算や、代数的な展開の基礎として用いられる。
- 大直交性定理
群の表現論において、既約表現の行列要素が満たす直交関係に関する定理。
異なる既約表現の間で、ある種の和がゼロになることを示す。
分子の振動解析や量子力学における選択則の決定など、物理・化学で広く応用される。
- 存在定理
ある条件を満たす数学的対象が、少なくとも一つ存在することを証明する定理。
対象を具体的に構成する方法を示さなくても、存在すること自体を論理的に保証する。
中間値の定理や代数学の基本定理などがその代表例であり、理論の出発点となる。
- 宇敷の定理
複素力学系において、特定の条件を満たす写像がカオス的な挙動を示すことを記述した定理。
数学者・宇敷重広によって提唱され、ジュリア集合の構造や分岐理論の研究に貢献した。
フラクタル図形の生成や、非線形現象の解析において重要な意味を持つ。
- 整数点についてのジーゲルの定理
代数曲線上の整数点の個数が有限であることを示す数論の重要な定理である。
種数が1以上の代数曲線において、整数座標を持つ点の集合は有限集合に限られる。
ディオファントス近似の理論を用いて証明され、モーデル・ヴェイユの定理とも関連する。
- 断熱定理
外部パラメータが非常にゆっくり変化する量子系において、系が瞬時の固有状態を維持する法則である。
ハミルトニアンの変化が十分緩やかであれば、初期状態のエネルギー準位が保たれたまま遷移する。
量子計算における断熱量子計算や、幾何学的位相の研究において重要な役割を果たす。
- 方べきの定理
円と2本の直線が交わるとき、交点からの距離の積が一定になるという幾何学の定理である。
円外の点から引いた割線や接線、あるいは円内の点を通る弦について成り立つ。
中学数学の図形問題で頻出するほか、円に関する様々な性質の証明に利用される。
- 日本の定理
円に内接する多角形を三角形に分割したとき、内接円の半径の和が分割法によらない定理である。
和算の幾何学問題として知られ、日本の数学者が発見したことからこの名がついた。
カルノーの定理を用いて証明され、和算の高度な幾何学的知見を示す例として引用される。
- 春木の定理
円の2つの弦が交差するとき、特定の線分比の積が一定に保たれるという幾何学の定理である。
数学者の春木博によって発見され、方べきの定理を一般化したような性質を持つ。
動点を含む図形において不変量を見出す問題などで、数学的な美しさを持つ例として扱われる。
- 普遍係数定理
ホモロジー群とコホモロジー群の間の関係を、代数的に記述するトポロジーの定理である。
係数環を別のものに取り替えたときに、群の構造がどのように変化するかを決定する。
鎖複体の計算において、ねじれ部分群の影響を正確に把握するために不可欠な道具である。
- 曲面のリーマン・ロッホの定理
代数曲面上の線束の切断の空間の次元を、曲面の幾何学的量で表す定理である。
代数曲線の定理を2次元に拡張したもので、ヒルツェブルフらによって一般化された。
曲面の分類理論や、代数幾何学における不変量の計算において中心的な役割を果たす。
- 最大フロー最小カット定理
ネットワークにおける最大流量が、ソースとシンクを分断する最小のカット容量に等しいという定理である。
グラフ理論における最適化問題の基本であり、効率的な輸送や通信経路の設計に用いられる。
フォード・ファルカーソン法などのアルゴリズムによって、具体的な最大流を求めることができる。
- 最大値最小値定理
閉区間上の連続関数は、その区間内で必ず最大値と最小値を持つという解析学の定理である。
関数の連続性と集合のコンパクト性が保証する性質であり、微分積分学の基礎を支える。
最適化問題において解の存在を保証する重要な根拠となり、極値の探索に活用される。
- 有理根定理
整数係数多項式が有理数の解を持つ場合、その候補を限定する代数学の定理である。
解の分子は定数項の約数、分母は最高次係数の約数に限られるという性質を利用する。
高次方程式を解く際の手がかりとして、因数分解の可能性を調べるために広く用いられる。
- 有界逆写像定理
バナッハ空間の間の連続な線形全単射は、その逆写像も連続であるという定理である。
関数解析学における基本定理の一つであり、逆演算の安定性を保証する。
開写像定理や閉グラフ定理と密接に関連しており、微分方程式の解析などに用いられる。
- 有限アーベル群の構造定理
全ての有限アーベル群は、いくつかの巡回群の直積に一意的に分解できるという定理である。
群の構造を素数冪の位数を持つ単純な要素に分解して理解することを可能にする。
代数学における群論の基礎であり、有限群の分類や性質の解明において決定的な役割を果たす。
- 楕円曲線のハッセの定理
楕円曲線の有限体上での点の個数が、理論的な期待値からどれだけずれるかを評価する定理である。
点の個数Nと体の方数qに対し、誤差が2√q以下であることを保証する。
数論におけるリーマン予想の有限体版の一部であり、暗号理論の安全性評価にも関わる。
- 極限定理
試行回数を増やしたときに、統計量が特定の分布や値に収束することを示す定理の総称である。
大数の法則や中心極限定理が代表的で、統計学の理論的な正当性を支える柱となっている。
個々の事象が予測不能でも、全体としては規則的な振る舞いを見せることを数学的に証明する。
- 構造化定理
どんな複雑なプログラムも、順次・選択・反復の3つの基本構造だけで記述できるという定理である。
1966年にベームとカトピーニによって証明され、構造化プログラミングの理論的根拠となった。
「GOTO文」を排除し、プログラムの可読性や保守性を向上させるための指針として普及した。
- 標本化定理
連続的なアナログ信号をデジタル化する際、元の信号を完全に再現するために必要な条件を示す定理である。
信号に含まれる最高周波数の2倍以上の速さでサンプリングすれば、情報は失われない。
CDの音質やデジタル通信、画像処理など、現代のデジタル技術の根幹を支える理論である。
- 正則性定理
偏微分方程式の解が、方程式の係数や右辺の滑らかさに応じて、どの程度滑らかになるかを示す定理である。
例えば、楕円型方程式の解は、データが滑らかであれば領域内部で非常に滑らかになる。
解の存在だけでなく、その質的な性質を保証するために、解析学において極めて重要である。
- 正弦定理
三角形において、各辺の長さとその対角のサインの比が一定であるという定理である。
この比は、その三角形の外接円の直径に等しく、辺の長さや角の大きさを求めるのに使われる。
測量や航海術、物理学における力の分解など、三角形を扱うあらゆる場面で活用される。
- 正接定理
三角形の2辺の和と差の比が、その対角の和と差の半分のタンジェントの比に等しいという定理である。
正弦定理や余弦定理に比べると知名度は低いが、対数計算が主流だった時代には計算に重宝された。
2辺とその間の角が既知の場合に、他の角を求めるための計算式として利用される。
- 毛玉の定理
球面上の連続なベクトル場には、必ずベクトルがゼロになる点が存在するというトポロジーの定理である。
「球に生えた毛を、つむじを作らずに平らに撫でつけることはできない」という例えで知られる。
地球上のどこかには必ず風が吹いていない場所があることを数学的に証明している。
- 流線曲率の定理
流体の流線の曲がり方と、その法線方向の圧力勾配の関係を示す定理。
流線が曲がっているとき、曲率の中心に向かって圧力が低くなることを表す。
翼の上面で流線が曲がることで揚力が発生する現象の理解に不可欠である。
- 消滅定理
複素幾何学や代数幾何学において、特定のコホモロジー群が零になることを示す定理。
小平の消滅定理が代表的であり、複素多様体の性質を調べる強力な道具となる。
線束の正値性と幾何学的構造を結びつける重要な役割を果たしている。
- 準同型定理
群や環などの代数的構造において、準同型写像の核と像の関係を示す定理。
写像による像が、元の構造を核で割った商構造と同型になることを主張する。
代数学の基礎となる重要な定理であり、構造の分類や解析に広く用いられる。
- 演繹定理
前提から結論を導くことと、含意式が成立することの同値性を示す定理。
前提 A から B が証明できるなら、「A ならば B」が証明可能であることを意味する。
数学的証明の構成において、仮定を導入する手続きを正当化する基本原理である。
- 無限の猿定理
猿がタイプライターをランダムに叩き続ければ、いつかはシェイクスピアを書き上げるという定理。
確率論において、極めて低い確率の事象も無限の試行を繰り返せば確実に起こることを示す。
直感に反する無限の性質を説明するための比喩としてよく用いられる。
- 無限次元空間における不動点定理
無限次元の関数空間において、特定の写像が自分自身に移る点を持つことを示す定理。
シャウダーの不動点定理などが有名で、微分方程式の解の存在証明に利用される。
有限次元のブラウワーの定理を一般化したもので、非線形解析学の重要課題である。
- 特異点定理
一般相対性理論において、ある条件下で必ず重力の特異点が生じるという定理。
ペンローズとホーキングによって証明され、ブラックホールやビッグバンの存在を裏付けた。
時空の破綻を示唆しており、量子重力理論の必要性を説く根拠となっている。
- 球函数に対するプランシュレルの定理
リー群上の関数空間において、球関数を用いたフーリエ変換の等長性を示す定理。
関数のノルムが、変換後のスペクトルデータの積分値と一致することを主張する。
調和解析における中心的な結果であり、表現論や数論の分野で広く応用される。
- 発散定理
ベクトル場の発散を体積積分したものが、境界を通るフラックスの面積積分に等しいという定理。
ガウスの定理とも呼ばれ、電磁気学や流体力学における保存則の記述に不可欠である。
三次元空間における微分と積分の関係を繋ぐ、ベクトル解析の重要な成果である。
- 白川の定理
グラフ理論において、特定の条件を満たすグラフがハミルトン閉路を持つことを保証する定理。
頂点の次数やグラフの連結性に関する制約から、全頂点を巡る経路の存在を導く。
ネットワークの最適化や巡回セールスマン問題の理論的背景として利用される。
- 相反定理
ある系において、入力と出力の場所を入れ替えても応答が変わらないという物理学の定理。
電気回路の可逆定理や、構造力学におけるベティの定理などが具体的な例である。
複雑なシステムの解析を簡略化するための強力なツールとして、工学設計に広く用いられる。
- 眼球定理
幾何学において、二つの円の共通接線の交点と円の中心を結ぶ線分に関する定理。
一方の円の中心から他方の円への接線が作る角度が、もう一方でも等しくなるという性質を持つ。
見た目が眼球のように見えることから名付けられ、円の性質を美しく示す一例である。
- 稠密性定理
数学において、ある集合の中に別の集合の要素が隙間なく存在することを示す定理の総称。
例えば、任意の二つの実数の間には必ず有理数が存在するという性質などがある。
解析学において、複雑な対象を扱いやすい対象で近似するための理論的基礎となる。
- 等周定理
閉曲線の長さが一定のとき、その囲む面積が最大になるのは円であるという定理。
高次元への拡張もなされており、等周不等式として数学的に定式化される。
自然界の形状決定プロセスや、最適化問題の基礎理論として知られている。
- 算術の基本定理
1より大きいすべての整数は、素数の積として一意に表せるという定理。
素因数分解の一意性とも呼ばれ、整数論における最も基礎的な柱である。
ガウスによって厳密に証明され、現代数学のあらゆる分野で利用される。
- 算術級数の素数定理
特定の等差数列の中に、素数がどのように分布しているかを示す定理。
初項と公差が互いに素な等差数列には、無限に素数が含まれることを精密化。
ディリクレの定理を拡張したもので、解析的数論の重要な成果である。
- 算術級数定理
初項と公差が互いに素である等差数列には、無限に多くの素数が含まれる定理。
1837年にディリクレによって証明され、解析的数論の先駆けとなった。
例えば「10n+7」の形の素数は無限に存在することを保証している。
- 純化定理
混合状態を、より大きな系の純粋状態の一部として表現できるという定理。
量子情報理論において、系の不確実性を扱うための強力な数学的ツール。
量子測定やデコヒーレンスの解析において、理論的な基礎を提供している。
- 素数定理
自然数の中に素数がどの程度の割合で現れるかを示す数学の定理。
x以下の素数の個数が x/log x に近似できることを主張する。
1896年に独立に証明され、数論における最も有名な成果の一つである。
- 線型代数学の基本定理
線型写像の核の次元と像の次元の和が、定義域の次元に等しいという定理。
次元定理とも呼ばれ、行列のランクと解の自由度の関係を明確にする。
線型代数学における最も基本的かつ重要な定理の一つとして知られる。
- 線形加速定理
計算複雑性理論において、アルゴリズムの実行時間を定数倍短縮できるという定理。
チューリングマシンのテープ記号数を増やすことで、計算ステップを減らせる。
計算量の理論的な限界を議論する際に用いられる、基礎的な成果である。
- 線形計画法の基本定理
線形計画問題において最適解が存在するなら、それは実行可能領域の端点にある。
シンプレックス法などの解法が有効であることの理論的な根拠となっている。
資源配分や輸送計画など、実社会の最適化問題に広く応用される。
- 胡蝶定理
円の弦の中点を通る別の2本の弦を引き、端点を結ぶと中点から等距離になる定理。
図形が蝶の羽のように見えることから、この優雅な名称がついた。
初等幾何学における美しく有名な定理の一つとして親しまれている。
- 芳賀定理
折り紙を折る際に、正方形の辺の特定の点を合わせることで比率を作る定理。
芳賀和夫によって提唱され、折り紙数学の基礎的な成果として知られる。
1/3や2/3といった長さを、定規を使わずに正確に導き出すことができる。
- 補償定理
回路内のインピーダンス変化を電圧源に置き換えて考える定理。
複雑な電気回路の計算を簡略化するために用いられる。
回路網解析の基本の一つ。
- 西山の定理
三角形の各辺を延長した図形に関する幾何学の定理。
面積の比率や特定の点を通る直線について成り立つ性質を示す。
折り紙の数学的解析にも応用される。
- 要素価格均等化定理
自由貿易によって国を越えて賃金や利潤が等しくなるという定理。
ヘクシャー=オリーンの定理から導かれる国際経済学の概念。
生産要素の移動がなくとも貿易がその代わりを果たす。
- 角の二等分線の定理
三角形の角を二等分する線が、対辺を隣り合う辺の比で分ける定理。
中学数学で習う図形の基本的な性質の一つ。
内角だけでなく外角についても成り立つ。
- 角谷の不動点定理
集合値関数において、ある条件を満たせば不動点が存在するという定理。
ゲーム理論におけるナッシュ均衡の存在証明などに使われる。
角谷静夫によって証明された。
- 角谷の定理
2つの測度が互いに絶対連続であるための条件を示す定理。
確率論や解析学において、測度の同値性を判断する際に重要となる。
無限次元の測度論において基本的な役割を果たす。
- 資産価格付けの基本定理
市場に裁定取引の機会がないことと、リスク中立確率の存在を結びつける定理。
デリバティブの価格計算など、金融工学の理論的基礎となる。
第一定理と第二定理がある。
- 距離化定理
位相空間がどのような条件を満たせば距離空間になれるかを示す定理。
ウリゾーンの定理などが有名で、数学の基礎的な構造を理解する鍵となる。
位相的性質と距離の関係を定義する。
- 逆函数定理
関数が局所的に逆関数を持つための条件を定めた定理。
導関数がゼロでない点で、その関数が1対1に対応することを示す。
多変数解析学の重要な定理。
- 量子削除不可能定理
未知の量子状態のコピーが2つある時、片方を完全に消去できないという定理。
量子情報の複製不能性と並び、量子力学の基本性質を示す。
情報の保存に関わる理論。
- 量子回帰定理
閉じた量子系は、十分な時間が経過すれば必ず元の状態に戻るという定理。
古典力学のポアンカレ回帰定理の量子版にあたる。
有限次元の系で厳密に成り立つ。
- 量子複製不可能定理
未知の量子状態を完全にコピーすることは不可能であるという量子力学の定理。
1982年にウッターズ、ズレック、ディークスによって証明された。
量子暗号の安全性を支える基本原理であり、情報の盗聴を物理的に防ぐ根拠となる。
- 量子非隠蔽定理
量子系から情報が失われた際、その情報は必ず環境側に移動していることを示す定理。
情報は隠蔽されるのではなく、デコヒーレンスによって周囲に拡散する。
量子情報の保存則を補完する概念であり、ブラックホール情報パラドックスにも関連する。
- 長田=スミルノフの距離化定理
位相空間が距離空間として定義可能であるための必要十分条件を与える定理。
空間が正則かつ、局所有限な開被覆の可算個の和として基底を持つことが条件となる。
位相幾何学において、空間の性質を分類する上で重要な成果である。
- 閉グラフ定理
2つのバナッハ空間の間の線形写像が、グラフが閉集合であれば連続であるという定理。
関数解析学における基本定理の一つであり、写像の連続性を確認する手間を省ける。
逆写像定理や開写像定理と密接に関連している。
- 閉値域の定理
バナッハ空間上の有界線形作用素の値域が閉集合であるための条件を示す定理。
作用素の値域が閉であることと、その共役作用素の値域が閉であることは同値となる。
微分方程式の解の存在性などを議論する際の重要な道具である。
- 開写像定理
バナッハ空間の間の連続な全射線形写像は、開集合を開集合に写すという定理。
関数解析学の根幹をなす定理であり、逆写像の連続性を保証する際などに用いられる。
空間の完備性がこの定理の成立において決定的な役割を果たす。
- 陪審定理
集団が多数決で意思決定を行う際、個人の正答率が0.5を超えれば集団の正答率は高まるという定理。
ニコラ・ド・コンドルセが提唱し、集団の知恵を数学的に裏付けた。
陪審員数が増えるほど、正しい判決に至る確率が1に近づくとされる。
- 陰函数定理
方程式によって定義される多変数の関係が、局所的に一価の関数として表せる条件を示す定理。
多変数解析学において、複雑な曲面を特定の変数の関数として扱うための基礎となる。
逆関数定理の一般化とみなすことができ、幾何学や物理学で多用される。
- 陳の定理
十分に大きなすべての偶数は、2つの素数の和、または1つの素数と2つの素数の積の和で表せるという定理。
中国の数学者、陳景潤によって1966年に発表された。
ゴールドバッハの予想の解決に最も近づいた成果の一つとして知られる。
- 階数・退化次数の定理
線形写像において、像の次元(階数)と核の次元(退化次数)の和が定義域の次元に等しいという定理。
線形代数学における最も基本的かつ重要な定理の一つである。
行列のランクと解空間の次元の関係を明確に示している。
- 高木の存在定理
任意の代数体に対し、そのイデアル類群をガロア群とするアベル拡大が存在するという定理。
高木貞治が1920年に発表し、類体論の基礎を確立した金字塔的な成果である。
日本の数学が国際的な水準に達したことを象徴する出来事として知られる。
- 高田の定理
三角形の各頂点から対辺に下ろした垂線の足を通る円に関する、平面幾何学の定理。
日本の数学者、高田健一によって提唱された。
特定の条件下で複数の円が一点で交わるなどの性質を示し、初等幾何学の美しい成果とされる。
- はさみうちの原理
極限値を求める際、未知の関数を既知の2つの関数で挟んで値を特定する定理。
左右の関数の極限が一致すれば、挟まれた関数の極限も同じ値になる。
微積分学において、複雑な関数の収束を証明するために不可欠な道具である。
- トリチェリーの原理
容器の穴から流出する液体の速度が、液面からの深さの平方根に比例するという法則。
エネルギー保存則(ベルヌーイの定理)の特殊なケースとして説明される。
水時計の原理や、タンクからの排水時間の計算などに利用される。
- 大数の法則
試行回数を増やすほど、実際の出現率が理論上の確率に近づいていくという統計学の法則。
個々の事象は予測不能でも、集団全体としては一定の規則性を示すことを保証する。
保険料の算定や世論調査の信頼性など、現代社会の統計的基盤となっている。
- 熱力学第三法則
絶対零度において、完全結晶のエントロピーはゼロになるという法則。
有限の手続きによって、物体を絶対零度まで冷却することは不可能であることを意味する。
低温物理学の基礎となり、化学反応の平衡定数の決定などにも寄与する。
- 群の位数に関する積の法則
群論において、部分群の位数と剰余類の数の関係を示す基本的な法則。
有限群の位数は、その任意の部分群の位数で割り切れるという定理を指す。
群の構造を解析し、その性質を分類する上での出発点となる。